品川皓亮のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・「しんどさ」の原因の言語化
日常で感じる「時間に追われる」「休日も休まらない」「数字の支配」「年収による人への評価」といった息苦しさを、個人の心の持ちようではなく、現代人の思考に染み込んだ「資本主義」の弊害(6人の追手)として捉える。
・歴史と思想による構造の解明
時間、成長、数字、労働、お金、消費という6つの要素が、なぜ現代において人を追い詰める仕組みになったのかを、歴史的な背景(キリスト教の時間革命、科学革命、宗教改革など)や思想の変遷から紐解く。
・資本主義を否定しないスタンス
資本主義そのものを悪として完全否定したり、極端な隠居・退職を勧めたりするのではなく、システムを客観的に「 -
Posted by ブクログ
学びが多く読みやすく、良い本でした。
考えてみると、最近は私も上手く資本主義と距離感を保って生きていけているようになったと思います。
数年前にコテンラジオに出会ったことはそのように相成ったひとつの理由ですね。
本書で印象的だったのは、ヴェブレン(1857-1929)の「見せびらかしの消費」、マルクーゼ(1898-1979)の「偽の欲求」、ボードリヤール(1929-2007)の「記号消費」の3つです。
本来必要のないものを見栄のために消費して見せびらかす、まさに現代的ですが、100年くらい前にはすでに指摘されていたことなわけです。
そう考えると、また違う見え方ができませんかね?
ここが歴史を学ぶ -
Posted by ブクログ
とても大きなテーマを扱いながらも、読んだ人がそれぞれ自分の暮らしに引き寄せて考えられる本でした。
資本主義という社会構造の中で、私たちはどう生きていくのか。
そこに飲み込まれすぎず、かといってすべてを否定するわけでもなく、自分にとって健やかな距離感をどう保てばいいのか。そんな問いを与えてくれる一冊です。
特に印象に残ったのは、現代人が感じている「何かに追われている感覚」が丁寧に言語化されていたことです。
時間に追われる。
成長に追われる。
数字に追われる。
労働に追われる。
お金に追われる。
消費に追われる。
会社員として働いていても、自分で事業をしていても、どこかで「もっとやらなけれ -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、資本主義の構造を、西洋史と西洋思想をもとに紐解き、我々が資本主義社会において現在感じている「生きづらさ」の正体を特定したうえで、資本主義とどう付き合っていくかを示す。
資本主義には、
①我々を日々追い立てる「6人の追手」・・・すなわち時間、成長、数字、労働、お金、消費が存在し、さらに
②その背景に、分業、市場、商品という3つの基本装置と、資本、イノベーション、金融という3つの加速装置が存在する・・・
ということを、西洋で展開された歴史と、文理の別を問わず様々な学問史を幅広く援用し、それぞれの成立過程と性質を解き明かしていく。
本書は、表題の通りに資本主義の構造を解き明かすと -
Posted by ブクログ
ネタバレ資本主義と適切な距離を置いて、生きていく。
分業→時間 循環的な時間(自然観察から生まれた素朴な直感)を感じて、ひと時を味わい直す余白をもつ
季節の移り変わりや年中行事など、日々繰り返されていることに意識を向けて大切にする
市場→消費 それは本当に自分の欲求かと自分自身に問いかける
暇や退屈こそ最高の贅沢である
商品→お金 もっとお金を手に入れたいが道徳的でありたい
資本→労働 労働の辛さの本質は、構造的なものかもしれない という視点をもつ
イノベーション→成長 ダーウィンが論じた進化論 進化は 進歩や発展ではない
どのような変異が生じるかはランダムであり、どのような性 -
Posted by ブクログ
品川皓亮著『資本主義と、生きていく。~歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体』のレビューです。
タイトルに期待して購入しましたが、資本主義と生きていく方法については書いていないに等しいです。
『あなたはなぜ焦っているのか 〜資本主義の構造が生み出す追手を解き明かす〜』くらいのタイトルなら納得だったのですが。
資本主義から逃れられないこの社会で生きていくためには、資本主義と適切な距離感を保とう、というのが、この本の回答。なんともあっさりしています。
資本主義以前の世界がどうだったのかを簡単に紹介してくれているので、そこは「距離を取る」「思い込みを取り除く」ための助けになりそうだなと -
Posted by ブクログ
もっとお金を稼がないと。もっと効率化しないと。もっと成長しないと、って、良く考えたら何でそうしなければならないのか?何に追われているのか?
現在の資本主義の社会がどのような構造になっているのか、歴史と思想から辿る入門書としても良い一冊。現代人の「しんどさ」を解き明かしています。
資本主義社会に「もやもやっとしたしんどさ」を感じている人には、そのもやもやの正体、何が自分を追い立てているのかに、構造的な視点を提供してくれます。
現在の資本主義社会を俯瞰的に捉えて、メタ認知すること。そして、逃げ出すのは無理でも、自分自身に合った資本主義との距離感を作って付き合っていくのに役立ちそうです。