荷見明子のレビュー一覧

  • 邪悪なる大蛇

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    設定が面白いですし、展開がスピーディーであっという間に読んでしまいました!
    よくよく考えてみると誰1人応援したくなる登場人物がいないのに、なぜだか惹き込まれる不思議な感覚。 でも、読んでいる最中は、次から次に誰かを応援したくなるのはこの作者の見事なところかなと。
    少し古い設定に感じるのは書かれた時代によるものですし、荒唐無稽な点も含めて味だと思います。

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    2025年01月25日
  • 邪悪なる大蛇

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    面白かった〜
    まさかこんなラストだなんて。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。

    そして何より、読みやすいのが嬉しい。
    海外ミステリーって、初心者の私にはちょっとハードル高めだったりするの。
    でもこれは全く問題なし!

    ブク友さん達のレビューから、絶対に読みたかった一冊。
    もちろん私はピエール・ルメートル作品初読みです。



    63歳の殺し屋マティルドは、体重78kgで厚化粧www
    そして、認知症…

    その症状に気付いたのは、マティルドに殺しを依頼しているアンリ、70歳。
    二人は旧知の仲だ。
    マティルドの暴走をなんとか止めようとするが…

    作中何度も〝太った高齢女性〟の描写が出てくるが

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    2025年01月17日
  • 邪悪なる大蛇

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    絶望感と理不尽がスピーディに繰り広げられます

    認知症の殺し屋という設定の段階でもう優勝決定ですよね

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    2024年12月31日
  • 邪悪なる大蛇

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    おもしろかった‼︎
    主人公と同世代の私…思い当たること続々。
    やったこと次々忘れる、前のことが思い出せない、まあいいか、と次へいく。
    私の忘れるのは洗濯機に洗剤入れたかな?とか、炊いたご飯冷凍したかな?とか、かわいいものだけど、主人公は殺人の武器を始末したかな?とか、死体を処理したかな?とかなので、恐ろしい!
    笑えるし、身震いするほど恐ろしい。さらに別の認知症患者が絡んできて、予測不能、まさに奇想天外な方向へと終盤なだれこむ。
    私のような高齢読者には思い当たるところありありだし、若い人は若い人で、えっ?こうなるの?と驚きの連続だと思うし、唯一無二のここにしかないルメートルワールドです‼︎

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    2024年12月26日
  • 邪悪なる大蛇

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    63歳の現役凄腕の殺し屋マティルドに少しずつ認知症の兆しが見え始める。
    覚えていないことが増え、殺しも必要以上に過激になっていく。
    彼女に殺しを依頼しているアンリは危機感を抱くのだが、マティルドはかつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく。

    最初から最後までマティルドから目が離せない。
    残酷すぎる殺しも躊躇わずに成し遂げるのは、やはり凄腕だからなのか…
    冷酷さと殺しの技術を兼ね備えた彼女に誰も敵わないのか…
    刑事すらものともせず、この暴走を止められる者はいるのか…と。

    いた…死を恐れていない人間が、死の意味がわからない人間がいた。

    ラストの惨劇は衝撃的であり喜劇ですらあった

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    2024年12月10日
  • 邪悪なる大蛇

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    主人公のマティルドは63歳の未亡人で田舎で犬と悠々自適な生活を送っている。
    職業は殺し屋。
    若い頃はレジスタンスの美貌の闘士で、当時の司令官アンリから指示を受ける形で殺しを請け負っている。
    そんな彼女に認知症の症状が現れ、殺し方が不必要に残虐になったり、ターゲットを勘違いしたり、組織との連絡方法や銃の処理を忘れたりと、任務に支障が出始めた。
    マティルドを昔から密かに慕っていたアンリはそんな彼女の異常に気づき手を打とうとする…


    歳をとってボケ始めた暗殺者のおばあちゃんというとコミカルな雰囲気だけど、思い込みが激しく感情も制御できず、生来の残虐さをあらわに暴走する凄腕の殺し屋ってところが怖すぎ

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    2024年10月12日
  • 邪悪なる大蛇

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    ネタバレ

    いろんな目線で話が進んでいき、テンポも良いのであっという間に読んでしまった。感情移入したところで主要人物があっさりと死んでいくのもルメートルらしく面白い。最後どうなるのかと思ったらスッキリ、といったラスト。認知症の殺し屋が認知症の老人に制されるといった発想も面白い。

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    2024年10月08日
  • 邪悪なる大蛇

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    六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
    部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼

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    2024年09月15日
  • 邪悪なる大蛇

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    ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
    ピエール·ルメートルは、やっぱりスゴい。11打数11本全てホームラン。
    彼にとって最後のミステリ作品と言っても、感慨に浸っている隙さえ与えないハイスピードな展開。

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    2024年09月05日
  • 邪悪なる大蛇

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    ★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇

    ■あらすじ
    63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうの

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    2024年08月24日
  • 邪悪なる大蛇

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    「僕が死んだあの森」で、筆を折ったと言われていたルメートルが、最後のミステリーとして出版した「邪悪なる大蛇」。ルメートルファンにとっては、涙が出るほどに嬉しいサプライズ!!

