ランボオのレビュー一覧

  • 地獄の季節

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    人生のもっと早い時期に読むべきだったと悔やまれる一方、今からでも読んで本当に良かったとも思えます。
    天才から吐き出される言葉。

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    2021年05月30日
  • 地獄の季節

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    彼の叫びが木霊する。世界は明滅を繰り返す。
    生きていることが地獄であると知ってしまうことはどれほど窮屈なことだろうか。社会だとか、貧困だとかで地獄なのではない。そんなものは彼が何よりも嫌ったものだ。生きて死ぬこと、このことを前にしては、そんなもの些末なことに過ぎない。どんなにことばの地獄で汚そうとしても、どんなにことばで新しいものを錬金しても、どこまで行ってもことばから離れられない、そして、それゆえにすべてのことが許されてしまっている。だから、地獄なのだ。もう、ひとにもまれて踏みにじられ、そうやって生活して生きるよりほかないのだ。人生は茶番ではない。
    そんな彼の乾いた孤独を誰がわかってくれただ

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    2016年04月09日
  • 地獄の季節

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    ネタバレ

    詩集の題名は『 UNE SAISON EN ENFER 』で、直訳すると『地獄時代』になる。「普仏戦争・ランボーが熱狂的に応援した革命政府(パリ・コミューン)の崩壊・ヴェルレーヌとの地獄の旅」を体験したランボーの青春は確かに「地獄時代」かもしれない。ただ、フランス語の「SAISON」には英語と同じく「季節」という意味があり、「比喩」と見て『地獄の季節』という題名でも問題ないと思う。

    ランボーは自筆原稿・本の多くを燃やし、小林秀雄が『飾画』と訳した『イリュミナシオン』はランボーが「燃やさずに残した詩を未完成のまま編集した詩集」だった。

    このためランボーの詩のテキスト整理に時間がかかり、『地獄

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    2013年04月21日
  • 地獄の季節

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    16でこれを書いた驚きもあるけど、16じゃなきゃ書けないというほうがしっくりくる。鮮烈と成熟の奇跡的な共存。
    もうひとつ言わなければと思うのが、俺はやはりこの小林秀雄訳の岩波文庫版じゃなければ半減すると思ってる。

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    2013年04月05日
  • 地獄の季節

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    散文詩集「地獄の季節」「飾画(イリュミナシオン)」の
    カップリング。
    大学生のとき、通学電車の中で貪り読んだのを思い出す。

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    2021年03月24日
  • 地獄の季節

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    小林秀雄訳。現在進行形で苦戦中の本です。おそろしいことに、苦戦が終わる日は永遠に来ないかもしれません。ランボオは18歳でこれを書き、原稿のほとんどを自宅の暖炉で燃やした挙句、あっさりと詩そのものを捨てました。
    言葉の錬金術。眩暈をも定着する狂気。

    Elle est retrouvée.
    Quoi? ― L'Éternité.
    C'est la mer allée
    Avec le soleil.

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    2011年11月21日
  • 地獄の季節

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    ネタバレ

    たかだか16,7歳の「ガキ」にこんな詩を書かれたら、もはやそんじょそこらの詩人はお手上げだろう。ヴェルレーヌをも魅了したランボオのこの一節は、ヌーベルヴァーグの旗手ゴダールの「気狂いピエロ」にも出てくるが、あまりにも強烈だ。

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    2011年10月23日
  • 地獄の季節

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    こんなにも大きく豊かな広がりがあって、強く重く濃い作品をも、ひとは詩と呼ぶのだろうか。より適切な表現は何かないものだろうか・・・とランボーの詩に触れるたびに考えていた私にとって、この岩波書店の文庫は表紙からすばらしい。

    「ヴェルレーヌが『非凡な心理的自伝』と評した散文詩」という(私にとっては)衝撃的&心底納得する事実や、その他ランボーに関する大まかな情報が、表紙を使って的確に紹介されているのである。
    『非凡』であることは分かりきっていたけど、なるほど、『心理的自伝』とはさすがヴェルレーヌ氏。ものすごくしっくりくる表現である。

    そして『非凡な心理的自伝』は、ランボーが、選び抜いた言葉をもっと

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    2011年09月14日
  • 地獄の季節

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    早熟の天才ランボー。10代のうちに早くも筆を置き、武器商人へと転身し多くの謎を残して逝ってしまった。
    彼の代表作である本書は今も血が通っているようで生々しく多くの人を惹きつけます。
    詩人の中でも著しく才能のあった人物です。

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    2011年06月16日
  • 地獄の季節

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    今の段階では全読していない。昔、教科書にのっていて忘れられなかった詩が入っているので買ってみた。訳者は違うが。
    また見つかった、
    何が、永遠が、
    海と溶け合う太陽が。

    頷いた。

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    2009年10月07日
  • 地獄の季節

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    読んだのは小林秀雄版ではなかったけど、もうこれで投稿してしまおう。詩はかくあるべき、な強く美しい言葉の羅列。

