えっかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大団円を迎える3巻である。ネット連載分を綺麗に消化してのシリーズ完結となっている。
艦長帰還後のパラーニャ王国の様子が描かれた「最高の名脇役」の加筆も含めて、実に綺麗に物語は終止符が打たれている。
この巻ではバフニスク連邦勢力との対決が本格的に描かれているが、13章「艦長の覚悟」における一騎打ちは、シリーズでも特筆すべきエピソードだろう。
敵艦艦長たるベルゲノフ艦長と人工知能のサーシャの関係性は読者に特にエモーショナルな印象を植え付けるものがあって、エピソードのハードボイルドさは雷帝との対決に並ぶもの。
彼女の最後の振る舞いにはやはり感じる部分が多いと今回読んで改めて感じたところだ -
Posted by ブクログ
脇役を自称する空飛ぶ戦艦の艦長が主人公たちを手助けする物語シリーズの第二巻である。
この巻でもまた、生贄という悪習を改めようとするレインメーカーや軍人としての誇りを捨ててまで戦友を救わんとする鷹たちなど、一本筋の通った人々を助ける物語が多く描かれている。
その一方で、前巻退場した雷帝の後継者や、海賊にあこがれるパン屋の少年など、まだまだ未熟で、道に迷っている人々にも手を差し伸べている。
そして第10章の「死の狩人」では艦長と同じ異界人が登場し、SFなのか中世ファンタジーなのか判別が難しい物語に特撮物の要素を加えて物語に彩りを添えている。
基本は一章単位で完結しながら、少しずつ物語の -
Posted by ブクログ
ネタバレ大航海時代程度の文明度の異世界に迷い込んで、空飛ぶ戦艦で世界を股に掛けることになった主人公のヒロイックサーガ第一弾である。
過大な力を得て戸惑いながら、その場その場で英雄的な強い意志を見せる人々を助ける「脇役艦長」を演じる主人公の物語であり、本筋は故郷たる日本へ帰ろうと彼と戦艦の右往左往である。
心理分析テストによるとSP群C型、通称”サメ殴りキャプテン”であるところの主人公は、ある種の誘導を受けながら人が簡単に死んでいく世界でバッタバッタと敵をなぎ倒しながら進んでいく。
最後に収録されている、かつて私掠船に乗って活躍した海賊と対峙する「最後の海賊」の章などは実にハードボイルド。物語に