【感想・ネタバレ】知事抹殺のレビュー

あらすじ

ダム建設をめぐって突然湧いた逮捕劇。県内で絶大な人気を誇った改革派知事はなぜ失脚させられたのか。汚職知事の名を着せられた当事者が、事件の内実を冷静な筆致で綴る。

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Posted by ブクログ

前・福島県知事で母校(高校)の大先輩でもある佐藤栄佐久氏の手記。

このひとは、本当に福島のために懸命に尽力してきたのだと痛感。
改めて尊敬の意を表したい。
現在、佐藤氏は収賄容疑で一・二審ともに実刑判決を受けているが、
不服として上告中。
最高裁でははたしてどんな判決が出るのか…
これは地方自治が地方自治たるための闘いなのだと思う。

3.11よりも前に書かれているにもかかわらず
3.11をより鮮明にした必読の一冊。

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2012年05月21日

Posted by ブクログ

この類の「国策捜査」に関する著作は多々読んできたけれど、特に印象に残る一冊でした。
元知事も一審での判決直後、「こんなものか」と特に感慨が浮かばなかったと書かれていますが、憤りを通り越して呆れの境地になります。
日本の司法は茶番です。

本書は東京電力福島第一原発事故以降、原子力ムラの構造が描かれているということでも注目されています。
現在では多くの人が知っていることですが、改めて東電の隠蔽体質と国の手のひら返しは驚くばかりです。
一読をおすすめします。

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2011年12月08日

Posted by ブクログ

私にとって「知事」のイメージとは著者そのものである。
「知事」という役職の存在を知ってから、県知事が他の人になったことがないからである。ついでに、「さとうえいさく」という名前からは真っ先に著者が浮かぶ。過去に同名の総理大臣がいたことは、後から知った。

著者は、県内に住む少年だった私にとっても「力強い指導者、あるいは交渉人」というように見えた。原発問題については言葉が難しかったので当時は分からなかったのだが、地方分権は子どもにも理解できる部分があったように思う。本書では書かれていないが、首都機能移転問題で、福島県の阿武隈高地を最後まで候補に残したのは、やはり知事の力あってのことではないだろうか。

私は生まれてから父の仕事の都合で県内6か所を引っ越しながら育った。どこにいっても、子どもたちの間には都会に対するコンプレックスのようなものがあったように思う。東北の中でも宮城は都会だし、関東地方というだけでなんだか洗練されたイメージを持つ。埼玉、千葉、東京、神奈川はすべてまとめて「東京」と呼んだ。自分たちは「田舎者」で、自然は「ありすぎ」て、「何もない」ところに住んでいる。そんな風に思っていたし、実際話していた。わけもなく東京に憧れてなんとなく出てくる若者がたくさんいた。私も含めて。

今、この本を読んで初めて、佐藤知事の本当に目指していたものがわかったような気がしている。我々は、ふるさとに誇りを持ってよいのだ。声を発してよいのだ。著者はその姿勢をどんな場面でも崩さなかった。

私は、著者のスキャンダルが報道されたとき、本当に驚いた。あれほどのリーダーシップを発揮していた知事である。こそこそとした真似などする必要もないし、いつもテレビで県民に向かって話すように堂々としていれば、選挙に勝つのは当然の結果なのだ。こんなことはありえないんじゃないか。大人になったと言っても政治に疎い私だったが、そういう感想を持ったことを覚えている。

今、福島県は大変な事態に直面している。
こういう時期に著者のようなリーダーを失っていることは、県民にとって不幸だと思わざるを得ない。

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2011年10月05日

Posted by ブクログ

著者の佐藤さんは福島県の知事だった人物で5期目の途中で辞任。
その後、収賄の容疑で逮捕された人です。

本書は、その時行われた東京地検特捜部による捜査立件が、国のずさんな原子力政策に反対する佐藤さんを貶める「国策捜査」と主張する為に書かれた本と言えます。

2009年に出版された本ですが、今回の原発事故以降、急速に注目を集めた本と言えるのではないでしょうか。


内容は、佐藤さんの学生時代からの経歴紹介に始まり、1980年の最初の参議院議員選挙に落選した後、福島県内を地道に回って強力な後援組織を作り上げた事や

「うつくしま、ふくしま」と言うスローガンに代表される環境保護政策、地域社会を守る事を目的にした大規模小売店の出店に対する規制、原子力安全対策など知事時代に行ってきた各種政策を解説。

