マーティン・J・ブレイザーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間の体、自分の体についての認識がひっくり返る。
人間の体を構成する細胞のうちヒト由来のものはわずかで、7割?9割が細菌由来のものであるらしい。
身体内部の細菌を正常なバランスに保つことが健康につながるということ。
体質の違いというのは要するに腸内細菌叢の違いなのではないか。
抗生物質の過剰投与はこのバランスを崩すことにつながる。
帝王切開も母体からの細菌移譲を遮断するという意味で、バランスの崩壊に貢献する。
その結果として、近頃よく見られる喘息、アレルギーなどの増加につながっているのではないかと筆者は考えている。
胃がんを引き起こす悪玉として名高いピロリ菌も、胃中の常在細菌として、食道炎 -
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Posted by ブクログ
細菌学の大家が、抗生物質の乱用などに伴う人間の細菌バランスの崩壊の危険性を説く。
腸チフスやHピロリ菌のような人間に病気をもたらす細菌があるが、そもそも生物は細菌と何万年もの間共進化しており、人間に宿る細菌の重量は数キロありどの臓器よりも重い。消化や免疫などで大きな役割を果たしているらしいということがわかりつつある。抗生物質の幼少時からの度重なる使用により、体内の細菌バランスが乱されることが、慢性疾患やアレルギーなどの近年の増加につながっているかもしれないとしている。
Hピロリ菌では、胃がんの原因とされ駆除されてきたが、実は適切な免疫反応を促すものであるかもしれず、喘息やアレルギー逆流性食道炎 -
Posted by ブクログ
あなたは1人で生きているのではない、といわれたら何を思うだろうか。
人は誰しも支え合って生きている、とか、友達や家族は大切だ、とか、それはそれで言えることだろうが、本書の主題は、もう少し、いやかなり小さい生き物のことだ。小さいけれどもその数は膨大だ。その名は細菌。真菌やウイルスとともに、人の体を住処とする。
我々の体は30兆個の細胞からなる。一方で、人体には、100兆個もの細菌や真菌が住むという。長い進化の過程で、ヒトとの暮らしを確立してきたものだ。皮膚、食道、胃、腸、口腔、膣。多種多様な菌を抱える私たちは、1人でいても「孤独」ではない。さながら大きな森のように、多くの生き物を抱え、彼らに恵 -
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Posted by ブクログ
会社の健康診断で、オプションでピロリ菌検査がありますと言われた。陽性だと除菌もしてくれるらしい。ただ何となく面倒くさかったのでことわったのだが、「ピロリ菌の除菌って、なにか反対するような説も出ていなかったか」というのはすこし気になっていた。そうしたら、まさか自分の本棚にそのものの本が眠っていたのを見つけた。
著者はアメリカの微生物学者で、おそらく医師であると言ってもよいのだと思う。みすず書房の装丁でいかにも難しい本のように見えるのだが、中身はどうしてこなれた語り口のあまり肩のこらない読み物である。医師というのは臨床でさまざまな患者と接するからか、わかりやすく面白い文章を書く人が多いような気が -
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Posted by ブクログ
最近読んだマイクロバイオーム関連の本でリファレンスされていたので手に取る。抗生物質の過剰使用が多剤耐性菌を生むという問題はかねてから指摘されている通りだが、本書では抗生物質が持つさらなる悪影響、正常な細菌叢(最近の用語ではマイクロバイオータ)の壊滅的破壊とその影響について最新の研究成果が紹介されている。
たとえば、ピロリ菌が胃癌の原因であることからピロリ菌除去医療が普及しているが、一方でピロリ菌の欠如が(近年、増えている)胃食道逆流症の原因であり、また皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状や幼児喘息とも高い相関があるという研究がある。
抗生物質は長い間、無料の(=副作用のない)薬だと信じられて -
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Posted by ブクログ
わたしの体を構成する細胞の70〜90%は、細菌でできている!
わたしって、一体、なに?
細菌と一緒に進化してきたコミュニティーなんだね。
細菌がないと食べ物を消化もできない。人間と細菌は、相互依存の関係にある。
抗生物質を過剰摂取することで、私たちの内部の細菌はだんだん多様性を失ってきていて、それによって新しい病気が増えているとのこと。
というわけで、
・抗生物質の使用は節度をもちましょう
・食肉用の牛などに抗生物質を与えるのはやめましょう
・幅広くきく抗生物質ではなくて、用途を絞った抗生物質を開発しましょう
ということです。
個人的に驚いたのは、胃のなかの細菌のピロリ菌はかならずし -
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