西村雄一郎のレビュー一覧

  • 清張映画にかけた男たち―『張込み』から『砂の器』へ―
     映画であれ、書き物であれ、清張の作品が持つ不気味なリアリティは<日常性にひそむ悪の芽を紡ぎだすところにある>とはよく言われることであるが、それは清張が生きた時代が太平洋戦争の余燼を色濃く引きずっており、また読者や観客、さらには役者や映画制作スタッフもまたそのような時代を生き抜いてきた人たちであると...続きを読む
  • 殉愛―原節子と小津安二郎―
    原節子と小津安二郎の「深い」関係を掘り下げた、読みごたえのある一冊。小津がマザコン、原がファザコンであったとの説にも頷ける気が。
  • 清張映画にかけた男たち―『張込み』から『砂の器』へ―
    ここでも黒澤作品の影響は大きかったのであった。

    明らかな間違いが少なくとも二か所。どうにかしてほしい。
  • 殉愛―原節子と小津安二郎―
    女優、原節子と映画監督、小津安二郎。
    何の障害もなかったのに、ふたりとも独身を通した。お互いの感情が愛情だったのかどうかもわからないけれど、小津監督に愛情がなければ、原節子三部作と言われる、「秋子」や「紀子」は生まれなかったであろうと著者は言う。

    小津監督の言う「美しいものは、美しいところだけを見...続きを読む
  • 映画の名湯ベスト57 湯けむりシネマ紀行(小学館文庫)
    日本全国の温泉を作品に絡めての紹介。これは日本映画ならではの楽しみ方ですよね。
    映画ファンのみならず、旅行ファンも温泉ファンもカメラビデオファンも楽しめる本です。
  • 輝け!キネマ ──巨匠と名優はかくして燃えた
     日本映画の黄金期を彩った巨匠と名優を組み合わせて、相互の影響の様相や繋がりの深さ、作品として結晶化した映画の見どころなどを、具体的に分かりやすく教えてくれる。人となりを窺うことのできるエピソードも満載で、読み物として実に楽しい。

     紹介される作品は傑作、名作揃いで見た作品も多いが、簡にして要を得...続きを読む
  • 殉愛―原節子と小津安二郎―
     えらく俗っぽい書名だが、内容は映画批評的視点で貫かれており、書名から想像されるほどにはゴシップ趣向ではない。小津作品に対する分析はかなり主観的だが一本筋は通っている。
  • 殉愛―原節子と小津安二郎―
    まだ小津作品をほんのいくつかしか観ていないので、
    筆者の小津感をそのまんま受けとめながら読んだ。
    原節子にしてもおなじくいくつかの映画を観ての
    イメージしか持っていないので、本に書かれてある
    ことを「そうなのかぁ」と受けとめるのみ。
    たくさんの取材をなされたうえで書かれてあるものの、
    いってみれば筆...続きを読む