特にプルサーマル計画に使用される予定のMOX燃料のデータ改ざん問題など原子力安全対策に関する"東京"との激しい対立や彼らの安全性に対する無責任な体質を厳しく指弾。

他に道州制にまつわる"東京"との対立や知事会内部の足並みの乱れなどが解説された後、

収賄疑惑報道、逮捕、取り調べ、裁判の過程を著者の立場から詳細に解説した物となっています。


誰も責任を取ろうとしないのに思い通りに事を進めようとする中央官僚。
人に対する尊重などひとかけらも感じられないマスメディアの取材攻勢。

厳しい取り調べに追い詰められ自殺未遂を起こした側近に対する思い。
逮捕後、情報を遮断された中で連日の取り調べを受けるにつれ、有りもしない罪を認める様に迫る検事を段々と信頼していく心理状態の変化。

東京地検特捜部の無理のある立件、立証。
目の前で行われた偽証によって引き起こされたのど元を締め付けられる思い。

そして有罪判決。


裁判の過程で傍聴人の間に失笑を起こす程、無理のある検察の立証にも関わらず下った東京地裁の有罪判決。

著者の収賄疑惑を追求する読売新聞の記事。
これは地元福島にいる読売の記者が書いた物ではなく、本社が地元記者に対して全ての取材情報の提出を命じた後に書かれた物であり、地元記者は一切関わりがない事。

「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」と言う特捜部検事の発言。


本書に書かれている著者の主張を簡潔にまとめると、

「司法とマスメディアが手を組んで著者を陥れた」

と言う一文になるかと思います。


文章は簡潔にして明瞭。

とても読みやすい本です。


逮捕され有罪判決を受けた当人が書いた中央官僚、検察、大手マスメディア批判本と言う事で内容の正確性に対して疑問を感じられる方もおられるかと思います。



私の感想と言えば。。。。。

読み終わった直後と言う事もあるのでしょうか、

司法と大手マスメディア、真っ黒じゃないか!!

と言った所でしょうか。


"#もしかしたら、私が影響を受けやすい性格をしていると言う事なのかも知れませんが・・・"


いずれにせよ、明瞭な文章で綴られている本書。

内容が衝撃的と言う事もあり、普段余り読書をしない方でも最後まで読み進められるのではないでしょうか。

一読をおすすめします。

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2011年10月02日

Posted by ブクログ

新聞報道で,この本の著者が知事であったころに逮捕されたことを知った時,「また知事の汚職か」程度にしか思わなかった。しかし,実は知事の仕事を務める福島県のために(地方自治のために),著者は官僚組織,(原発問題については)大企業と闘った。しかし,それが「国策捜査」を生み出し,身に覚えのない罪で逮捕されるに至る。
知事としては真摯に仕事をしたにもかかわらず,いや,それゆえにというべきか,こうした事態に至った経過がよく書かれている。
「国策捜査」という言葉は,佐藤優氏が一般人に知らしめた言葉だったと思うが,佐藤氏,鈴木宗夫氏の例,また「国策捜査」ではないかもしれないが「検索の描き出したストーリーに沿った犯罪」をでっち上げられて人生の貴重な時間を国家権力に拘束された国家公務員など,最近は枚挙にいとまがない(冤罪は今に始まったことではないが)。

「国策捜査」である以上,裁判の上告審でも無罪となることは難しいだろう。しかし著者がいうように,賠償金の発生しない収賄罪,という奇妙な判決を出さざるを得ないということであれば,著者の無実性は明らかだと思う。

