【感想・ネタバレ】婉という女・正妻のレビュー

あらすじ

土佐藩執政、父・野中兼山(良継)の失脚後、4歳にして一族とともに幽囚の身となった婉。男子の係累が死に絶えた40年後、赦免が訪れ、自由となったものの、そこで見たのは、再び政争の中で滅びてゆく愛する男の姿であった……。無慙な政治の中を哀しくも勁く生きた女を描き、野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞した名作「婉という女」に、関連作「正妻」「日陰の姉妹」の2篇を付し、完本とする。

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Posted by ブクログ

江戸時代の学者、野中兼山の娘と妻の話。女性は、強くはなくとも、堪えることの上手な生き物だ。古い時代の情景が浮かぶような描写。婉の風変わりな姿が印象に残る。

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2010年09月27日

Posted by ブクログ

「婉という女」では、与えられた境遇の中でじっと耐えることしかできず、己を抑えて生きることしかできなかった女 婉(えん)が、幽閉が解かれたことをきっかけに「生きよう」と決心し、自分の人生を築いていきくお話。ここに登場する女性は強いです。「正妻」は、兼山の妻市(いち)が主人公。正妻でありながら、夫婦の交わりを結ばずに終わった空しい女の一生です。妾とその子供達は一族とみなされて幽閉されたのに、市は幽閉の人数にいれてもらえなかったかわいそうな人。わしはこっちのお話のほうが面白かった。

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2009年11月10日

Posted by ブクログ

『婉という女』『ストマイつんぼ』収録の新潮文庫版で読む。
2作とも女として生まれたがその人生の喜びを奪われたものとして生きる人生が描かれる。
『婉という女』は元禄という時代に4歳から四十年にわたり幽閉された一族の娘の、男への想いやその罪を着せた勢力への恨み、そして何よりも自分の生と性は何だったのかという取り返しのつかない果てしのない問が描かれる。自身の母や異腹の姉妹、想い人の妻ら同性への、また父親や兄弟、若い奉公人、そして幽閉中に唯一手紙を交わした相手といった男性へのめくるめくような情念は、実際こうした境遇に置かれたらという想像を喚起するに十分であり、おそらくは自立した女性を理想とする作者の投影であろうとは思いつつ、作品世界のリアリティを失ってはいない。
『ストマイつんぼ』はタイトルがいきなりアウトであるが、結核におかされた作者の分身とぼしき主人公が、自由を奪われた病床で、不良少年の犯罪という外部との僅かな接触を巡って心の澱を吐き出す。
どちらも囚われの身の女をめぐるお話である。

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2026年08月12日

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