大園享司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そうか、死体の腐敗から白骨化なんてのも、ついホラーっぽく考えてしまうが、素晴らしい自然の分解システムなんだな。こういう先生と一緒に見れば第二段階の腐乱死体も冷静に観察できるのかも。こういう先生は腐乱死体の臭いなんかも冷静に分析したりするのかも、なんて思いつつ読んだが、3章でカワウが営巣している森に調査に行ったら、臭いに吐き気がしたと書いてあって、腐乱死体は平気で(とは書いてないが)カワウは臭いんか!と突っ込みたくなったが。
人間を含めた動物から植物までが、死んだあとどのように土に還っていくか書いた貴重な本。読んでみるとハエもダニもカビもいい仕事してるんだね。あんまり見たくないけど。
「土に還る -
Posted by ブクログ
動物が死ぬと、数分のうちに細胞自身の持つ酵素によって自己消化と、胃腸管内の嫌気性菌による腐敗が始まる。同時に、クロバエやニクバエが飛来して遺体に卵を産む。腐敗によって遺体は膨潤し、腐敗液が流れ出す。膨潤やハエの幼虫に食べられることによって皮膚に裂けめが入り、第二段階になると、好気性菌が活動を始め、分解が活発化する。筋肉や脂肪などの柔らかい組織は、キツネ、アライグマ、カラス、タカなどの腐肉食性の脊椎動物のエサとして利用される。細菌は、炭水化物やタンパク質を消化してアンモニアや硫化水素のほか、カダベリンやプトレシンなどの不快な臭いのする分解産物を生成する。柔らかい組織が食べつくされた第三段階になる