小松佳代子のレビュー一覧
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かなり手こずったが、とても興味深い内容であった。アメリカの大学で一般的に採用されている生物学の教科書なのであるが、このレベルでアメリカの大学生は学んでいるとすれば、日本は遅れているのだと思う。この巻は3巻のうち最初の1巻「細胞生物学」なのだが、生命の誕生から20億年もの間、地球上の生命は原核細胞によってその命をつないで、その後に真核細胞が登場することになるのであるから、生命の歴史にとって原核細胞から真核細胞が進化したことは決定的に重要である。
そもそも私は細胞がどのようにして栄養や情報を受け取り、エネルギー変えるのかどころか、細胞膜がどのような分子は受け取り、または拒絶するのかわかっていな -
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ネタバレ第3巻は、細胞の代謝、遺伝子工学、発生と分化について。⑭細胞が利用するエネルギーと生物内反応を触媒する酵素、⑮細胞がどのようにして化学エネルギーを獲得するか、⑯光合成、⑰染色体上の全ての遺伝情報であるゲノム、⑱組換えDNAとバイオテクノロジー、⑲多細胞生物における1個の細胞から成体が形成される迄の過程である発生及び進化の分子メカニズムからなる。
14.生物内の化学反応を代謝と呼ぶ。生物は取った食糧をエネルギーとして消費し、タンパク質を作り体の一部にしたり、体を動かす部品にしたりする。体中で化学反応がおきている。化学反応には異化反応と同化反応がある。エネルギーの視点では発エルゴン反応と吸エルゴ -
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人間の脳が思考するのはニューロンの働きとされていたが、21世紀に入ってそれまでは緩衝材程度に思われていたグリア細胞がニューロンの動きに大きな影響を与えているとして注目されている。アインシュタインの脳はニューロンの数は一般人と同じであったがグリア細胞の数は群を抜いて多かったとして、その重要性を示唆する。
そのグリア細胞は末梢神経にあるシュワン細胞と脳や脊髄に見られるオリゴデンドロサイトは軸索(情報を送り出す突起)の周囲にミリエンという絶縁体を形成する。また、脳と脊髄の全域にアストロサイトとミクログリアというグリアも存在する。アストロサイトはニューロンの通信を傍受して逆に発信もして、ミクログリアは -
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このテーマと内容の翻訳本を新書で出すとは、さすがのブルーバックス。感心した。心から応援する。
タイトルにもなっている「もうひとつの脳」とは、脳を構成する細胞の内、ニューロンの他に存在するグリア細胞のことだ。実際に脳の細胞数に占める割合はニューロン細胞よりもグリア細胞の方が多い。そのグリア細胞はこれまで脳内の充填物程度に思われていたが、最近の研究により、これまで考えられていた以上に脳や神経系の動作に関与しているという。ニューロン中心主義からのパラダイムシフトと言っていいだろう。少なくともこの領域の研究者である著者はそう思っている。
グリア細胞が注目されている例として、アインシュタインの脳の話 -
グリア細胞は脳を支配する!
「もうひとつの脳」とは何か? 本書は、「脳神経系におけるグリア細胞の役割」に鮮明なスポットをあて、 新たな視点から「脳のしくみ」の理解に迫ろうとする意欲的な著作です。
グリア研究に尽力してきた著名な神経科学者たちのユニークな逸話や「グリア細胞の謎」に迫る物語に満ちています。その中でも、「アインシュタインの脳」を解剖したマリアン・ダイアモンドの発見は白眉である。彼女の脳解剖所見は、「アインシュタインの天才が、ニューロン(神経細胞)ではなくグリア細胞に支えられていた」ことを示していたのは驚きであった。この事実だけでも、脳の研究者はもちろんのこと、一般読者をも大いに魅了して、「グリアとはなにか -
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これは面白い!
なんて脳はこんなにも複雑なんだろう。どうやってこんな機能が備わったのだろう。不思議でならない。
講談社ブルーバックスで500ページを超える分厚い本。2018年に刊行された本を今、読み終わった。時間がかかった。
脳の8割以上を占める謎の細胞「グリア」の正体に迫る。
そもそもグリア細胞って何だ?
ニューロンとかシナプスという言葉は聞いたことがあるが、アストロサイトとはオリゴデンドロサイトとか単語になじみがない!
しかし、読み進めていくうちに、要するに、グリア細胞は意識や感情、情緒に関する機能を司るものであるというイメージがつかめる。
これまでグリア細胞は、電気活動を行うニューロン -
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ブルーバックス
脳の不思議さ、面白さを伝えた本。脳の不思議さ、面白さは 人間の不思議さ、面白さだと思う
「脳の中心はニューロン」とする従来の説を批判し、「グリア細胞(もう一つの脳)が脳の中心」とする説を展開。
「グリアは 脳の健康と病気の拠点」
グリア細胞の研究が進めば 認知症、脳腫瘍、脊髄損傷(車椅子)、精神疾患などの治療が進む
グリア細胞=非神経細胞
*神経回路を流れる電気活動を感知し、電気活動を制御する
*ニューロンと違い、シナプスを介して 回路に接続していない
*グリアは メッセージを脳全体に向けて 広く発信している
*グリアの数は ニューロンの6倍
軸索=脳内の無数の微細な -
Posted by ブクログ
「もうひとつの脳」R.Douglas Filelds
脳内には、1,000億個のニューロンがある。
ニューロンは脳内の全細胞の15%しかない。残りはグリア細胞。
グリアはシナプスを介して回路に接続されているのではなく、メッセージを脳全体に向けて広く送信している。
盗まれたアインシュタインの脳は、脳の四領域全てにおいて、一般人に比して、ニューロンの数は同じくらいだが、グリア細胞は二倍近くあった。
グリア細胞は四種類に大別される。
シナプスは経験に従って神経系の計算能力と情報処理能力を大きく向上させる。学習が可能。
人間の記憶はニューロン内部ではなく。シナプスを介したニューロン間の結 -
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