長沖充のレビュー一覧
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ミステリ作家の篠田真由美が雑誌「建築知識」に連載していた建築とミステリに関するエッセイをまとめて増補改訂したもの。
前半は実在の建築にまつわる謎をミステリ作家的な視点で読み解いていく感じ、後半はミステリ小説に登場する架空の建築を考証するという感じの二部構成。最初に取り上げられている建築が日本初の西洋風ホテル「築地ホテル」についてで開業して4年で焼失、図面なども残されていないためのその姿は残された写真や浮世絵などから推測するしかなく詳細については今なお不明な点が多い建物。先日、読んだ種村季弘の「江戸東京〈奇想〉徘徊記」でもその謎について触れている箇所があるちょうど気になっていたところで、渡りに船 -
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かなばかり図とは、住宅をどうやって作るのかを示す様々な部材の断面の寸法を出し、収まりを確認するための図面だそうです。
簡単に言えば家を切断し、断面を見たときに断面図ができるが、それでは伝わらない現実的な基礎の厚さや深さ、梁のサイズを始めとする各部位を正確に知ることができる。いわば建物の設計図のようなものだ。
第一生の家の始まりと第2章の住宅の歴史でわかる。簡単な加工の仕組みは雲なるほどとすらすらと読むことができた。
第3章の建物の部材ってどんなものについては専門的なものもあり、建築に関わる人にとっては、当たり前の事かもしれないが、とても勉強になった。 -
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【目次】第一部 建築のミステリを読む Case.01 築地ホテル館/Case.02 鹿鳴館/Case.03 龍翔小学校・旧済生館本館/Case.04 水晶宮(クリスタル・パレス)/Case.05 折衷建築(ドルマバフチェ宮殿・函館の和洋折衷民家・旧亀岡家住宅)/Case.06 中銀カプセルタワービル//第二部 ミステリを建築で読む Case.01 山田風太郎『明治断頭台』より「怪談築地ホテル館」/Case.02 横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』より「椿元子爵邸」/Case.03 篠田真由美『翡翠の城』より「碧水閣」/Case.04 ディクスン・カー『髑髏城』より「髑髏城」/Case.05 ヴ