大原富枝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『婉という女』『ストマイつんぼ』収録の新潮文庫版で読む。
2作とも女として生まれたがその人生の喜びを奪われたものとして生きる人生が描かれる。
『婉という女』は元禄という時代に4歳から四十年にわたり幽閉された一族の娘の、男への想いやその罪を着せた勢力への恨み、そして何よりも自分の生と性は何だったのかという取り返しのつかない果てしのない問が描かれる。自身の母や異腹の姉妹、想い人の妻ら同性への、また父親や兄弟、若い奉公人、そして幽閉中に唯一手紙を交わした相手といった男性へのめくるめくような情念は、実際こうした境遇に置かれたらという想像を喚起するに十分であり、おそらくは自立した女性を理想とする作者の投 -
Posted by ブクログ
母親に忖度する癖が、骨の髄まで染み渡っており
自分自身の人生を生きている実感がなかった
自分の考えを通そうとして、勝手なことするなと怒られるのが怖いんだ
それで、人間関係が上手くいかず
いい歳なのに結婚もできない
良識にもたれかかって、自分では世故長けたつもりでいる母親に
言いたいことは山ほどある
しかしそんな権利を自分に認めることもできず
暗い日々を送っている女があった
それでいっそのこと失踪・蒸発してやろうかしらん、という計画が
具体的に煮詰まってきたある日
マンションから飛び降り自殺する中学生を目撃したことで
やりきれない気分になって
前々から気になってた宗教団体「アブラハムの幕舎」に足 -
Posted by ブクログ
千葉にある母の病院へ行くのに、新宿から黄色い車体の総武線各駅停車に乗った。もっとも速く、到着地へ着くという経路を選ぶことが億劫になったからだ。各駅で行くという考えが心をスローダウンさせてくれる。
総武線の中で読みさしの林真理子の「花」を読みはじめた。芸者の祖母と、母、そしてキャリヤウーマンという女三代の物語だ。冒頭のところに、なさぬ仲だった、祖母の手記を孫娘が読むところに、祖母が80歳を越して、母親のことが恋しくて恋しくて仕方がなくなるという件があった。
ぼくは、最近、父を失った。その父親の不在を、明確に記憶として認識できない状態の母親の中で、一人息子であるぼくの記憶もうしなわれはじめてい