あらすじ
転移した異世界で、空飛ぶ巨大戦艦に乗り込み『海賊騎士』と呼ばれるまでになった俺。
そんなある日、俺は、姿を決して現さない『正義の魔物』の噂を耳にする。
調査してみると、魔物の正体は異世界から転移してきた軍用潜水艦で!?
転移者同士、この異世界で戦うことは避けたい俺は
元の世界へ帰還するために一時的な協力関係を仰ぐが
俺の願いは届かず、交戦へと発展してしまう。
この戦いがさらなる大きな事態を招くこととなり――。
大幅加筆&書き下ろしストーリー「最高の名脇役」を収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大団円を迎える3巻である。ネット連載分を綺麗に消化してのシリーズ完結となっている。
艦長帰還後のパラーニャ王国の様子が描かれた「最高の名脇役」の加筆も含めて、実に綺麗に物語は終止符が打たれている。
この巻ではバフニスク連邦勢力との対決が本格的に描かれているが、13章「艦長の覚悟」における一騎打ちは、シリーズでも特筆すべきエピソードだろう。
敵艦艦長たるベルゲノフ艦長と人工知能のサーシャの関係性は読者に特にエモーショナルな印象を植え付けるものがあって、エピソードのハードボイルドさは雷帝との対決に並ぶもの。
彼女の最後の振る舞いにはやはり感じる部分が多いと今回読んで改めて感じたところだ。
物語としてのスマートさと、エピソードのエモーショナルさが両立した魅力的な作品だった。
今巻の印象、シリーズ全体を通しての感想両面で星五つに評価したい。楽しい読書をさせていただいた。ありがたいことである。