鎮目恭夫のレビュー一覧
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とにかく驚きなのは、DNA発見前に、物理的考察によってそのような構造の必要性を予言してたこと。なんでか高名な物理学者は晩年生物に興味を持ち始めるけど、シュレーディンガーはその中でも珍しく上手く行った例だと思う。Posted by ブクログ
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量子力学を創造し、原子物理学の基礎を築いたシュレーディンガーが追及した生命の本質がまとめられた名著。Posted by ブクログ
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【きまじめな物理学者の探求】
本書が最初に出版されたのは1944年,まだ量子力学が疑いもない第一原理と認識されて間もない頃のことだ.ちなみにDNAの二重螺旋構造が提唱されたのはその10年後になる.
まだ生物が神秘的なベールに包まれていた時代だったとは思えないほど,恐れず物理学の立場に立って,現代の...続きを読むPosted by ブクログ -
量子力学のシュレーディンガーが平易に生命の本質に迫ろうとする著。内容的にはわかりやすいところも多いですが、哲学的で理解困難な箇所(特にエピローグ)も多く、なかなか歯ごたえがあります。それはさておき、訳者あとがき214頁を読んで、福岡伸一先生のシュレーディンガー評に対する疑問と、福岡先生が言うところの...続きを読むPosted by ブクログ
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生命とは何かという命題を物理学者として解明した、分子生物学の有りようを予言した書といえましょう。
冒頭から面白いことが書いてある「統計物理学からみて、生物と無生物とは構造が根本的に異なっている」
物理の法則は原始に関する統計に基づくものであり、近似的なものにしかすぎない。分子は個々にはばらばらに動...続きを読むPosted by ブクログ -
方式の名前にもなる有名な理論物理学者のシュレディンガーが生命とは何かについて量子力学の側面から問い、分子生物学への道を切り開いた言われるこの本。
生物を分子・原子の集まりとして見ている私として、量子力学的見方で生命を見ることはとても興味深ったです。
「われわれの身体は原子に比べて、なぜ、そんなに大...続きを読むPosted by ブクログ -
物理についても進化についても、今までのイメージが少し違っていたことがわかって面白かった。原子が無秩序に動くこととか、突然変異は「飛び離れた」変化であることとか。
後、「オスの蜂はでっかい精子」というのが面白かった笑Posted by ブクログ -
⑩
開始:2023/3/6
終了:2023/3/10
感想
生命は神秘に属するか。この論争は一生決着することはないかと思われる。人間の自由意志も同様。大数の法則と梵我一如。西洋と東洋。Posted by ブクログ -
生命(正確には遺伝子と呼ぶべきか)の秩序の驚くべき永続性はまさに量子力学から来るものであるという、我々が実感できる生命の神秘を(ミクロな)物理学の理論によって説明する一連の流れに大いに興奮を覚えた。
著者は必ずしも物理学に明るくない一般読者を想定していたようだが、やはりこの興奮は実際に物理学を学んで...続きを読むPosted by ブクログ -
物理学者の彼が、なるべく専門用語に走らず一般向けに書こうとしたことが伺えて、人柄に親しみを持った。とはいえ数式が出てくる箇所はさっぱりわからない。
でも本を通して、生命が無秩序に向かう大きな流れに抗いながら生命として存在していること、いずれは必ず永久に何も動かない状態(死)に至るということを想像した...続きを読むPosted by ブクログ -
生物学の知識皆無だったので、少し勉強しながら読みました。
生命活動、心の働きさえも、「原子の運動」であり、自然法則に従って成り立つものだということを改めて認識させられます。
1944当時の物理学者の視点、生化学は未発達であり、未知のものに対する戸惑いなど、なまなましさが感じられました。
議論の進め方...続きを読むPosted by ブクログ -
シュレーディンガーの波動方程式で量子力学の礎を築いた物理学の泰斗が生命の仕組みについて考察した古典的名著です。
生命の遺伝の仕組みや生命活動について、真摯で誠実な筆致で論じており、久々にじっくりと味わいながら読み進むことが出来ました。
古典を読むと、本当にその著者と書斎で対話をしているような気分...続きを読むPosted by ブクログ -
秩序を「吸う」ことでエントロピー的死を免れようとする、というのが生命であるというシュレディンガーの言説は非常に興味深い。MITメディアラボのゼザール・イダルゴ教授が同じようにエントロピーの概念を用いて「情報の秩序」について語っていたWhy Information Growsとの類似性を感じた。Posted by ブクログ
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最後のエピローグではやや稚拙な論を立てているが、まぁ時代だしね。その後のファシズムの点からも注意を要する。訳者あとがきでちゃんと触れているので心配はしないが。Posted by ブクログ
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量子力学の波動方程式を創出した物理学者のシュレディンガーが分子生物学について著述した本。まだDNAの二重螺旋は発見されていない時代。遺伝子は長大な分子でできている。その存在を物理学から見た見解が述べられている。なかなか難しいな。Posted by ブクログ
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エルヴィーン・シュレーディンガー(1887~1961年)は、オーストリア出身の理論物理学者。波動形式の量子力学である「波動力学」、量子力学の基本方程式である「シュレーディンガー方程式」、「シュレーディンガーの猫」を提唱するなど、量子力学の発展を築き上げ、1933年に英国の理論物理学者ポール・ディラッ...続きを読むPosted by ブクログ
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1,常磁性
2,ブラウン運動
3,測定制度の限界
これらの法則をただ学ぶだけでは、
何も生まれなかったであろう。
しかしシュレディンガーの切り口により、
地球規模での存在として、人間を見直すことができた。
そしてもっとも、僕の心にひっかかったのは、”宇宙の全体や物質の基本的な運動が、大局的には...続きを読むPosted by ブクログ -
量子論の大家が書いた名著ですが、
いやー、何言っているのかさっぱりわからない箇所が半分くらい(苦笑)
訳の問題も一部ある気がしますけどね。
でも、いろいろと新しい視点や発見もありました。
物理学者が生命について語る…今でも珍しい感じがしますが、
当時はもっとだったのではないでしょうか。
もちろん...続きを読むPosted by ブクログ -
他の方のレビューを拝見すると遺伝子構造が解明される前の講演というのに驚かされる。高度な知力があれば、分野は違えど本質を推測出来るということか。最初、「シュレディンガーって物理学じゃなくて生物学だった?」と思ってしまったが、専門外の分野を異なるアプローチからここまで洞察できることに再び驚かされる。シュ...続きを読むPosted by ブクログ
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生誕126周年を(勝手に)記念して、再読。
物理学的見地で生物学を紐解こうとする本書は、1944年発刊。生物の法則性は統計的物理法則と異質であり、また「遺伝子」にも着目している。
この著作により、専門たる量子力学から分子生物学の分野も開拓の手を広げたことになる。こういう方を、人は「天才」と呼ぶ...続きを読むPosted by ブクログ