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    2025年07月08日
  • 地獄の季節

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    藍色の海峡からオシアンの海にまで、葡萄酒色の空に薄くいろどられた薔薇色とオレンジ色の砂のうえに、幾筋もの水晶の大通りが高まり交叉すると、時を移さず年若く貧しい家族が住みついて、果物屋で命を保つ。豊かなものは何ひとつない。


    詩集にはランボオの生い立ち、人生についての記載が沢山あり、解説者もランボオの人生と織り交ぜながら詩を解説しているのに最後のページで村上龍がランボオの人生とこの作品は全く関係ない。暇な日本人が作品と作者の生き方を重ねるというセンチメンタルな愚を犯すのが大好きなだけ。と書いてあって笑ってしまった、きっと深い意味はなくその通りなんだろうな。

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    2025年06月29日
  • 地獄の季節

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    ランボー 地獄の季節 。別訳本や解説本と一緒に読むと理解が深まる。詩人ランボーの反抗と挫折、生活、魂の告白と消耗、言葉の破壊と虚無と創造

    地獄=キリスト教的な地獄。私とは一つの他者→イロニー=自己からもう一つの自己を生み出すこと→自己を批判し、笑い、突き放すこと

    「私は美を膝の上に座らせた」〜錯乱Ⅱ末尾「今、美にお辞儀できる」とつながっている
    *美=既成の詩→詩に関わる前は 毎日が饗宴
    *美→苦々しい奴→醜い内実をつく→ランボーの真骨頂
    *私は正義に対して武装した=キリスト世界への反抗
    *親愛なる悪魔=ヴェルレーヌ?

    悪い血=自分探しの旅に出てはいけない
    *ゴール人=自分のルーツ→悪い血

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    2018年12月21日
  • 地獄の季節

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    彗星の如く登場した詩人ランボオの詩集。「地獄の季節」と「飾画」が併録されている。詩集というよりは独白に近い文章が綴られている。ランボオについては無知であるため詳しくは分かりかねるが、灰色の青春を送った孤独な青年の独白という感じだろうか。難解な語句が出てくるが、それを抜いても心を貫く一文があるだろう。その一文がどれなのかは人それぞれであると思いたい。

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    2017年07月26日
  • 地獄の季節

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     ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫で引用されている著作を探しているときにたまたま偶然手に取る。

     詩集でした。うん詩集。
     ≪十六歳にして第一級の詩をうみだし、数年のうちに他の文学者の一生にも比すべき文学的燃焼をなしとげて彗星のごとく消え去った詩人≫というおもしろいアオリに惹かれて購入したら、これがとんだ間違いでした。
     いえ、間違いと言いますか、なんというか、途中、何度生欠伸を噛み殺し船をこいだことか。
     ランボオと彼のファンにぶん殴られそうだ。
     しかしながらそれ、陰鬱なる叫びがだだもれてびくびくする。
     なんというか、これは、若い感性があるうちでしか書けない作品のひとつだったのだ

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    2013年10月18日
  • 地獄の季節

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    小林秀雄氏を通したランボオ
    詩の受け止め方が下手なのですが、熱いものが伝わってくる。
    夭折した人間のエキスがぎゅーっと詰まっている感じ。

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    2013年05月16日
  • 地獄の季節

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    いろんな翻訳家のものがありますが、やはり小林秀雄のが、サイコウ。

    16歳で詩を書き始め、19歳で筆を折る、何と小憎らしい詩人でしょう。

    でも、やっぱりスゴイなあ 。

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    2013年01月18日
  • 地獄の季節

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    まるで、走馬灯の中に佇んでいるような感覚だ。その激しい流れの中で、様々な感情、情景、景色が躍っている。それは、一種の夢の世界か。いや、いってみればそれは狂乱だ。しかも、決してそれに惑わされている様子はない。幽かに見える芯は、とても閑静としている。その源はなんだろうか。激しい感受性の暴発の中で、静かに時間の中を泳いでいる、もう一人のランボーが居るようでならない。それは、静かにニヒルな微笑みを浮かべ、言葉を紡ぎ続けている。

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    2013年03月04日
  • 地獄の季節

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    ひたすら凄いとしか言いようがないんだけど。

    翻訳家の小林秀雄も凄い。
    何たるボキャブラリー。

    そもそも文学なんて 学生が読むものなんだから、何でも厨二病で片付けるのはどうかと思うよ。

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    2011年05月05日
  • 地獄の季節

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    2011.01.17-

    『地獄の季節』
    苦しみを、怒りを、煮詰めて凝縮させて美しい結晶にまで高めた。
    全身全霊で詩と向き合い、己の全てをかけて捨て去った。きっと彼は自分の思うとおりに生きたんだろう。そう信じたい。

    地獄の夜
     明らかに、俺たちはこの世にはいない。何の音も聞こえて来ない。俺の触感は消えた。ああ、俺の城館、俺のサックスと柳の林。夕を重ね、朝を重ね、夜は明けて、昼が来て、……ああ、俺は疲れた。
     怒りのために俺の地獄が、驕りのために俺の地獄が、――さては愛撫の地獄が、俺には要ったのかも知れない。地獄の合奏。
     疲れた果てはのたれ死だ。いよいよ墓場か、この身は蛆虫どもにくれてやる。

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    2014年10月15日