河野哲也のレビュー一覧
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第2章より。
<1>〜19世紀中
・ヒポクラテス…心は脳にある
・アリストテレス…心は心臓に
・魂は全身の感覚器に散在…ロッツェ、ルイス(19C)
<2>〜19世紀末
1 相互作用説:心身をそれぞれ独立した実体としたうえで因果関係あり、と考える…デカルト:「心の座は脳である」
2 平行論:心身間に対応関係はあるが因果関係はない…マールブランシュ、ライプニッツ
3 唯物論:ホッブズ(17C)、ドルバック、ラ・メトリ(18C)、フォイエルバッハ、マルクス(19C)
4 唯心論:バークリ、ヘーゲル、ベルクソン
<3>1940年代…「行動」に注目して心身二元論を克服する試み
・メルロ=ポンティ「行動の -
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著者は、メルロ=ポンティやギブソンの生態学に基づく哲学的考察をおこなっており、とくに近代哲学における近代的自我の立場を根底から批判することに力を注いできたことで知られています。そうした視点は本書でも生かされており、道徳が心理主義的に解釈されがちな傾向が現代社会に広がっていることに異議を唱えています。
また著者は、アマルティア・センとマーサ・ヌスバウムによって提唱されたケイパビリティ・アプローチと、ギブソンらの生態学的心理学の視点を重ねあわせることで、個人にとっての能力の開発に焦点を当てたリベラリズムの道徳教育へ向けての提言をおこなっています。
どことなく腑に落ちないところがあって、それを自 -
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著者は立教大学教育学部教授の哲学者。メルロ・ポンティなどの本を書いている方のようです。2008年初版。本書の副題は”哲学・倫理学からの批判的検討”とのことで、哲学者から見た最近の脳科学に対する見解、といったところでしょうか。最近の脳科学に関する動向がうまくサマライズされているので、脳科学入門として読むのも良いのではないかと思います。
哲学者から見た脳科学の批判的検討としては例えば、”脳と拡張した心”の章で述べられているような、脳が心といってよいのか、といった内容が述べられています。著者は他に”心は体の外にある”といった著作があるように、アフォーダンスといった拡張した心論をよく述べている方。要