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2011年09月30日

Posted by ブクログ

私のまったく知らなかった日本の政治、原発の事実に驚愕。そして、自分の国、土地のために、熱くたたかう政治家がいたということにも感動。しっかりと自分の国の政治のありかたに注目していかなければと考えさせられる。

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2011年09月05日

Posted by ブクログ

原発推進派はずっと反原発派を軽んじてきた。原子力産業の中では真剣な議論をタブーとする風潮があった。現在の状況を招く前に、もっとできることはあったはずなのに。

原発のある地域の話題になるたびに、「原発で潤っていたのだから、その地域の人達は原発に反対するはずない」って言う人がいるけど、そんな単純な事じゃないんだよなぁ…。

足利事件と311を経なければ、私にはこの本に書かれていることが理解できなかった。それがひどくもどかしい。

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2011年06月26日

Posted by ブクログ

汚職事件って、ほとんど作られたものなのかもしれませんねぇ~~~。国の原子力政策は、レミングのように破局に向かって全力で走りきる決意でも固めたように思える。その通りかもしれません。

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2011年04月01日

Posted by ブクログ

顔の見えない霞が関官僚。

彼らの進める大義なき省策(あえて政策とは言わない)のため、また、正義なき検察、自己目的化した行動により、真に天下国家を憂う政治家が葬られる構図がまとめられた著作である。

そして、検察と裁判官の馴れ合いで真実無実でありながら、有罪の汚名をかぶせられる。

情状酌量で、執行猶予などがついたとしても何ら浮ばれない人たち。

法務官僚たちの行うダブルスタンダードは絶対許してはならない。

それにしても、検察の取り調べは、やくざ顔負けの卑劣な行為であり、いつの世か必ずや天誅が下るであろう。

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2010年03月22日

Posted by ブクログ

いや、大変に面白かった、限りなく★5つに近い★4つ。
本書を原作とした映画が近く公開されるとの記事をフェイスブックで見ました。
迂闊なことに、それまで本書の存在そのものを知りませんでした。
2009年に初版発行された本です。
著者は参議から福島県知事に転じ、県発注のダム工事を巡る汚職事件で知事を辞職、その後、有罪判決を受けました。
検察の取り調べを受ける場面が、本書の白眉でしょう。
硬軟織り交ぜて時に厳しく、時に懐柔して自白を迫る検察の手管には恐ろしさを覚えました。
これだけ執拗に過酷な取り調べが続けば、どれだけタフな人でも音を上げるというもの。
実際、この事件で検察の取り調べを受けた関係者は、心身がぼろぼろになって虚偽の自白に追い込まれ、自殺を図る人まで出てきます。
著者も、何より大切にしてきた支援者を次々としょっ引くと脅され、次第に追い詰められていきます。
このあたりの描写はさすがに緊迫感に満ちており、固唾を飲んで読みました。
「あなたが了解すれば、全体がきれいに決着していくよ」と、著者の取り調べを担当した山上検事は実に巧みに誘導していきます。
著者は独房でノートに「山上君はいい検事だ」と記しました。
検事の描いた犯罪の絵はあちこちに綻びが露呈しているにも関わらず、裁判所は被告に厳しい判決を下しました。
日本では、起訴されると99%は有罪となります。
検察ににらまれたら終わりだということでしょう。
著者はたしかに、国家にとって「好ましからざる人物」でした。
原発を推進する東電や経産省、原子力安全・保安院に立ち向かい、道州制などに関して政府と真っ向から対立しました。
その力の源泉が、田中角栄さえも認めたほど、自ら地道に選挙区を回って作った強固な支持基盤です。
ただ、汚職事件で足元をすくわれました。
著者の弟の取り調べを担当した検事が、いみじくもこう言ったそうです。
「知事(著者のこと)は日本にとってよろしくない。いずれは抹殺する」
国家権力の恐ろしさの一端をまざまざと見せつけられるような言葉です。
個人的には、前に勤めた会社で小泉改革をウォッチしながら記事を書いてきただけに、いわゆる「三位一体改革」を巡る国と知事会の攻防を大変興味深く読みました。
当時、「改革派知事」と呼ばれた知事たちが、いかに腰抜けであったかも分かります。
いや、大変に得るものの多い読書でした。

