大園享司のレビュー一覧

  • キノコとカビの生態学 枯れ木の中は戦国時代

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    大変面白い一冊だった。タイトル通り、「枯れ木の中」でのキノコやカビの戦いーいかに資源を取るか、どのように資源を利用するかーということについて色々な角度から、分かりやすく示してくれる一冊である。この本を読んでから森に行ったら、ただの丸太や立ち枯れの木が大変魅力的に見え、覗き込まずにはいられなくなってしまった。そして「これがあの本で言ってた線だな」とか「今こういう腐朽段階だろうな」とか、新たな発見も沢山あった。

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    2022年01月15日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    生物学(生命科学)を学ぶ醍醐味は、生物観や生命観が、自分の中で構築・再構築・増築されていくことにあると思っているのですが、まさに、そういったことが可能な本だと思います。
    しかも、「生」よりもむしろ、「死」に焦点を当てることで、生物観や生命観が構築・再構築・増築されていくことに、この本の魅力があると思います。

    また、この本の魅力は、科学的な知見は、たくさんの科学者による、地道で継続的な観察と考察の上に成り立っていることを感じられる点、にもあると思います。

    たくさんの人に読んでほしい本の1冊です。

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    2018年08月05日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    露骨に「ああ、孤独死はしたくないな」と思ったり、キノコの構造を思いながらエノキの味噌汁をすすったり。題材にもかかわらずこのさわやかさ。

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    2018年02月20日
  • キノコとカビの生態学 枯れ木の中は戦国時代

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    深沢遊『キノコとカビの生態学 枯れ木の中は戦国時代』。森の木はだれがどうやって朽ちさせていくのかがテーマ。菌による不朽の種類とか、そもそも木って何なのかなど学びがたくさん。この本を読んでる期間に出会った切り株や枯れ枝の断面を見ると、たしかに菌による模様があり、見る目がかわった。

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    2021年05月20日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    ネタバレ

    土にかえる、ということについて、生態学の視点から、かなり分かりやすく理解を深められる。
    動物、植物、、、まずこれらが何出てきているか、をあらためて知る。そして腐敗や発酵という言葉、実際は何が起きているのか、科学的に考える機会を得られた。
    分解と循環、絶えず私たちの命は巡っているんだなーと、
    土だけじゃなくて、大気にも、海にも還っていって、それを吸って、飲んで、食べて、生きているんだなーと思った。

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    2020年12月30日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    今まで、里山の中で観てきた生き物の生き死にを、科学的観点からわかりやすく解説してもらえ、とても納得できた。死についての話題は、禁忌事項とされ、異常なまでに忌避される傾向があるが、自然の一部だということをもっと知っておく必要があると思う。
    コロナ騒動の真っ最中であるからこそ、自然と向き合うことは死とも向き合い理解することなんだと改めて感じている。中学生以上にオススメ。

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    2020年04月09日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    生物がどのように土に還っていくのか、言葉では言っていても知らないなぁと思って読んでみました。興味深い内容でした。もっと深く突っ込んだ内容・解説でも良かったなぁと思いますが、概略を掴む上では良い本だったと思います。
    土に還るまでの流れと、そこに関わる生物の営みについて知りたい人にはおすすめです。

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    2019年01月16日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    そうか、死体の腐敗から白骨化なんてのも、ついホラーっぽく考えてしまうが、素晴らしい自然の分解システムなんだな。こういう先生と一緒に見れば第二段階の腐乱死体も冷静に観察できるのかも。こういう先生は腐乱死体の臭いなんかも冷静に分析したりするのかも、なんて思いつつ読んだが、3章でカワウが営巣している森に調査に行ったら、臭いに吐き気がしたと書いてあって、腐乱死体は平気で(とは書いてないが)カワウは臭いんか!と突っ込みたくなったが。
    人間を含めた動物から植物までが、死んだあとどのように土に還っていくか書いた貴重な本。読んでみるとハエもダニもカビもいい仕事してるんだね。あんまり見たくないけど。
    「土に還る

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    2018年07月14日
  • 生き物はどのように土にかえるのか

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    動物が死ぬと、数分のうちに細胞自身の持つ酵素によって自己消化と、胃腸管内の嫌気性菌による腐敗が始まる。同時に、クロバエやニクバエが飛来して遺体に卵を産む。腐敗によって遺体は膨潤し、腐敗液が流れ出す。膨潤やハエの幼虫に食べられることによって皮膚に裂けめが入り、第二段階になると、好気性菌が活動を始め、分解が活発化する。筋肉や脂肪などの柔らかい組織は、キツネ、アライグマ、カラス、タカなどの腐肉食性の脊椎動物のエサとして利用される。細菌は、炭水化物やタンパク質を消化してアンモニアや硫化水素のほか、カダベリンやプトレシンなどの不快な臭いのする分解産物を生成する。柔らかい組織が食べつくされた第三段階になる

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    2018年10月31日