佐藤栄佐久のレビュー一覧

  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    前・福島県知事で母校(高校)の大先輩でもある佐藤栄佐久氏の手記。

    このひとは、本当に福島のために懸命に尽力してきたのだと痛感。
    改めて尊敬の意を表したい。
    現在、佐藤氏は収賄容疑で一・二審ともに実刑判決を受けているが、
    不服として上告中。
    最高裁でははたしてどんな判決が出るのか…
    これは地方自治が地方自治たるための闘いなのだと思う。

    3.11よりも前に書かれているにもかかわらず
    3.11をより鮮明にした必読の一冊。

    0
    2012年05月21日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    この類の「国策捜査」に関する著作は多々読んできたけれど、特に印象に残る一冊でした。
    元知事も一審での判決直後、「こんなものか」と特に感慨が浮かばなかったと書かれていますが、憤りを通り越して呆れの境地になります。
    日本の司法は茶番です。

    本書は東京電力福島第一原発事故以降、原子力ムラの構造が描かれているということでも注目されています。
    現在では多くの人が知っていることですが、改めて東電の隠蔽体質と国の手のひら返しは驚くばかりです。
    一読をおすすめします。

    0
    2011年12月08日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    私にとって「知事」のイメージとは著者そのものである。
    「知事」という役職の存在を知ってから、県知事が他の人になったことがないからである。ついでに、「さとうえいさく」という名前からは真っ先に著者が浮かぶ。過去に同名の総理大臣がいたことは、後から知った。

    著者は、県内に住む少年だった私にとっても「力強い指導者、あるいは交渉人」というように見えた。原発問題については言葉が難しかったので当時は分からなかったのだが、地方分権は子どもにも理解できる部分があったように思う。本書では書かれていないが、首都機能移転問題で、福島県の阿武隈高地を最後まで候補に残したのは、やはり知事の力あってのことではないだろうか

    0
    2011年10月05日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    著者の佐藤さんは福島県の知事だった人物で5期目の途中で辞任。
    その後、収賄の容疑で逮捕された人です。

    本書は、その時行われた東京地検特捜部による捜査立件が、国のずさんな原子力政策に反対する佐藤さんを貶める「国策捜査」と主張する為に書かれた本と言えます。

    2009年に出版された本ですが、今回の原発事故以降、急速に注目を集めた本と言えるのではないでしょうか。


    内容は、佐藤さんの学生時代からの経歴紹介に始まり、1980年の最初の参議院議員選挙に落選した後、福島県内を地道に回って強力な後援組織を作り上げた事や

    「うつくしま、ふくしま」と言うスローガンに代表される環境保護政策、地域社会を守る事

    0
    2011年10月02日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    新聞報道で,この本の著者が知事であったころに逮捕されたことを知った時,「また知事の汚職か」程度にしか思わなかった。しかし,実は知事の仕事を務める福島県のために(地方自治のために),著者は官僚組織,(原発問題については)大企業と闘った。しかし,それが「国策捜査」を生み出し,身に覚えのない罪で逮捕されるに至る。
    知事としては真摯に仕事をしたにもかかわらず,いや,それゆえにというべきか,こうした事態に至った経過がよく書かれている。
    「国策捜査」という言葉は,佐藤優氏が一般人に知らしめた言葉だったと思うが,佐藤氏,鈴木宗夫氏の例,また「国策捜査」ではないかもしれないが「検索の描き出したストーリーに沿っ

    0
    2011年09月30日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    私のまったく知らなかった日本の政治、原発の事実に驚愕。そして、自分の国、土地のために、熱くたたかう政治家がいたということにも感動。しっかりと自分の国の政治のありかたに注目していかなければと考えさせられる。

    0
    2011年09月05日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    原発推進派はずっと反原発派を軽んじてきた。原子力産業の中では真剣な議論をタブーとする風潮があった。現在の状況を招く前に、もっとできることはあったはずなのに。

    原発のある地域の話題になるたびに、「原発で潤っていたのだから、その地域の人達は原発に反対するはずない」って言う人がいるけど、そんな単純な事じゃないんだよなぁ…。

    足利事件と311を経なければ、私にはこの本に書かれていることが理解できなかった。それがひどくもどかしい。

    0
    2011年06月26日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    汚職事件って、ほとんど作られたものなのかもしれませんねぇ~~~。国の原子力政策は、レミングのように破局に向かって全力で走りきる決意でも固めたように思える。その通りかもしれません。

    0
    2011年04月01日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    顔の見えない霞が関官僚。

    彼らの進める大義なき省策(あえて政策とは言わない)のため、また、正義なき検察、自己目的化した行動により、真に天下国家を憂う政治家が葬られる構図がまとめられた著作である。

    そして、検察と裁判官の馴れ合いで真実無実でありながら、有罪の汚名をかぶせられる。

    情状酌量で、執行猶予などがついたとしても何ら浮ばれない人たち。

    法務官僚たちの行うダブルスタンダードは絶対許してはならない。

    それにしても、検察の取り調べは、やくざ顔負けの卑劣な行為であり、いつの世か必ずや天誅が下るであろう。

    0
    2010年03月22日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    いや、大変に面白かった、限りなく★5つに近い★4つ。
    本書を原作とした映画が近く公開されるとの記事をフェイスブックで見ました。
    迂闊なことに、それまで本書の存在そのものを知りませんでした。
    2009年に初版発行された本です。
    著者は参議から福島県知事に転じ、県発注のダム工事を巡る汚職事件で知事を辞職、その後、有罪判決を受けました。
    検察の取り調べを受ける場面が、本書の白眉でしょう。
    硬軟織り交ぜて時に厳しく、時に懐柔して自白を迫る検察の手管には恐ろしさを覚えました。
    これだけ執拗に過酷な取り調べが続けば、どれだけタフな人でも音を上げるというもの。
    実際、この事件で検察の取り調べを受けた関係者は