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2016年10月08日

Posted by ブクログ

国の原子力政策に疑問を投げかけ続けた知事が官僚に抹殺される様子が克明に描かれている本。陰謀ってこうやって作られていくんだなって読んでいて少し怖くなった。
それにしても知事は文章がうまいなぁ。

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2015年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半、知事時代の業績の自慢タラタラでかなりウンザリさせられるが、それもこれも「抹殺」された人間の言葉と思うと重みが違う。

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2014年02月01日

Posted by ブクログ

特捜の操作の実体がよくわかる。

「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」
のM検事の一言、恐ろしい。

原発や地方自治の問題で官僚と戦った知事が書いた本。

ダム工事汚職事件で知事を辞職したが、この本が真実ならば、タッチしていない。

原発事故以来、この国の上層部の隠蔽には驚いたが、国策にはむかう人間は話を作ってでも捉え、ズタズタにされてしまうのだなと、恐ろしくなった。

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2012年04月05日

Posted by ブクログ

汚職の罪に問われた元福島県知事の手記。

自分の地方格差についての感覚が鈍すぎることに驚いた。
今私が使っているパソコンと暖房を動かす電気はこんな理不尽の上に成り立っている。

原発推進も捜査の過程も事実よりイデオロギーを優先させる。
そりゃ原発事故も冤罪も起こるべくして起こるわけだ。
カーナビを信じて池に突っ込むようなやりかたは、残念ながらいたるところで見かける。

それにしても自殺者を出すような取調べって特別公務員暴行陵虐罪あたりで問えないもんなのか?怖すぎる。
これはもう「汚職」じゃなくて「政治犯」の扱い。

これだけ賢くて度胸も経験もある著者でさえ「自白」に追いやられるのなら、普通の人なら病み放題だ。対人能力が低くて頭の鈍いチキンにいたっては想像もしたくない。
新聞の見出しだけ読んで、玄人用語では「実質無罪」らしい量刑を「有罪」と信じるであろう自分も怖い。

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2012年09月26日

Posted by ブクログ

佐藤栄佐久『福島原発の真実』(2011)、
『知事抹殺ーつくられた福島県汚職事件』(2009)を読む。
前著は3.11以後、後著は3.11以前の出版である。

佐藤元福島県知事の事件は奇妙である。
佐藤は第5期18年目の2006年に
県発注のダム工事をめぐる汚職事件で司法の追及を受ける。
県政を混乱させた責任を取り自ら辞職。
しかし、その後二審判決で
収賄金ゼロと認定されながら有罪判決を受けている。

佐藤は県民の圧倒的支持を背景に
国の原子力行政、道州制導入などに
是々非々の議論を仕掛けてきた。
決して原発断固反対の立場ではなかったが、
国と東電による不透明な行政、運営に警句を発してきた。
そして検察により逮捕、一審二審での有罪判決である。
この関連をどう考えるか。

検察官の定義はこうである。

   刑事事件に際し、公益の代表として被害者に代わって
   被疑者を裁判所に訴え、裁判の執行を監督する。

   (文英堂刊『理解しやすい政治・経済』(p.81)より引用)

「公益の代表」というのが曲者である。
どうとでも解釈することができるからだ。
確かに検察庁が過去の日本の歴史において
政治家、大企業経営者などの巨悪を暴き
裁いてきた功績があるのは事実である。
他方において「公益の代表」である立場を自己拡大し、
権限を乱用する事件が、例えば昨年の村木厚子裁判で起きた。

最高裁判所長官は内閣の指名であり、
同じく裁判官は内閣の任命である。
したがって内閣の意図が
もし「公益の代表」とイコールであると仮定するなら
最高裁が佐藤栄佐久に対する二審判決をくつがえす可能性は低い。
原子力行政にせよ、議論は残るが道州制導入にせよ、
国が推進しようとしている政策であるからだ。

社会正義とはなにか。
そして現在の日本の司法制度の持つ欠陥はなにか。
国家と個人の関係は現代においてどうであるか。
佐藤の二冊の著書を読み、深く考えさせられることになった。

