ドット・ハチソンのレビュー一覧

  • 蝶のいた庭

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    正しく狂気で素晴らしかった。幻想的な光景を作り出しながら人間の狂気と醜悪さを露出してくるマジで変態を描いた作品。

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    2025年04月25日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    ローズ・マコーリー『その他もろもろ ーある予言譚ー』と並ぶくらいの傑作、今年ベストだった。

    凄惨でありながら美しすぎる〈ガーデン〉の幻想描写から、現実への怒涛の着地を描く最終章が、力強く未来に目を向けさせる強烈な癒しになっていた。

    〈ガーデン〉の3人の男性の望む「愛」は嗜好品的で一方的で、対照的なのがマヤがラストで見つけるソフィアとの血のかよった関係性だった。
    それらが鮮やかなコントラストで描かれていたのがとても素晴らしかった。

    マヤの家族観の変化をじっくり冒頭から追うために、また読み返したい。

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    2023年12月21日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    はしばみ色の瞳

    じわじわ怖い不気味可愛い儚い

    径〈みち〉
    デズモンドの愛がEggs'n Thingsのホイップクリームみたいで笑える。アメリカのブラウニーみたいな愛じゃなきゃイヤ。

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    2023年06月11日
  • 蝶のいた庭

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    ミステリ。サイコサスペンス。
    一冊のほとんどが事情聴取という構成。
    残酷で幻想的で耽美。
    正直、"庭師"の長男以外の全ての主要登場人物に感情移入できてしまう。
    正義とは何なのか、ずっと考えさせられた。
    サイコな感じの作品が好きな自分としては、かなりの高評価。

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    2021年12月30日
  • 蝶のいた庭

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    この本に送る私からの最大の賛辞は、
    「超絶胸糞悪かったけど読み切ってしまった」
    である

    ああよくもまあこんなに微妙に異なるイカれた連中を描き分けられたものだなぁと感心しつつ、
    胸糞悪すぎて途中で本を閉じること数回。

    それでも、読み切ってしまったのは、
    FBIに取り調べを受けてる「マヤ」と呼ばれる謎の少女の語りに引き込まれてしまったからだ。

    どこか飄々としていて掴みどころのないマヤ。
    でも、彼女には、絶望の淵を覗き込んでなおしたたかな強さと他の者を勇気づける生命力が備わっている。

    マヤの存在が、この暗く深い絶望の物語のひとすじの清涼剤となって、読み進めてしまうこと間違いなしだ。

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    2024年01月04日
  • 蝶のいた庭

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    数年前の「このミス」にランクインしていた本。
    グロテスクでおぞましく、でも美しい「箱庭」で暮らす蝶……少女たちの話。

    時系列を前後しつつ、少しずつ明らかになっていく真相にぞっとします。
    事情聴取を受けている女性が、またしたたかで美しく、素敵。ほかの少女たちもそれぞれ美しさや強さ、弱さを持っていて可愛らしい。
    グロテスクで残酷、そしておぞましい話ながら、文章や情景は耽美で綺麗です。
    だからこそ、「庭師」の歪さや恐ろしさが際立つのだとも言えますが。

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    2022年06月21日
  • 蝶のいた庭

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    耽美で、とてつもなく残酷な雰囲気の作品。
    でもご安心ください。
    この作品の猟奇的な部分は、文体によってかなり緩和されています。
    執拗に暴力要素を細かく書くこともありません。
    時に作者にそういう趣味があるのかと訝しむ作品もありますが、この小説の描写は必要最低限のものにとどまっています。
    それでも、女性たちに起きた信じられないような出来事は、確かに残酷だと感じさせる。
    酷い、おぞましい、その狂気が確かに感じられる作品です。


    すでに被害女性たちは救出されていて、なんだかわからないままに、リーダー格の女性を、FBIが取り調べをするという、なかなか斬新な形式が特徴です。
    リーダー格の女性、通称マヤが

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    2020年01月08日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    「おぞましくてグロテスクで美しい…」
    訳者の方の評どおりでした。
    研修中の移動やホテルでの時間潰しにと思ったのですが、時間つぶしどころかのめり込んてしまって困ったくらいでした。
    残酷なことが書かれてるんだけど、直接的な描写はないので気持ち悪さはあまりなかった。

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    2019年06月30日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    2018.8.20.「庭師」に監禁されていた少女たち。解放された女性たちが頼りにしていたマヤという女性。監禁された少女たちが背負わされた震撼させる恐ろしい仕打ち。マヤのくちから真実を引き出そうとするとFB I捜査官との攻防。怖いながら前を進まざるをえないという気持ちで読んだ。最後のちょっとしたオチが不自然に思えたので星一つマイナス。