    0
    2016年10月08日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    国の原子力政策に疑問を投げかけ続けた知事が官僚に抹殺される様子が克明に描かれている本。陰謀ってこうやって作られていくんだなって読んでいて少し怖くなった。
    それにしても知事は文章がうまいなぁ。

    0
    2015年09月01日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半、知事時代の業績の自慢タラタラでかなりウンザリさせられるが、それもこれも「抹殺」された人間の言葉と思うと重みが違う。

    0
    2014年02月01日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    特捜の操作の実体がよくわかる。

    「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」
    のM検事の一言、恐ろしい。

    原発や地方自治の問題で官僚と戦った知事が書いた本。

    ダム工事汚職事件で知事を辞職したが、この本が真実ならば、タッチしていない。

    原発事故以来、この国の上層部の隠蔽には驚いたが、国策にはむかう人間は話を作ってでも捉え、ズタズタにされてしまうのだなと、恐ろしくなった。

    0
    2012年04月05日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    汚職の罪に問われた元福島県知事の手記。

    自分の地方格差についての感覚が鈍すぎることに驚いた。
    今私が使っているパソコンと暖房を動かす電気はこんな理不尽の上に成り立っている。

    原発推進も捜査の過程も事実よりイデオロギーを優先させる。
    そりゃ原発事故も冤罪も起こるべくして起こるわけだ。
    カーナビを信じて池に突っ込むようなやりかたは、残念ながらいたるところで見かける。

    それにしても自殺者を出すような取調べって特別公務員暴行陵虐罪あたりで問えないもんなのか?怖すぎる。
    これはもう「汚職」じゃなくて「政治犯」の扱い。

    これだけ賢くて度胸も経験もある著者でさえ「自白」に追いやられるのなら、普通の人

    0
    2012年09月26日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    佐藤栄佐久『福島原発の真実』(2011)、
    『知事抹殺ーつくられた福島県汚職事件』(2009)を読む。
    前著は3.11以後、後著は3.11以前の出版である。

    佐藤元福島県知事の事件は奇妙である。
    佐藤は第5期18年目の2006年に
    県発注のダム工事をめぐる汚職事件で司法の追及を受ける。
    県政を混乱させた責任を取り自ら辞職。
    しかし、その後二審判決で
    収賄金ゼロと認定されながら有罪判決を受けている。

    佐藤は県民の圧倒的支持を背景に
    国の原子力行政、道州制導入などに
    是々非々の議論を仕掛けてきた。
    決して原発断固反対の立場ではなかったが、
    国と東電による不透明な行政、運営に警句を発してきた。

    0
    2012年01月08日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    闘う知事で名をはせた前福島県知事の佐藤栄佐久氏の県政の中での原子力行政、地方分権、検察問題(国策捜査)等について深く書かれています。

    私は福島に暮らしていた頃から、佐藤前知事を支持しており、この事件を知った当時は非常にショックだった。
    その後、上京してからこの問題の事はすっかり記憶の片隅に追いやられていました。

    今回、3.11の震災、そして、原子力発電所の事故をみて、原子力行政で国と闘い。それ故に、国策捜査で抹殺された佐藤前知事の事を思い出した。
    そこで、知事抹殺を読んでみた。

    この本を読んでの率直な感想は、腐りきったこの国の官僚制度に対する怒りである。
    そして、3.11の原発問題から見

    0
    2011年09月23日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    ここにも検察によって身分を滅ばされた人がいる
    あらかじめストーリーを定め、後はブルドーザーの如く押し進める。
    特捜部はやだ。

    0
    2011年09月09日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    震災による原発事故で、この本に関心を持った。
    前半の原発や地方自治での国等との戦いのあたりは、本人だから自分に都合よく書いてるところもあるだろうなと思いつつ、何しろこの人が懸念したとおりに原発がああなっちゃってるわけだから、非常に説得力があるが、後半の汚職事件のくだりは不透明なもやもや感が漂う。
    まあ、書いているのが本当なら(本当というのは十分ありだと思う)、何の罪で自分が逮捕されるのかもわからない状況で、著者の主観的に、全容が見えていないための不透明さもあるわけだが、結局、著者自身は知らなかったにせよ、著者の弟は知事の身内であることをいいことに汚いこともしていたようだし、著者が「まじめな人間

    0
    2011年08月01日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    クリーンに公務をこなしていたとしても、国策に沿わないというだけで、こうも簡単に犯罪を創り上げられて、葬られてしまうとはやるせない内容。

    0
    2011年06月11日
  • 知事抹殺

    Posted by ブクログ

    もと福島県知事の佐藤栄佐久が収賄の容疑で有罪にされた事件を、自らの視点で振り返った本。結局こういったものは関係者本人にしか真実はわからないもの。でも最近の報道で検察の暴挙ぶりはうかがえるので、全く嘘ではないだろうな。どんなに無実でも逮捕だけはされたくないな。

    この本を借りた目的は、311の震災から引き起こされた福島第一原子力発電所の事故を見ていて、いろいろな報道がある中、そもそも福島原発はどのように開発され、運営され、現在に至るのかをその背景を最も知っていると思われる福島県の知事の言葉で聞いてみたかったこと。

    この本は前半は福島原発を巡る、東電、経済産業省(当時は通産省)、県の争いがほとん

    0
    2011年06月09日