(文中敬称略)

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2012年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

闘う知事で名をはせた前福島県知事の佐藤栄佐久氏の県政の中での原子力行政、地方分権、検察問題(国策捜査)等について深く書かれています。

私は福島に暮らしていた頃から、佐藤前知事を支持しており、この事件を知った当時は非常にショックだった。
その後、上京してからこの問題の事はすっかり記憶の片隅に追いやられていました。

今回、3.11の震災、そして、原子力発電所の事故をみて、原子力行政で国と闘い。それ故に、国策捜査で抹殺された佐藤前知事の事を思い出した。
そこで、知事抹殺を読んでみた。

この本を読んでの率直な感想は、腐りきったこの国の官僚制度に対する怒りである。
そして、3.11の原発問題から見えた原発行政の杜撰さを裏付ける証言が数多く書かれている。
日本国民としてこの本は一度読んでおく必要のある必読の書といっても良い。

この本を読んで思った事は、優秀な人間は、官僚になろうなど思わず、こんな腐った国に残って欲しくないということだった。
自分は残念ながら何度か国外に出ようとしたが挫折し日本に暮らしている。
しかし、真に優秀な人間は、官僚制度とは徹底的に闘って欲しい。(民主党の様なポーズでは無く。。。)

ちなみに、本書の中では、佐藤前知事は1審判決で懲役3年、執行猶予5年だったが、その後、2審判決で懲役2年、執行猶予4年となっている。
また、1審では7千万円程の収賄となっていたが、2審では収賄の金額は立証出来ず0円収賄の有罪判決と言うあり得ない判決がある。
この事実を見ても佐藤前知事は無実の罪で殺されたのである。
そして、日本の国土は、杜撰な行政で支配されていると感じた。

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2011年09月23日

Posted by ブクログ

ここにも検察によって身分を滅ばされた人がいる
あらかじめストーリーを定め、後はブルドーザーの如く押し進める。
特捜部はやだ。

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2011年09月09日

Posted by ブクログ

震災による原発事故で、この本に関心を持った。
前半の原発や地方自治での国等との戦いのあたりは、本人だから自分に都合よく書いてるところもあるだろうなと思いつつ、何しろこの人が懸念したとおりに原発がああなっちゃってるわけだから、非常に説得力があるが、後半の汚職事件のくだりは不透明なもやもや感が漂う。
あ、書いているのが本当なら(本当というのは十分ありだと思う)、何の罪で自分が逮捕されるのかもわからない状況で、著者の主観的に、全容が見えていないための不透明さもあるわけだが、結局、著者自身は知らなかったにせよ、著者の弟は知事の身内であることをいいことに汚いこともしていたようだし、著者が「まじめな人間だと思っていたし、仕事ぶりを評価もしていた」土木部長に至っては本当に収賄していたようだし、それに気づかず、気づこうともせず、クリーンなつもりでいたとは、あまりに脇が甘すぎる。
検察のヒドさも、著者の事件以降相当明らかになったわけだが、どうもこの件については、純然たるでっち上げによる国策捜査というわけではなく、事件自体はあって、その主プレイヤーが知事の弟や県の土木部長なのだから、知事が関わっていると検察が推測するのも当然と思われる(その後の取り調べ方の是非はともかく、というか、相当酷いやり方なのだが)。

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2011年08月01日

Posted by ブクログ

クリーンに公務をこなしていたとしても、国策に沿わないというだけで、こうも簡単に犯罪を創り上げられて、葬られてしまうとはやるせない内容。

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2011年06月11日

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もと福島県知事の佐藤栄佐久が収賄の容疑で有罪にされた事件を、自らの視点で振り返った本。結局こういったものは関係者本人にしか真実はわからないもの。でも最近の報道で検察の暴挙ぶりはうかがえるので、全く嘘ではないだろうな。どんなに無実でも逮捕だけはされたくないな。

