今枝由郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代日本人にもわかりやすい言葉でブッダの教えについて書かれている。
わかりやすい言葉にすると、本質的なことに集中する、苦しみの原因を分析して根本から対処する、過度な苦行は有効ではないなど、想像していたより現実的というかビジネス書に書いてありそうな内容だと感じた(ビジネス書が仏教の影響を受けている)
現代の仏教はブッダの教えを誤って理解している。
人間は自分が一番大切→他の人も同じ→自分と同じように他の人のことも大切にする
死を避けることはできない→その事実をありのまま受け入れる
死や病などの苦しみ=第一の矢
第一の矢を受けて取り乱し悲しみ混迷すること=第二の矢
→第一の矢は避けられない -
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Posted by ブクログ
ブッダの考えの軸がよくわかる本。
ブッダは苦しみから解放された安定した幸福を得る方法を考えぬき、その答えを得た。
渇望や嫌悪を抱くことが苦しみの本質的な原因であり、それはさらに言うと「我」という不変の存在があるという誤解に根差しているとした。世界はすべてがつながり合う縁起のシステムになっており、あらゆるものが変化せずにはいられない無常のものであるということを理解することで、「我」という存在を意識することなく、渇望や執着から解き放たれ、真に持続的な安定と幸福を得られると説いた。
そして、物質的充実も敢えて忌避せずさりとて執着せず、家族や朋友の情も敢えて忌避せずさりとて執着せず、すべてに対して慈し -
Posted by ブクログ
仏教の歴史という題名通りの本。
元々の教えがどのように進化しつつ、世界に広まっていく中でどう変化していったかという話しで、各章ごとのトピックで1冊の本になるような話しをまとめていくわけだから、当然、かなりざっくりとした話しになっている。
が、それでも全体を俯瞰するということはとても大切なことで、なかなか「仏教国」の日本では、こういう視点で本を書くことはできないだろうなと思った。
という視点があって、初めて日本における仏教とはなんだろうという問いを考え始めることができる気がした。
そういう意味で素晴らしい入門書。
でもやっぱ大雑把な感じは残る。これを入門とすると、もう一冊、ここから中級 -
Posted by ブクログ
最近のマイブームは仏教。といっても、〇〇宗とかではなく、ブッダが語った原始仏教です。オリジナルなブッダの考えには宗教色はなく、ほとんど哲学に近いと言えるのではないでしょうか(その後、宗教色を伴って日本に入ってきた)。思うようにならない「苦」を軸に書かれることが多いと思いますが、本書はどう幸せになるかを書いた本。また、一番記述の長い第3章ではブッダの生涯も語られ、岩波新書にしてはとても平易で入門編としてもお薦めと思いました。
著者はブータン在住で、ブータンの事情についても触れています。虎(中国)と象(インド)にはさまれた蚊のような国であり、常に危機感をもちながらも尊敬される国である点は、米 -