奥村準のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレイアン・ブレマーの書。ページを開くのが楽しみでした。
グローバル化はこれからも進むことと思いますが、まっしぐらというわけには行かないでしょう。ちょっと立ち止まって、今、世界中で起こっているポピュリズムについて考えてみるきっかけとして、最適な1冊ではないでしょうか。
トランプ大統領がなぜ支持されるのか。
対立の構図がわかれば、トランプ支持者の声も理解できます。
しかもそれは、米国だけの問題ではない。各国で、さまざまな社会で、いまだ「対立」は存在しています。マイルドかもしれませんが、日本でも。
対立の構図を作りあげることによって、物事が有利に運ぶ場合も、確かにあるでしょう。
AI技術や自 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は本書の目的を以下の通りであると記述している。
・「この本を書いている目的は、アメリカがいかなるスーパーパワーであるべきかを判断していただく手掛かりを提供することにある」
・「本著の目的はあなたの選択にある」
終章まで読みすすめれば、上記の目的が達成されていることに気が付く。
(文章が日本語として読みにくいところが多いが、同時通訳を聞いているとでも思えば、なんとか読み進めることは出来る。)
日本では池上彰氏の政治や経済システムの解説をする著書などがあるが、本書はそのような丁寧な解説本ではない。アメリカ政治の事象を著者との対話として受け止めるような感じといえばいいだろうか。
総じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ原作のタイトルは「US vs. THEM」であるとおり、全編通して「われわれ対彼ら」という構図でこれからの世界情勢を見通している。
これまで全世界で進めてきたグローバル化が破たんし、現在はそれに世界が逆行した動きを見せている。米国でのトランプ大統領の就任、ブレグジット、難民の受け入れ拒否など、自国を守るために、政治家は巧みに「彼ら」を作りだしている。
これは現在に限った話ではなく、これまでもその時代その時代で政治家は「彼ら」作りだし政権を確立してきた。そしてそれに失敗した政権はデモが拡大し最悪の場合は政権を奪われることになる。
日本人の視点から見ると、島国であるため「彼ら」の存在が他国に比べて -
Posted by ブクログ
地政学リスクや政治リスクの分析で知られるコンサルティング会社ユーラシアグループを率いるイアン・ブレマーの最新作である本書は「Us VS Them」という原著タイトル通り、自分たちのグループと他者のグループに壁を作り、現状の問題が全て他者に由来するとの被害妄想から他者を攻撃するポピュリズムの危険性と将来性をまとめた一冊である。
King Crimsonを率いるロバート・フリップ翁が記した「21世紀の精神異常者」は20世紀においてはその特異なアルバムアートで表現された架空の存在で済んでいたが、2018年の現代に生きる我々はその男がアルバムアートを抜け出して、ホワイトハウスに住んでいることを知って