あらすじ
妻・美奈子が夫・希久夫に遺した国産名車。カーナビの履歴を巡る旅で美奈子の想いが見えてくる。藤沢、松本、尾道、モナコ…往年の名女優、伝説のエンジニアの人生と交錯する愛と絆の物語。
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源さん演出のドラマが好きで手に取った作品
ただ、この原作のドラマは見逃しており、予備知識なしで読みましたが、期待以上の作品でした。
亡くなった妻の車に残されたカーナビの履歴を辿る大人のラブストーリー。運命に翻弄された大人達の愛に胸が詰まること度々。久しぶりに泣きそうにもなりました。
愛車赤い「エスハチ」が辿った運命もドラマです。
予想外のラストとグレース・ケリーの言葉で締めるのも良かった
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NHKの10話連続ドラマを観ていたので、尾野真千子、滝藤賢一、宇崎竜童、広末涼子‥の顔が浮かんできた。
源孝志さんは物凄いストーリーテラーであり、映像も美しい❗️
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一台のクラッシックカーを颯爽と乗り回す素敵な女性とその夫、その二人の周りの人々の深いストーリー。
生きること、死ぬことを深く思い巡らされる。
ヒロインが事故死したあと夫がナビに残された日本各地の知らない土地で、生前の妻の出会いを再確認してゆくという流れで時間を前後させ、ストーリーは展開される。
思いもかけない事実が明らかとなってゆく。
ちょっと前にドラマ化されたようだったけれど観なかった、ザンネン。
登場するホンダのその自動車、見てみたい!
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普段はミステリしか読まないけど、気になって購入した本。なかなか読み進めれていなかったけど、この年末にと本を開いたら、、ページを捲る手が止まらなくなった。
人を思う気持ちの温かさ、いろんな出会いから生まれる大切なもの。。関わる人を大切にしたいと思わせてくれたし、自分もこんな風に人を愛したい。愛されたい。そう思った。
また読み返すときには違う感想を抱いているかなぁ
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鳥肌が立つほど面白い話だった。自分の車にグレースと名をつけたほどだ。その光景が目に浮かび気持ち良い風を感じる。後にテレビ化されたとの事だが、想像の中の登場人物はまだテレビを見ずに頭の中にある。
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「愛してるから、わたしには彼を幸せにする責任がある」
比翼連理の夫婦。
全てを曝け出すことが夫婦ではない。
全てを許すことが夫婦ではない。
夫婦であっても血の繋がりはなく、1人の人間同士で、知らないことも多い。
美奈子と希久夫も類外ではなく、互いに知らない部分もあった。
それでも、こんなに愛を感じられる夫婦が世の中にどれほどいるのか。
美奈子と希久夫、過去と現実、追いかけるような展開。心を掴んで離してくれない。
今は夜中の2時37分。一気に読み終えてしまった。
道中、トレンシー・チャップマンのfirst car、レディオヘッドのcreep、シンディ・ローバーのtrue colorsを聴きながら。
「何かのために何かを一方的に犠牲にすることは、無益で、残酷で、つまらないこと」
思えば、希久夫のこの一言で惹かれてしまった。美奈子も希久夫も、本当に魅力的。
「人生というものは、決して振り向いてはいけないものなんだと思います」
この作品の主役とも呼べる、グレース。その由来にもなっている、彼女の言葉も物語を読めば心に染み渡る。
私にあまりにも共震点が多すぎた。
美奈子が亡くなったのが私の誕生日であること。
現在、免許取得で教習所に通っていること。
ヨーロッパ周遊を計画していること。
モナコに、行きたい。
車に乗って、1人で、どこか私を知らない場所に旅したい。
ヨーロッパ周遊、色々迷いがあったけど。
グレースの履歴、彼らの言葉に押されて、心が決まったような気がする。
やっぱり、私にとって作品の言葉は酸素。必要不可欠。
本作がドラマ化されること。
私の最愛とも呼べる俳優さん、滝藤賢一さんが希久夫を演じてくれること。
楽しみで仕方がない。
その日のために頑張ろうと思えるほど。
もう1つ、夢ができた。
免許を取ったら、美奈子が聴いていたこの3曲を流しながら…。海の見える、街を走りたい!
