谷口長世のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新聞記者からジャーナリストに転じた筆者が、世界の軍事状況をサイバー空間をメインに説明している。筆者はフリーのジャーナリストなんだろうか。各国の要人や、現場でのかなり中枢の部分にも取材源があるようだ。
冷戦時代と違って「多極化」と言われる現代において、「どこか特定の国や組織の陰謀が全てを牛耳っている」ような単純な図式があり得ないことが読み取れる。
情報や技術の進歩によって汎用化され、超大国でなくても軍事面・地政学的なリスクとなり得るようになった結果、各国、ひいては各々の企業、団体レベルでの思惑が絡み合い、それぞれの目先の利益のための行動が「誰にも止められれない」状況を作り出して収拾がつかなく -
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サイバー時代の戦争
かなり具体的に世界のサイバー事情の内容が記述されており筆者の谷口長世氏の長年の努力が感じられる。1991年にソ連が崩壊したのち新たな第五の空間であるサイバー世界がヘゲモニーをとるための条件になった。しかし、サイバーの奥深さ、制御できない一面がサイバー世界を混沌とさせている。しかし、毒は毒で制すというようにネットはネットで制す必要があることを述べており、そのためにはどのようにネットと向き合えばいいのかというのが書かれている。
時折筆者が入れてくる情景描写が緊張した場面を和らげ重々しい内容にもかかわらず読みやすかった。
この本を読んでよかったと思うのは混沌としたサイバー世界を少し理解することがで -
Posted by ブクログ
タイトルがよくない。
サイバーとかレトロフューチャーな言葉出しちゃってまぁ。
でも、内容はしっかりしている。
著者がしっかり取材をして影を追っているというのがよく分かる。
だが、ここには主体が見えない。
この本が描こうとしたのは、技術的な問題ではない。
この状況における主体性の希薄さだと思われる。
クラウド的な主体がアメリカから湧き上がっている。
気がつけば雲が上を漂っている。
おそらくそれ自体を避けることはできない。
雲はどのようにしても影を落とすだろう。
直接対峙するというのではなく、態度を示すことが
唯一有効な方法であるように思う。
主体性を明け渡さないという態度を。 -
Posted by ブクログ
サイバー戦争は21世紀で最も警戒すべき分野だと思っていたが、本書でいろいろな示唆を得られた。ネットを使って多国籍軍部隊を統合的に処理できるシステムが創られているが、実は今はすでにそれを凌駕するシステムができているのではないか、という可能性には恐れ入った。
・1982年6月、シベリアでパイプラインが大爆発したが、2004年3月のニューヨークタイムズは、それがCIAの仕業であるとリークした。
・2011年暮れ、イランはアメリカの無人偵察機センチネルを、GPSを利用して拿捕したが、実はその背後にはロシアがいそう。
・アメリカにある新唐人電視台という独立系テレビ局がある。中国人が対中国政府内容を放送し