深尾三四郎のレビュー一覧
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現伊藤忠総研の深尾三四郎氏の著。プロフィール画像を見るとちょっと照れてしまうのだが、その経歴も情報分析もさすがという印象。2018年リリースの本作では、自動車業界の未来がミレニアル世代の台頭とそのUXを重視した嗜好性によって変化して行く様子が背景とともに語られている。Automotive業界に身を置く人間としては、いささか理想に偏りすぎているようにも感じるが、DXを「煽る」立場としては素晴らしいの一言である。情報量が非常に多く論点も多岐にわたっているので初見で理解するのはなかなか重たいと感じたが、今でも参考となる一冊。2021年の現実と照らし合わせてみるのも面白いと思う。
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ネタバレガラケーからスマートフォンに移行した時、移動式電話という従来の機能を超えて、EC・SNSといった新たな情報基盤やプラットフォームが生み出された。 この環境における勝者は携帯メーカーではなく、FacebookやTwitterといったアプリ開発者、GoogleやAppleといったOS提供者となった。
同様の構図が自動車にも起きる。現在、脱炭素をキーとしたEV化が語られるが、それは単純なガソリン車からの燃料機構の置き換えではない。デジタル化の進展に伴って・モノを運ぶ従来の車両の機能(Mobility1.0)から、都市のデータを集め・運ぶ用途として変遷するだろう(Mobility2.0)。車両は都 -
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ネタバレモビリティの未来について思索するヒントにと思い読書。
モビリティのみならず、WEB3.0.スマートシティに関しても触れられており、認識の整理、思考を広げる参考になる良著。
ブロックチェーンのユースケースマップなども整理に非常に役立った。
よくある海外版ほど事例によっておらず、事例と概念のバランスが個人的には程よく読みやすかった。
メモ
・完全自動運転は依然として遠い未来の話だが、それより前に、自律型決済、移動経済が行われる世界観が先に実現される。
・ブロックチェーンで難しいのは実装の技術ではなく、規模に乗せてスケールのある形にしていくという部分。ティッピングポイントをいかに超えるかという部分 -
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今、構造的な変化に苦しむ自動車業界が復活するカギは、ブロックチェーンにある。今後、様々な業界に拡がっていく、このブロックチェーンの技術と活用事例を紹介する書籍。
2019年以降、大手自動車メーカーによる生産能力の削減計画が相次いでいる。
それは、自動車産業が、生産規模を増やすことにより収益性が悪化する「規模の不経済性」に直面したから。その背景には、様々な取引コストの増大がある。
今後、自動車メーカーは、都市のデータを資源とする新しいモビリティのエコシステム(生態系)で、どう生き残るかを模索しなければならない。
そのためには、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」や、「 -
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■結論
将来の世の中を見据えて、世界中でどのようなプレーヤーが自動車業界において、何を行なっているのかがかなり詳細に記載されており、大変勉強になった。
世界の自動車業界の発展度合いや、注目の中国企業の動き、そして日本の自動車業界の課題等にも言及してあり、自動車業界の現在と未来を把握するにはもってこいの本。
自動車業界で働く人は一読するべき本。
■著者
深尾三四郎:
浜銀総合研究所調査部産業調査グループ主任研究員。英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを卒業し、野村證券へ入社。05年から英HSBCでの自動車部品セクターのアナリストを経て、米国や香港のヘッジファンドでアナリストとして活 -
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CASE; 独ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOによる造語
Connectivity, Autonomous driving, Sharing, Electric drive system
MaaS; Mobility as a Service
創造的破壊を提唱したヨーゼフ・シュンペーター
The Theory of Development; 1911
イノベーションの5つの分類
1。既存市場における新製品、新しい品質の創出
2。新しい生産手法の開発と導入
3。既存市場とは違う全く新しい市場の創出
4。新しい原材料や調達先の開拓と支配
5。新しい組織の構築
以上 -
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昨日まで浙江省杭州市で中国の発展の目覚ましさを目の当たりにした。杭州市は、阿里巴巴(アリババ)グループの本拠地だ。浙江省の人口6,000万人、その首都である杭州市は1,000万人だ。杭州市はほんの数年前まで人口700万人だったというからその人口流入のスピードは半端ない。銭塘江(川)の両岸には高層マンションが林立し、まだまだ建設の途上にある。すでに億ション化しているという。
市内を走る車にはドイツ、アメリカ、イタリア、日本等の高級車が目立ち、その脇を電動バイクが静かに、しかもかつての自転車の勢いよろしく、走り回っている。うかうかしていると車よりも電動バイクに轢かれそうだ。さらに、歩道脇には多 -
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・「モビリティ」という言葉は従来、人・モノを運ぶものという意味だったが、デジタル化の進展でデータを運ぶものという新しい意味が生まれた。
└モビリティ1.0 :エンジンで走る自動車が人やモノを運ぶ
└モビリティ2.0 :都市のデータを資源とするエコシス
テム(生態系)の重要な媒体
・自動車産業で最も重要なキーワードは「CASE」。
└C:Connectivity デジタルでつながること
└A:Autonomous driving 自動運転
└S:Sharing 共有・シェアリング
└E:Electric drive systems 電動化
独ダイムラーは4つすべてを満たす新ブランドの立ち上げを -
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将来的には自動車はEVへと進化し、モビリティとはデータの移動という位置づけになる。
本書を一言でまとめると、そのようになる。
自分の意見としては、自動車メーカーはその方向で生き残るのか、読んでいて疑問だと思う。
それは、本書が都市圏でのモビリティのみを主眼に置いていることに違和感を持っているからだ。
「若者の自動車離れ」なんて言葉は聞き飽きた。
この言葉自体が間違っていると思っている。
田舎に行けば自動車は家族一台どころか一人一台も珍しくない。
つまり、自動車離れが起きているのは都会での話である。
若者が都会に流入して田舎に戻らないから、自動車の売り上げが伸びない。
それに