品川皓亮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・「しんどさ」の原因の言語化
日常で感じる「時間に追われる」「休日も休まらない」「数字の支配」「年収による人への評価」といった息苦しさを、個人の心の持ちようではなく、現代人の思考に染み込んだ「資本主義」の弊害(6人の追手)として捉える。
・歴史と思想による構造の解明
時間、成長、数字、労働、お金、消費という6つの要素が、なぜ現代において人を追い詰める仕組みになったのかを、歴史的な背景(キリスト教の時間革命、科学革命、宗教改革など)や思想の変遷から紐解く。
・資本主義を否定しないスタンス
資本主義そのものを悪として完全否定したり、極端な隠居・退職を勧めたりするのではなく、システムを客観的に「知る」ことで盲従から抜け出すことを目指す。
・適切な距離感の提案
「測らない勇気を持つ」「偽物の欲求を疑う」「無駄な時間を取り戻す」といったアプローチを通じ、資本主義の構造を理解した上で、それらと適切な距離を取りながら主体的かつ健やかに生きていく実践的な知恵を提示する。 -
Posted by ブクログ
読む人が読めばわかりやすく感じられるのでしょうが、少し小難しく感じてしまいました。
ひとまずは資本主義との距離の取り方(近づき過ぎず遠ざかる)は大事なことの一つのようです。簡単にまとめると、直線的でなく循環的な時間感覚、成長しつづけるという考えの放棄、数値管理の弊害の理解、労働しなければいけないという価値観の変化、お金と道徳、ほしいという感情はどこからか(真の欲求か偽か)、以上のようなことです。
資本主義にはどのような歴史があるか、どんな考えか、それにとらわれることは大変であり、距離感が大切だということなどが、相応の分量で書かれているように思います。単純に考える方なのであまり合いませんでしたが、人文知というような領域でよく考える人には合うのかなと思いました。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、資本主義の構造を、西洋史と西洋思想をもとに紐解き、我々が資本主義社会において現在感じている「生きづらさ」の正体を特定したうえで、資本主義とどう付き合っていくかを示す。
資本主義には、
①我々を日々追い立てる「6人の追手」・・・すなわち時間、成長、数字、労働、お金、消費が存在し、さらに
②その背景に、分業、市場、商品という3つの基本装置と、資本、イノベーション、金融という3つの加速装置が存在する・・・
ということを、西洋で展開された歴史と、文理の別を問わず様々な学問史を幅広く援用し、それぞれの成立過程と性質を解き明かしていく。
本書は、表題の通りに資本主義の構造を解き明かすという主題もあるが、人類が築き上げてきた「人文知」を、いかに生活に活用していくかを副題としており、本書自体がその実践といった趣である。
主題の展開に必要な要素を広く浅くピックアップし、人文知の魅力的な世界に誘おうという著者の試みが伝わってくる。
さて、肝心の中身であるが、論旨は明快だしさまざまな学問分野の理論展開に触れられ興味深い。
しかし説かれている内容は、(特に世界史を受験科目に選んだ)経済系・商学系の学部卒の人間なら読んで目新しいところはないかもしれない。
構造を解き明かしたうえでの処方箋も、程よい距離を取りましょう。程よさというのは人それぞれなので、本書で解き明かした構造を参考に考えてみてね。
と言った感じで、やはり読者自身の学ぶ姿勢を引き出すこと自体が目的であるかのようである。
とは言え、ここまでかみ砕いた表現で、資本主義の性質を言語化されていること自体には価値がある。
資本主義の基本性質は「欲望拡張原理」であり一人ひとりの人間は利己的な存在と規定されているが、現実の人間はもっと複雑な気持ちを有しており、そのギャップこそが「しんどさ」を生んでいる。とは見事な言語化である。
帯の売り文句にピンと来た人は一読して損はないように思う。 -
Posted by ブクログ
もっとお金を稼がないと。もっと効率化しないと。もっと成長しないと、って、良く考えたら何でそうしなければならないのか?何に追われているのか?
現在の資本主義の社会がどのような構造になっているのか、歴史と思想から辿る入門書としても良い一冊。現代人の「しんどさ」を解き明かしています。
資本主義社会に「もやもやっとしたしんどさ」を感じている人には、そのもやもやの正体、何が自分を追い立てているのかに、構造的な視点を提供してくれます。
現在の資本主義社会を俯瞰的に捉えて、メタ認知すること。そして、逃げ出すのは無理でも、自分自身に合った資本主義との距離感を作って付き合っていくのに役立ちそうです。