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文庫本で600ページ、躊躇したが、読み始めるとあっという間だった。
脚色はされているのだろうが、グレース・ケリーと、征二郎とのやり取りは心に残った。
生まれて初めて買う車はHondaと、前から決めていた。
何故なら当時F1に本田は参戦していて、たまたま購入した本に、オヤジが、二輪と四輪で、WRに参戦した歴史が書かれたものだった。寝るのも惜しんで読んだ。本田の車が、憧れだった時代。
「割り切れないのが人生なんです。だったら、割り切れないことをするのがいいんだな」
希久夫も、亡くなってしまった美奈子、草織も割り切れない人生を抱えている、そして今後も。
読みながら思ったのは、誰しも何かしらの後悔を抱えている、人によれば大きな絶望かもしれない。でも、そういったことが人生なのかなと。
「悔いが残ることの一つひとつがいかにも自分らしくてさ、たとえ時間を巻き戻してやり直したとしてもきっと同じ結果になると思う。同じことを考えて、同じことをしてしまう。だから後悔はするのもほどほどにしよう。」という希久夫の言葉が心に沁みた。
「人生というものは、決して振り向いてはいけないものなんだと思います」by グレース・ケリー、きっとその通りなのだろう。
又、きっと読み返すことがあるだろうなと思える一冊だった。
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いいなと思って見ていたドラマの演出が続けて源孝志さんだったので、まだ見ていないドラマの原作を、と読み始めたら止まらなかった。
エスハチ、モナコ、グレース、元カレ、元カノとの記憶などなどロードムービーのように駆け抜ける。
好きなセリフ
「夫は自分から孤独を求めたことなんて一度もない。いつも周りの人間があの人を一方的に捨てて、孤独にしてきたんです」
亡くなった妻を疑いながらカーナビの履歴を辿る道すがら、賢妻の自分に対する本音を知り、とてつもなく大きなものを喪失したことも知る。それでも、前に進めたのは、遺してくれたエスハチに彼女を含めた多くの人の深い愛が注がれていたから。読後、地中海の風を感じてしまった。
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ドラマで見てから読みました。
頭でドラマの映像がよみがえります。
車の運転好きじゃないけど、ドライブを楽しんだり、キレイに運転してあげたいなぁ、と思えた。
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グレースの走行履歴、それが美奈子の遺言であり、残された希久夫への愛だった。
グレースに乗るために免許を取得し、グレースに乗りこんで美奈子の足跡を辿る旅に出る希久夫。
行く先々での出会いが希久夫のために用意されたもので、美奈子の想いに触れて心が温かくなる。
予想外にもホンダエスハチの歴史に触れたりして、車に疎い私でも読み物として最高に楽しめた。
特に、仁科さんの奇跡の物語はなかなか鳥肌もの。それだけで1冊の本ができてしまいそう。
とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
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ジャンルはロードムービー純愛ミステリー
真っ赤な左ハンドルのホンダS800の由来をめぐるロードムービー。
珍しくNHKのテレビドラマをダウンロードして見始めた。それは私(シクロクロッサーとして)には馴染みがあるマキノのメタセコイヤ並木をS800が走り抜けるシーンから始まった。
数話見たところで、妻を失った男が免許を新しく取り、マニュアルのS800でオープンのまま渋滞に巻き込まれエンストを繰り返しながら旅を始める。これだけでドラマとしては成り立つ。がミステリーツアーと化していく。答えがあるのか、ないのかもわからない感じである。
これは原作があるに違いないと調べてみると、作家はシナリオ作家で原作も出版されていた。
話は妻である美奈子がリフレッシュのためにフランスに旅立つところから始まる。
夫である喜久夫は優しく妻を見送る。
テレビドラマにはないシーンだが、原作ではモナコについた美奈子がMGミジェットをモナコのF1コースで走らせる。その後事故が起きてしまう。そして妻には夫に打ち明けていない秘密があった。
家族の話でもある。喜久夫の複雑な家庭事情がページをめくるごとに明らかになっていく。
S800が訪れる湘南、諏訪湖、近江八幡、高島マキノ、因島、松山、そしてモナコをめぐるロードムービーが始まる。モナコ以外は色んな意味で馴染みがある場所だ。
つい先週は勢い余って近江八幡近くで舞台になった酒造まで行ってしまった。
ドラマには原作にない人物も登場するから別の楽しみもあるのだろう。それは先に取っておこう。
正直にいうと原作を読む間何回も泣いた。
今度はテレビドラマを最後まで見て見よう。
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亡き妻が残した車のカーナビの履歴を辿る旅に出る主人公…。こんな設定にまず惹かれました。
600ページ近くあるので、読むの大変かなと思ったけど、グレース・ケリーのエピソードの辺りからは、一気に読んでしまいました。
ラストは、「生き方」について背中を押してもらったようで、とても心に染みたなあ。この作品に出会えたことに感謝です。(^^)
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妻が突然の事故死。夫は妻の愛車に乗って彼女の最後の旅を同じように訪ねていく。カーナビの履歴に残された、妻から夫へのメッセージ。
ちょっっっと、綺麗すぎるかなぁ。
往年の女優との出会いと、車を生み出したエンジニアとの出会いも。
夫本人の気持ちにもっと迫って欲しかったなぁ。
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亡くなった美奈子の愛車、グレース。
走行履歴を辿って旅をする。
なかなかないシチュエーションに魅かれた。
物語の合間合間にホンダの創業者の名言が書いてあってそれもまた深い!
物語の終わり方が唐突だけど、最後の1ページがドラマティックで素敵だった。
Posted by ブクログ
TVでドラマを見てから読んだので、復習になってしまった。というところで星3。ドラマ無しだったら3.5だったかな。
希久夫はいいやつでモテすぎ。まぁ、それはドラマの尾野真知子、広末涼子、山崎紘菜が浮かんでしまうからだけど。