あらすじ
妻・美奈子が夫・希久夫に遺した国産名車。カーナビの履歴を巡る旅で美奈子の想いが見えてくる。藤沢、松本、尾道、モナコ…往年の名女優、伝説のエンジニアの人生と交錯する愛と絆の物語。
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Posted by ブクログ
一台のクラッシックカーを颯爽と乗り回す素敵な女性とその夫、その二人の周りの人々の深いストーリー。
生きること、死ぬことを深く思い巡らされる。
ヒロインが事故死したあと夫がナビに残された日本各地の知らない土地で、生前の妻の出会いを再確認してゆくという流れで時間を前後させ、ストーリーは展開される。
思いもかけない事実が明らかとなってゆく。
ちょっと前にドラマ化されたようだったけれど観なかった、ザンネン。
登場するホンダのその自動車、見てみたい!
Posted by ブクログ
文庫本で600ページ、躊躇したが、読み始めるとあっという間だった。
脚色はされているのだろうが、グレース・ケリーと、征二郎とのやり取りは心に残った。
生まれて初めて買う車はHondaと、前から決めていた。
何故なら当時F1に本田は参戦していて、たまたま購入した本に、オヤジが、二輪と四輪で、WRに参戦した歴史が書かれたものだった。寝るのも惜しんで読んだ。本田の車が、憧れだった時代。
「割り切れないのが人生なんです。だったら、割り切れないことをするのがいいんだな」
希久夫も、亡くなってしまった美奈子、草織も割り切れない人生を抱えている、そして今後も。
読みながら思ったのは、誰しも何かしらの後悔を抱えている、人によれば大きな絶望かもしれない。でも、そういったことが人生なのかなと。
「悔いが残ることの一つひとつがいかにも自分らしくてさ、たとえ時間を巻き戻してやり直したとしてもきっと同じ結果になると思う。同じことを考えて、同じことをしてしまう。だから後悔はするのもほどほどにしよう。」という希久夫の言葉が心に沁みた。
「人生というものは、決して振り向いてはいけないものなんだと思います」by グレース・ケリー、きっとその通りなのだろう。
又、きっと読み返すことがあるだろうなと思える一冊だった。
Posted by ブクログ
妻が突然の事故死。夫は妻の愛車に乗って彼女の最後の旅を同じように訪ねていく。カーナビの履歴に残された、妻から夫へのメッセージ。
ちょっっっと、綺麗すぎるかなぁ。
往年の女優との出会いと、車を生み出したエンジニアとの出会いも。
夫本人の気持ちにもっと迫って欲しかったなぁ。