【感想・ネタバレ】スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択のレビュー

あらすじ

Gゼロ時代に突入し、アメリカが世界を主導する力は以前ほど絶大ではなくなった。だが、しばらくはアメリカが唯一の「スーパーパワー (超大国)」であることに変わりはない。アメリカは今後、世界を舞台にどういった役割を演じるのか? 他国の問題解決から手を引いてしまうのか?

「Gゼロ」という言葉を世に送り出し、各国の政府首脳に対して外交問題に関する助言を行ってきた気鋭の政治学者が、国際社会の中でアメリカがとりうる外交戦略を3つのシナリオで示す。

1. 「独立するアメリカ」……国益を優先し、安全と自由を確保する
2. 「マネーボール・アメリカ」……自国の評価を上げ、国益も守る
3. 「必要不可欠なアメリカ」……アメリカ、そして世界を主導する

これら3つの選択肢の長所と短所を、日本にも大きな影響を与える中国の脅威、エネルギー、安全保障、TPP、サイバー攻撃など、地政学的リスクの観点から解き明かす。

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Posted by ブクログ

2015年と少し古い内容も含まれるが、世界におけるアメリカの位置付けを、過去と未来双方の視点で記載。国内回帰、限定関与、積極関与の3軸を競わせながら進める内容は比較対象が明確で参考となった。イアン・ブレマー氏自身は国内回帰を推奨し、国力を高めて経済的に豊かであることが民主主義の価値を世界で保つことにもなると述べている。

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

アメリカを中心として、国際政治を10個の問いでまとめあげている。アメリカの役割、大統領の役割、パパブッシュから現在に至るまで、ある意味支離滅裂なアメリカを表現して来た。これからの国際政治の選択として、「独立する国家」(消極的関与)、「マネーボール国家」(普通の国)、「必要不可欠な国家」(積極的関与)の3パターンを示しており、著者イアン・ブレマーは「独立する国家」選ぶとしていた。価値観を犠牲にしたくないとの理由であった。

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2020年06月28日

Posted by ブクログ

独立するアメリカはまさにトランプの路線だなあと思って読んでいたら、ブレマーの結論も独立するアメリカだったとは驚いた!
貿易、移民はオープン方向なのでこの部分は真逆だが、国内回帰という意味では、トランプの方が原理に沿っていると言える。
何れにしても、アメリカは孤立主義的な思想が日本人が思っているよりかなり強く、普遍的なのだと認識させられた。

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2017年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者は本書の目的を以下の通りであると記述している。

・「この本を書いている目的は、アメリカがいかなるスーパーパワーであるべきかを判断していただく手掛かりを提供することにある」
・「本著の目的はあなたの選択にある」

 終章まで読みすすめれば、上記の目的が達成されていることに気が付く。
(文章が日本語として読みにくいところが多いが、同時通訳を聞いているとでも思えば、なんとか読み進めることは出来る。)
 日本では池上彰氏の政治や経済システムの解説をする著書などがあるが、本書はそのような丁寧な解説本ではない。アメリカ政治の事象を著者との対話として受け止めるような感じといえばいいだろうか。
 総じて難しい事象や表現は無いと言っていい。だからこそ、自分の思考を働かせ選択を導くことから逃れるわけいにはいかなくなる。

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2016年03月20日

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