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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在の物価は適正なのか。これから下がるのか上がるのか。シンプルな問いであっても答えることが難しい物価について、有史以来の変遷を見つめ、その実態と展望を読み解く。
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Posted by ブクログ
インフレを抑制するために初めて徴税というものが行われる。だから税金は財源ではなく、先に国が発行した貨幣の調整機能なんだ。MMT理論に基づき消費税減税を訴える、ある党派の主張だ。 「税は財源ではない」というのは理論的に一理あるが、現実的に「国債市場の存在」と「国家信用の仕組み」がその反証となる。財源...続きを読むでなければ、国債市場も、財政規律も、必要ない。しかし現実はそうなっていない。MMT的に税収を無視して通貨発行し続ければ、ジンバブエやベネズエラになる。 MMTはエッセンスとして理解し、範囲を決めて通貨発行すべき。これを一点突破に勘違いさせる所に、その教祖、伝道者、信者たちの認知水準範囲のエコーチェンバー的な怖さがある。 本書で物価の歴史を学べば、その機微が徐々に分かってくる。素晴らしい、良書だ。 物より通貨が多ければ物価は上がる。通貨を発行すれば物価は上がり、減税によって需要が高まれば、さらに物価上昇が進む。賃金がそれに追いつかなければ、税というかたちでの負担が、物価というかたちに置き換わるだけで、国民の負担感は変わらない。財政支出が維持される限り、公共サービスや消費財の価格も上がり、それは税ではなく「対価」として国民に転嫁される。見かけ上の減税は、別のかたちの徴収に変わるだけである。 政府が通貨を発行できても、その価値を決めるのは民間であり、市場である。市場が「価値ある」と認める条件は、政府の財政規律と徴税能力に他ならない。 ー 内部貨幣は、個人や企業による貨幣需要によって決定されるのに対して、現代の外部貨幣は、それらの需要者の外で中央銀行により供給されるマネタリー・ベースに着目していると考えてよいだろ。現代の内部貨幣は、金融機関が借り手の資金無要に応じて、借り手の口座に記入する形で創造する預金に着目しているのである。この内部貨幣の淵源は、「商取引による資産の移転を住民の間の債権・債務として処理する」用取引であった。秩序が保たれた共同体では、資金の受渡しを繰り延べる用取引を活用し、外部貨幣の使用機会を節約できたのである。あえて、この段階でカネとは何かという2つの側面を整理したのは、兌換紙幣に至る経緯は外部貨幣という枠組みで理解しやすいものの、不換紙幣への転換や銀行システム、さらにカネの未来を見晴らす上では、内部貨幣という枠組みも並走させる必要があると考えたからである。カネといっても、紙幣(銀行券)や金属貨幣(コイン)だけではなく、信用に基づく債権債務関係も含まれている点は、頭の片隅に置いておきたい。 ー まず小麦や牛といった商品貨幣の中では、より便利な決済手段である銀など(金属貨幣)が使用されるケースが増え、科量貨幣だけではなく、鋳造技術の発展により鋳造貨幣が使用されるようになった。その後、経済成長率の上昇に応じて取引量が増大して決済頻度も高まったため、量的な制約があった鋳造貨幣は、その金属含有量を減少させる貨幣改鋳が度々実施されるようになった。また16世紀の欧州の場合には、米大陸から大量の銀が流入したため、金属貨幣の量が急増し、この貨幣不足が一時的に解消された。この過程で大量の貨幣が経済社会に外部から供給されれば、希少性の観点からも財やサービスの価格が上昇するという関係が指摘されるようになった。これは、他の条件が変わらない長期では、「貨幣量が価格を決定する」という貨幣数量説についての議論である。この仮説が正しければ、物価は外部から供給される貨幣の量で決定されることになる。しかし、データの得られる13世紀以降のイングランドを中心とした物価の動向から確認する限り、一時的な影響はあったものの必ずしもこの長期での関係は成立していなかった。その後、印刷技術が発展すると、金属を節約する効果がある兌換紙幣も広範に使用されるようになる。戦乱や混乱期には、戦費調達のために金や銀との兌換義務のない不換紙幣が大量に発行された(アッシニア紙幣やグリーンバックなど)。このケースは、物価上昇と連動したため、極端な不換紙幣が大量に発行されれば、一時的に物価に影響したと言えよう。貨幣の供給量が急増した場合に物価が上昇するという貨幣数量説は、不換紙幣による極端なケースで一時的に発生したケースが多いのである。 現代貨幣理論は誤りだと思わないが、貨幣数量説も誤っていない。ただ、都合よく理論を用いるのは危険だ。政策判断も投票行動も歪む。
2025.03.17 とても勉強になる一冊。 物の見方に偏りがなく、物価の歴史とはいってもわからないというか蓄積のない要素が多々あることも丁寧に教えてくれる。 しみじみと良さを感じる一冊。
限られたリサーチデータの中で、物価と歴史というテーマを取り上げる以上、骨々とした解説に陥りがちな感もある。 テーマとしては面白いが広げ方が難しいやもしれない。金利の歴史という類著にもそこまで手を伸ばさなくてもいいかと思ってしまう。
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