文庫本で600ページ、躊躇したが、読み始めるとあっという間だった。
脚色はされているのだろうが、グレース・ケリーと、征二郎とのやり取りは心に残った。
生まれて初めて買う車はHondaと、前から決めていた。
何故なら当時F1に本田は参戦していて、たまたま購入した本に、オヤジが、二輪と四輪で、WRに参戦
...続きを読むした歴史が書かれたものだった。寝るのも惜しんで読んだ。本田の車が、憧れだった時代。
「割り切れないのが人生なんです。だったら、割り切れないことをするのがいいんだな」
希久夫も、亡くなってしまった美奈子、草織も割り切れない人生を抱えている、そして今後も。
読みながら思ったのは、誰しも何かしらの後悔を抱えている、人によれば大きな絶望かもしれない。でも、そういったことが人生なのかなと。
「悔いが残ることの一つひとつがいかにも自分らしくてさ、たとえ時間を巻き戻してやり直したとしてもきっと同じ結果になると思う。同じことを考えて、同じことをしてしまう。だから後悔はするのもほどほどにしよう。」という希久夫の言葉が心に沁みた。
「人生というものは、決して振り向いてはいけないものなんだと思います」by グレース・ケリー、きっとその通りなのだろう。
又、きっと読み返すことがあるだろうなと思える一冊だった。