この本を借りた目的は、311の震災から引き起こされた福島第一原子力発電所の事故を見ていて、いろいろな報道がある中、そもそも福島原発はどのように開発され、運営され、現在に至るのかをその背景を最も知っていると思われる福島県の知事の言葉で聞いてみたかったこと。

この本は前半は福島原発を巡る、東電、経済産業省(当時は通産省)、県の争いがほとんどを占め、それから全国知事会による地方分権の論議に割かれている。
後半は汚職事件が100%。

新しい発見はプルトニウムの意味合い。プルトニウムは原爆に簡単に流用できる為、原発の使用済み燃料であってもプルトニウムを日本国内においておくのは近隣諸国に防衛上緊張感を生じさせてしまう。その為、日本はプルトニウムを処理する為に高速増殖炉もんじゅを開発したが、運用の見込みさえ立たない。そこでプルサーマル計画がフランスの再処理ビジネスを絡めて強引に進められた。
これを強引に推し進めたい経済産業省をはじめとする完了と、それに強く結びついた東電は反対派から攻められることを恐れて、盲目的に事故を隠す隠蔽体質になってしまった。
そこを丁寧に攻めていく佐藤知事。それによって敵を作ってしまう。
原発は国内のエネルギー問題、環境問題、公害問題だけではなく、外交、安全問題もからむ複雑なものであることが良く理解できた。

ただ、それを踏まえても、原発の必要のない世界を一旦立ち止まって考えることは絶対的に必要なのではないかと思う。

改めて日本のマスコミ、政府、経済界含めて、以下に閉鎖的か、が良く分かる事例になった。

この本を読んでの意外な発見は地方分権に対する全国知事会の位置づけ。田中康男や東国原、石原ばかりが目立つが、地方分権に関する政府、議員、官僚の立ち位置は思った以上に強く、複雑であることが分かった。

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2011年06月09日

Posted by ブクログ

当事者本人の筆なので、客観性の欠如は否めない。特に著者
逮捕のきっかけとなった実弟の動きには謎の部分が多い。この
部分が明確になれば…ともどかしさを感じる。

それでも、検察の「まずは事件ありき」の姿勢には唖然とさせされる。
著者や関係者に対する東京地検特捜部による取り調べの様子は、
記憶にも新しい障害者郵便不正事件とあまりにも重なり過ぎる。

「知事は日本にとってよろしくない。いずれは抹殺する」

著者の実弟の取り調べを担当した検事の言葉だ。贈収賄事件は政治家
などの公的身分のある人間が関わっていなければ事件として成立しない。
水谷建設が絡んだ一連の事件のなかで、霞が関と喧嘩をして来た著者が
検察から格好の獲物にされたのではないか。

謂わば、パズルのピースを探していたのではないだろうか。

結局は有罪判決が出るのではあるが、東京高裁は賄賂額ゼロという
判断を下した。汚職事件では前代未聞ではないのか。

さて、検察の取り調べの模様や公判の過程よりも興味深いのが、知事
時代の著者の活動である。

特に福島原発及び東京電力への対応に関しては、現在の原発事故を
予言したようでもある。決して反原発ではなかった著者が、東京電力の
事故隠し・データ改ざんに憤り、不信感を深めていく様はまさに今の
避難地域住民の感情とシンクロするであろう。

