平山賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
インフレを抑制するために初めて徴税というものが行われる。だから税金は財源ではなく、先に国が発行した貨幣の調整機能なんだ。MMT理論に基づき消費税減税を訴える、ある党派の主張だ。
「税は財源ではない」というのは理論的に一理あるが、現実的に「国債市場の存在」と「国家信用の仕組み」がその反証となる。財源でなければ、国債市場も、財政規律も、必要ない。しかし現実はそうなっていない。MMT的に税収を無視して通貨発行し続ければ、ジンバブエやベネズエラになる。
MMTはエッセンスとして理解し、範囲を決めて通貨発行すべき。これを一点突破に勘違いさせる所に、その教祖、伝道者、信者たちの認知水準範囲のエコーチェ -
Posted by ブクログ
宗教政治的な観点から金利は嫌われてきたというのはなるほど
資本主義、経済が世界共通以降の日が浅く語れるほどには安定していないらしいが、有史以来の概観をつかめた
過去は低金利でも2%ラインで度々反発したり、低金利から急激な高金利に変化することから、異常な日本でも今後の高金利ルートは全然あると
(過去オランダは下の要素から低金利の歴史があり、現在の日本と共通点多い
・国民として倹約を好む
・通商による膨大な利益
・当時の永久債や預貯金文化による政府側の調達が容易な仕組みが存在)
インフレとか金利up要素とか銀行の需要しかないように見えるなぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ現在の政治・金融情勢が100年前と酷似している今、過去の歴史から何を考えるべきか?と思い、本書を手に取りました
本書は典型的な研究書なので、全部読むのはかなりハードル高く感じます。よって、各章の小括と興味のある節を読む感じでいきました。
結果、本書では将来を見通したミクロ的、マクロ的な手法・考えの具体的な提言はありませんでした。
本書から得た最大の学びは、物価&経済変動が反映される資産利回りを無理やり抑え込むと、将来的にインフレが一気に進んだという歴史的な事実である。
しかし昔と今で違うとこは、100年前は金本位制の国が多数だあったこと。日本では資産が海外へ逃げることを防止する法律があったこ -
Posted by ブクログ
昭和初期から戦時期にかけての日本では、政府・中央銀行による金融市場の「統制の時代」とも呼べる時期が存在した。本書は、現代のイールドカーブコントロールを中心とした金融政策に同種の統制的な臭いを嗅ぎ取った著者が、現在入手可能な当時の国債・株式市場に関する原データに、当時に特有の規制・制度に応じた修正を加え、定量的なパフォーマンス評価を試みようとするもの。冒頭マーク・トウェインの有名なアフォリズム「歴史は繰り返さないが韻を踏む」が引かれていることからも自明なように、そこで意図されているのは現下の金融政策の帰結を過去の事例から類推することだ。
まず著者は国債市場について、同一発行体であるにも関わら -
Posted by ブクログ
実質経済成長率=人口増加率+一人当たり経済成長率。世界の人口増加率と経済の成長率には正比例の関係性を見出すことができる。世界の人口増加率のピークは1968年の2.1%。今から40年以上前に既に人口増加率は低下に転じている。人口増加率の向上が期待できなければ一人当たり経済成長率をあげるしか実質経済成長率の上昇は見込めない。これまで投資家たちは次世代のためにという利他の目線と行動でイノベーションを後押ししてきているという事実に着目し、本書ではこれらの産業に光を当て考察を施している。次世代のためのイノベーションが進展する可能性が高い産業として「成熟社会」「エネルギー・資源確保」「食品・水のサプライチ