あらすじ
ただの娯楽映画にはしたくなかった。松本清張の世界を徹底してリアルに描きたかった。野村芳太郎、橋本忍、山田洋次らは『張込み』にすべてをかけた。やがて彼らは、大ヒット作『砂の器』を生み、幻の映画『黒地の絵』へ……何かに打ち込むことがすべてだった「昭和」の日々を描く、情熱と哀惜のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
映画であれ、書き物であれ、清張の作品が持つ不気味なリアリティは<日常性にひそむ悪の芽を紡ぎだすところにある>とはよく言われることであるが、それは清張が生きた時代が太平洋戦争の余燼を色濃く引きずっており、また読者や観客、さらには役者や映画制作スタッフもまたそのような時代を生き抜いてきた人たちであるというところから生れたのがよく分る。
とはいえ、その清張映画が日本映画界の事実上の挽歌ともいえるような状況になってしまっているのは、世代交代の進む社会の当然の成り行きなのであろうが、侘しい思いもする。