鎌田慧『原発列島を行く』では電力会社が過疎地域を金の力で原発立地に
変えて行く様を知ったが、本書では電力会社及び原子力安全保安院の
いい加減さを改めて知った。

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2017年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前福島県知事の佐藤栄佐久氏の著書。原発事故が起きてから、注目が高まった本。佐藤氏は原発問題で東電や政府の方針と対立していたが、選挙では強かったようだ。しかし、県発注のダム工事をめぐる汚職事件で逮捕。第一審で有罪判決を受けている。その後、東京地検特捜部の信頼性も揺らいだこともあり、その意味でも注目されているのかもしれない。検事が東京拘置所の取調室で「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」といった言葉が本の題名になっている。原発の透明性の確保と県民を守る立場をとっていたが、中央政府からはいろいろな圧力があったようだ。逮捕に関してもその延長線にあるとの含みがある。一方で、権力が大きい知事が、身内のことなどで捜査に巻き込まれていく過程をみると、綻びを出さず運営していく難しさも理解できる。
大震災以降、東電や保安院の関係もよく報道されているが、数年前から指摘していた佐藤氏の見識が不幸にして先見性のあるものになってしまった。以下のようなくだりがある。2002年の話。―――福島第一原発では長年にわたり点検記録をごまかしていたが、検査記録の改ざんが内部告発された。経産省の保安院は、立ち入り検査して告発内容について検討すべきところを、よりによってその告発内容を、改ざん隠蔽の当事者である東京電力に照会し、調査は東電に任せていた。しかも、告発者の氏名などの資料も東電に渡していたので、原子力発電の現場では「経産省や保安院では危ない」と感じ、その後の内部告発は福島県庁に相次ぐことになった。また、佐藤氏は以下のようにも述べている。原発は巨大技術であり、その細部まではうかがい知ることは出来ない。ならば、何を信用すればいいのか。外部から見れば、「原発を動かす人、組織、そして仕組み」が信頼にたると思われるものであることが必要。これは、今回の事故で、多くの人が再認識したことだと思う。大震災で福島原発の事故が起こらなければ注目されなかった本だが、いろいろな示唆に富んでいると感じた。

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2011年04月10日

Posted by ブクログ

以前に読んだ「福島原発の真実」の元になったような著作。
実弟がからんだ収賄汚職の濡れ衣を着せられて、逮捕され、作り話を自供して保釈されて、裁判で闘うという話。
当事者なのだから、いろいろ弁明している。ただ、読者である自分から密と、この佐藤栄佐久氏の話を信じている。なぜかというと、この知事を失脚させたのは特捜部だからだ。今だったら特捜部の強引な捜査については、かなり知られており、この佐藤知事がはめられたことは、理解できる状況だから。しかし、この知事が特捜の罠にかかったころは、まだ特捜部の本質は世の中に理解されていなかった。
この佐藤栄佐久氏は、原発反対ということではなかったが、県民を守る立場から、原発に厳しい姿勢を示していた。これはほぼ周知のことだ。それによって、東電からは目の敵にされていたことも、その通りだろう。
この収賄事件裁判は一審は有罪、控訴したが、なにかおかしな判決で有罪。その後、最高裁へ控訴したのかどうかは定かではない。
ともかく、興味深い本だし、興味深い事件だ。

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2012年02月15日

Posted by ブクログ

この事件は気にはなってたけど、詳しくは知らなかった

この本は告発された側の記述であり、これだけで判断することは出来ないが、脇の甘さは感じるが、検察の無謀さは、あの別の事件でも問題になっているように真実味があり、説得性がある

今更こう云うことが現実にあると聞いて驚きはしないが、悲しい

こんなことばっかりやってるから日本がダメになってるんだなあと改めて感じました

著者ももう結構なお年ではあるので、今更復活はいいんじゃないかと思うけど、その考え方を受け継ぐ人が福島県だけでなく各地で出てきて欲しい
その意味では負けないでください、日本の未来のために!

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2011年12月10日

Posted by ブクログ

2年前の著述なのに、前半の原発政策のところが、正に今日本で問題となっていることを指摘していて驚く。国策捜査だったんだな。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

再刷されたので今読んでます。「うつくしまふくしま」、私も良いコピーだと常々思ってました。
読み終わりました。つくられた汚職事件。
ひとつ違和感があったのは、吉田松陰の話を出しているところ。松蔭先生のことは尊敬するとしても受け入れられない。全ての福島県人の心に寄り添っていたなら、ここの記述はなくても良かったと思います。

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2020年10月11日

Posted by ブクログ

小沢幹事長と検察との事があって、この本を読んでみました。いろいろと考えさせられました。学校で学んだ「推定無罪」が、現実の社会ではマスコミの報道等を見てもそうなってないなぁ というのに気づかされました。別の視点から物事を見るきっかけになります。

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2011年07月16日

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