岡口基一のレビュー一覧
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民事弁護士が民事裁判官にインタビューするという企画。裁判官が考える訴訟戦略のポイントから、知られざる裁判所内部の様子まで、目から鱗の情報がオンパレード。(2017年刊)
・まえがき
・01書面
・02立証
・03尋問
・04和解
・05審理の終結
・06判決
・07控訴
・08裁判所から見た内外のお仕事事情
・09これからの民事訴訟を語らうこと
・おまけ 岡口さんのこと、教えて!
・あとがきにかえて
法曹ではないので、単純に内幕ものとして読む。ところどころに入る4コママンガが秀逸。弁護士については、スキルの身についていない人でも仕事を取ってこられる時代になっているという。裁判官については、要 -
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訴状の段階からきちんと主張や証拠を出し尽くしておくとか、尋問では動機を明らかにするとか、最終準備書面を書くべき場面とそうでない場面、みたいな勉強になる記載が散見される。優れた実務書に抱きがちな感想。
若手弁護士は要件事実の認識が足りない的な記載には耳が痛いというか震えあがった。いや俺、法律構成が複雑な事件ってほとんど扱ったことないから特に気にしたことなかったけど、要件事実全然わかんないや。仕事のやり方のタイプとしても多分証拠の飛び石を繋ぐストーリーテリングで勝負する子だし。でも急激に不安になったのでそのうち難しすぎない要件事実の本でも読もう。。。こわいよー。 -
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当該分限裁判の問題点については,説得的で興味深いですが,当事者の一方からの主張であり,色々な考え方があると思います。
本書は,当該分限裁判の問題点のみならず,現在の最高裁の問題点も分かりやすく指摘されています。
最近のNHK受信料に関する最高裁判決にも触れられていますが,この最高裁判決は結論はもちろん,法理論的にも納得のできるものではなく,政治的配慮が働いたのだろうと思わざるを得ません。
最高裁の結論に疑問を抱いている人は多いのではないでしょうか。
最高裁のあり方は,人々の利害に関わることでもあります。
一裁判官の問題を取り上げた本と決めつけずに,多くの人が手に取って,最高裁について考 -
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・法曹であればだれでも知ってる裁判官:
加藤新太郎、須藤典明、園尾隆司、山室恵、原田國男、中込秀樹
・事実を適示する部分が浪花節的な無いようにならないように。
・最初に、訴状をしっかり書くことで印象をよくするように。
・相手方のどうしようもない主張でも反論しておいてくれるとありがたい。
・最初ファックスで提出するとそれが正式書面となる。後からクリーンコピーを出してもそれは意味が無いし、かえって書類が増えるだけ。
・京都は裁判官をえらいと思っていないから和解が難しい。
・岡口基一は、日本で初めて脳脊髄液減少症を認める判決を下した。ただそれは高裁でひっくりかえされた。
・高裁では第1回期日前に、合 -
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岡口基一裁判官と中村真弁護士による対談形式(漫画も豊富に挟まれる)の書籍で、民事訴訟のプロセスに関し、書面の作成、証拠提出、尋問、和解、判決、控訴に至るまでの民事訴訟の各段階について詳しく解説しており、裁判所内部の実態や裁判官の日常業務、本音に触れられている。
岡口基一裁判官は、YouTubeでも登場する方だが、漫画での描かれ方が雑な上に悪質で、良い意味で酷くて笑える。というのと、この本の読者のターゲットには注意が必要。民間人ではなく、主に法曹界に関わる人々(若手から中堅の弁護士、法科大学院生、司法修習生、そして隣接士業)向けの目線なので、あーあるある!的な感じが、部外者にはピンとこない事も -
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ネタバレ本書は東京高裁判事の職にあった著者が、最高裁の分限裁判で戒告処分を受けるまでの事情を第1・2部で、最高裁の変貌や組織防衛に走る現状に対する危機感を第3・4部で記述されている。
裁判官の独立ないし表現の自由が尊重されるべきことは論を待たないが、元来民主的コントロールの及びにくい裁判官に対する信頼を白ブリーフ判事と呼ばれることで庶民目線と同じだなどと錯覚する幼稚さは気持ち悪い。
芸人が裸になることで笑いを取ろうとするのは職業であって(好きな芸風ではないが)裁判官が同様な芸風をアピールするのはフォロワー数を増やすためかもしれないが、どうも勘違いしているとしか思えない。
またツイッターでの裁判に関する -
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SNS(Twitter)にて、裁判についての情報を積極的に発信していた東京高等裁判所の裁判官である筆者が、分限裁判(裁判官の懲戒などに関する裁判)にかけられ、裁判官としての「品位を辱める行状があった」と判断されて戒告処分を受けた。
筆者からすれば、「ありえない」判断と手続きの連続であり、その説明にも納得できることが無いわけではありません。
筆者の主張する通り、最高裁が”王様”と化して自らの組織防衛を優先した決定を下した側面もあることは推察できますし(争点を明確化するために必要な手続きを怠ったという筆者の主張を否定できない)、憲法で保障されている表現の自由にかかる判断があったことを鑑みればそれ -
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現役裁判官と現役弁護士の民事訴訟をテーマにした対談。裁判官や弁護士はもとより、民事訴訟に携わる人には興味深い本と思われるが、当方幸いにも訴訟には縁遠いので本書の内容はピンと来なかった。
ただ、各章の冒頭にある1コママンガ、終わりにある4コマ、そしてあとがき代わりの4ページマンガがかなり面白い。相当なギャグセンスの持ち主だと思う。
最初は、主著者である弁護士の中村氏のアイデアを基にプロのマンガか描いているものだとばかり思っていたが、本書内のどこを探しても作者名がないことから、おそらく中村氏本人が書いているものと思われる。やはり関西出身者は違うな~と感心した次第。
弁護士を辞めた後はぜひ法律ものの