    「現実の人生では理不尽なことが次々と起こるのに、なぜ小説家は手加減しなければならない?」と言うルメートル。そんな手加減なぞ俺様がするわけがない、とばかりに、この作品はカバーにあるとおり「アタマからラストまで、ひたすら加速する最悪と最速のスパイラル」だ。酸鼻の極みのルメートルミステリーでありながら、彼らしい喜劇性も含まれる。

    あー、これで本当にルメートルミステリーとはお別れなのだな。たまらなく寂しい。

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    2024年08月15日
  • ゴールドマン家の悲劇 下

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    著者の二作目をずっと待っていた。前作『ハリー・クバート事件』の面白さが忘れられなかった。待ってた甲斐があった今作。誰もが憧れるような伯父の電話から事態は始まり時間が前後しながら進む。裕福な伯父一家に羨望と嫉妬を覚えるマーカス。伯父の家族のヒレルとウッディ。三人の固い結びつきとアレクサンドラという女性の存在。青春小説の要素がとても鮮やかで、その輝きが増せば増すほどミステリー色が後半につれて強くなって様々な事件や悲劇を起こす。それぞれが守りたいものとすれ違いや誤解。過去にあった本当のこと。それを受け止めることの絶望感。たくさんの感情に揺さぶられっぱなしで結末まであっという間。多くの人に読んでもらい

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    2022年04月03日
  • 邪悪なる大蛇

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    海外作品は、人物の名前が頭に入ってこなくて、少し苦手。でも、この作品は読みやすい。(そういえば、この作家の「その女アレックス」もよかったな)
    話は、認知症が進む凄腕の殺し屋が、次から次へと人を殺して行く。その理由が理不尽で面白い。ラストも予想外で、海外作品で久々のヒット作です。

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    2025年06月06日
  • ゴールドマン家の悲劇 下

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    回想が長くて思いっきり引っ張りまくって最後まで読まないと悲劇の真相に辿りつかないというw
    好みは分かれそうですが私は面白かったです。こういう一族の年代記っぽいの、『心臓を貫かれて』とか『赤朽葉家の伝説』とか好きなんで。
    みんなどこかで軌道修正出来たはずなのに毎回ダメな方の選択肢を選び続けて崩壊へまっしぐらって感じです。
    アレクサンドラはいわゆる天然のサークルクラッシャーみたいなものかw
    とりあえずアニタとコリーンが一番不憫。
    最後はまあ落ち着くとこに落ち着いたってことで良い終わり方だったと思います。

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    2025年03月04日
  • 邪悪なる大蛇

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    海外ミステリーは登場人物の名前を覚えるのに時間がかかる。
    ルネとかアンリとか
    何回頭の中で男性と言い聞かせても
    女性だと思い込んでるからちんぷんかんぷんになる。

    この物語は動物が何匹も犠牲になる。
    人間はいいけど
    無垢な動物が殺されるのは嫌だな。と嫌な気持ちになった。

    あと40年の前の話だから
    公衆電話とか防犯カメラとかなしとか
    今では有り得なくて
    あと、63歳は老婆だったんだろうね。昔は…
    40年前と今では10歳くらい若返ってるのかな?
    それともフランスでは今でも63は老婆なのか?

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    2025年02月07日
  • 邪悪なる大蛇

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    初期に書かれた作品ということも
    あるかもしれないが、
    後刊されたものより
    あっという間の読書期間だった。

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    2025年01月20日
  • 邪悪なる大蛇

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    えーっ!読み終わって絶叫してしまった。序文によれば今作は1番始めに書いた作品らしい。それが最後に出すなんて。
    主人公は老いた殺し屋のマティルド。ミステリーでもなくマティルドがひたすら殺人を犯すストーリー。読んでて楽しかったが私は、以前のアレックスやイレーヌの様な作品を読みたい。

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    2024年10月30日
  • 邪悪なる大蛇

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    これが最後のルメートルのミステリーか、と思うと寂しい。その女アレックスや、悲しみのイレーヌで出てきたパワー系女性の最たるや、という感じの65歳の女性が主役。狂気ってこういうことなのかと感じる。文章に深く入りすぎるとマティルドの歪んだ思考に取りつかれそう。
    マティルドの過去?背景?をもう少し深掘りして欲しかったような、わからないからなお怖いという余韻も良いような。このおばさまに遭遇したら生きてられない。

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    2024年10月29日
  • 邪悪なる大蛇

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    まるで楽しむかのようにグロの限りを尽くしてきたマチルド、最後はついにやったな、という印象。読みやすかったけれどテンポ軽すぎで、これが最後のミステリかと思うと、ちょっと残念。

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    2024年10月12日
  • 邪悪なる大蛇

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    ピエール・ルメートルは「その女アレックス」以来で
    どんなスタイルの作家だったか忘れてしまっていたんだけど、まあ〜おもしろかった!
    ラストは痛快すぎて、声を出して笑ってしまったほど。
    ありゃ、こんなこと書いたら不謹慎で物騒な人間だと思われるかも?
    何せ全編通して残虐で残酷。だけど根底にはユーモアが漂っている。

    認知症を発症した63歳の女殺し屋という設定が
    最初は無茶過ぎない?と思ったけど、
    その心配はいらなかった。
    前に読んだ本のテーマがバイアスだったのだけど、
    今回もまさしくそれと同じ。
    老人だから何もわかってない、何も出来やしないだろうという偏見を、鼻で笑うかのごとく危機をかいくぐっていく

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    2024年10月10日