深井律夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凄い内容。
円が中国元に市場で負けてしまう。その理由はデジタル化の遅れ。
ブロックチェーンを中心としたITとファイナンスの知識があると充分に楽しめる。そういう意味では自分にはドンピシャで当たってしまった感じ。
更に航空産業やら中国の遺跡が絡んでくる。日本を代表する企業も思い切った手段で市場で戦う。登場人物の背景も秀逸。かなり無茶な設定もあるが、それは小説として楽しみたい。
GAFAやBATHがブロックチェーンやデジタル通貨で事実上の市場に流通させることに対して、中国はデジタル人民元で世界の基軸通貨を狙う。日本政府はただ傍観するだけ。そして円は死ぬ…という設定。
未だに国債を発行しまくって(選挙のためにか)国民にお金を配る政策をおこなっている日本。いつの日か、ハイパーインフレが起こるのではないかと個人的には戦々恐々をしている最中のこの小説には冷や水を浴びさらえれた気がした。紙の通貨が近未来に本当になくなる日が近いのではないだろか?実際昨日の日曜日外出したが、現金を一切使わずに生活をしたことを考えると、便利なデジタル人民元が出てきたら誘惑に負けそうだ。 -
Posted by ブクログ
人民元を基軸にするには、日本の銀行を買収すると言う発想が面白い。
その視点から見て、中国の金融政策のあり方が、浮き彫りになり、
共産党の原則派とリフレ派の対立の要点が、見えてくる。
中国の対外金融政策は、一方で賄賂で手にしたお金を海外に逃亡させ、
隠して、個人の蓄財を進める。共産党及び政府の高官の子女が、
海外に多いのは、その役割を担うためであることは、明らか。
一帯一路の中国のやり方は、多くの国で反発を食らっている。
裸官と言うあり方で、中国国内では清廉潔白を言いながら、
海外にたっぷりお金を持っている。
捕まった薄煕来や温家宝などは、その典型とも言える。
ここで登場する 李国東中国改革銀行のミスター人民元は、
強い人民元を標榜しながら、私服を肥やし、野望を持つ。
中国に、実際にいそうな人物である。
それに対応する王陸群党学校副校長は、希少価値とも言えそうだ。
人民元が、交換可能なお金になったことで、
経済的利益をもたらすお金か、個人蓄財のものか?
と言うのが、問われる。
ラオス、ミヤンマー、タイ北部は、人民元の方が人気がある。
アジアにおいて、着実に人民元が覇権貨幣になってきている。
人民元は、人民のための紙幣だと言う。
そして、日本産業銀行の江草は、「日中が協力すれば世界最強」と言ってのける。
本当にそうかな?と思いながら、
江草は、日本と中国の対等の関係を構築しようとする。
この姿勢は、とても大切であると思う。
しかし、三光コンチェルンの山城は一体何をしたいのだろうか?
銀行が欲しいと言うが、いま銀行を保有する意味があるのだろうか?
そして、山城千秋は、江草にとりいって、スパイ役をするが
あまりにも、ミエミエ過ぎる。大きな野望があるそうだが。
それよりも、杜愛蓮の想いの方が、よりスッキリしている。
李国東の元の切り上げ政策は、アメリカの財政赤字と貿易赤字を
解消する上で、重要な意味を持つが、中国の輸出産業にとっては、
打撃となってくる。現在の米中貿易戦争のような様相だ。
魚釣島の反日の機運が高まる中で、このような、
日本と中国の金融を巡ってのツノの突き合わせは、
ありうる可能性がある。
「日系企業の締め出しと国有化。」
中国の企業の株主は、共産党 と言う表現が、
的を得ているような気もする。
しかし、それでは、中国経済が健全に発展しないことは
目に見えていることなのだが。
江草の今後の 中国での活躍を 期待したい。