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    2018年08月31日
  • 蝶のいた庭

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    ドット・ハチソン『蝶のいた庭』創元推理文庫。

    物語はFBI特別捜査官ヴィクターによる拉致監禁から10名以上の女性と共に救出されたマヤへの事情聴取から始まる。少しずつ明らかになるマヤたちを拉致監禁した犯人『庭師』と監禁場所『ガーデン』の実態とは……

    へどが出そうになる程のおぞましい物語なのだが、全体的には山も無ければ谷も無いといったストーリーが続き、最後にちょっとした驚愕の山場があり、静かな結末を迎える。直接的な表現は控えめで、徹底的に遠回しなオブラートに包まれた表現に踏み込みの甘さを感じた。

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    2018年07月30日
  • 蝶のいた庭

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    読むのを止められなかった…何があったのかどういうことかわからないまま彼女の話に耳を傾ける。もしかして、と想像しながら答え合わせをしていく感じ。
    面白かった、という感想が適してないように思えるほど苦しい内容ではあるけれど、惹きこまれた。
    彼女を迎えに来てくれる人がちゃんといて良かった。何度も出て来た彼女の過去でやっと全てがひとつの線になった。よかった、と心から思えた。

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    2018年05月16日
  • 蝶のいた庭

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    事件を追う特別捜査官のコンビ
    事件が終わって取り調べに応じている謎の女
    "庭師"と呼ばれる女性達を監禁する殺人鬼
    そしてその息子達
    取り調べ室の場面と、彼女の語る
    庭での監禁生活、事件が交互に差し込まれていく
    手法…大好物です。
    だんだんと狂っていく雰囲気とか
    取り調べをする刑事コンビのやりとりとか
    独特な空気を持つ作家さんです。
    海外ものが苦手な方でなければ必読

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    2018年01月23日
  • 蝶のいた庭

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    さらわれた少女たちが、協力しあって生きていく姿が切なかった。頭の良い主人公が、誘拐犯の息子がこれを知っていながら、行動を起こさないことに対し、「選択をしないことが選択なの。中立っていうのは事実じゃない。実際に中立で生きられる人間なんていないの」と言い放つ。中立というのは、確かに都合の良い言葉だし、自分を守る技術でしかないのかもしれない。見て見ぬふりをする罪、知りたくないことは、聞かない冷たさ、誰しも持っているものだが、それがどれだけの悪なのか、考えさせられた。

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    2025年08月09日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    ★3の下。

    いや~、鬼畜!

    サイコパス親父が少女を拉致る。
    拉致った少女の背中にお気に入りの蝶のタトゥーを彫る。
    でもって壁に囲まれた秘密の広大な温室施設「ガーデン」で飼い殺し。
    好きなときに好きなように弄ぶ。
    累計で何十人も。
    何十年か続いている。
    初期に拉致られて、殺されずに加害者に協力するようになった女看護士もいる。
    基本16歳くらいのキレイな少女をを狙う。
    いつまでも「ガーデン」に馴染めないと殺す。
    妊娠や病気になっても殺す。病院には行かせられない。
    21歳になったら殺す。サイコパス的な賞味期限。
    1人殺すと補充のために新しい子を拉致しに行く。
    常時20人くらいをキープする。
    殺し

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    2025年04月25日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    FBI捜査官のヴィクターが取調室で対峙しているのは、マヤと自称する10代後半とおぼしい少女。ある事件の被害者である彼女は、実は共犯者なのではないかという疑いをかけられていた。やがてマヤが語りだしたのは、〈庭師〉と呼ばれる男が創りだした理想の庭に集められ、彼の手で背中に刺青を彫られ、名前を剥奪され尊厳を踏みにじられ、〈蝶〉にされた少女たちの物語だった。おぞましい〈男の夢〉と、拉致された少女同士の絆を描いたサスペンス。


    耽美主義のシリアルキラーものとして読むと、〈ガーデン〉のアイデアやダミアン・ハーストじみた死体の保存法には既視感がよぎったが、マヤ=イナーラという独自の価値観を持つ語り手の設定

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    2022年03月15日
  • 蝶のいた庭

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    FBIの取調べ室。特別捜査官のヴィクターが対峙する一人の女性。彼女の呼び名はマヤ。マヤは何年も拉致監禁され、救出された10名以上の女性の中の一人。
    彼女たちは庭師と呼ばれる男によって拉致され、ガーデンと呼ばれる秘密の庭に「蝶」として監禁されていた。背中にそれぞれ蝶の翅のタトゥーをされて。
    一体ガーデンで何が行われていたのか?一体何人の女性が拉致されていたのか?そして、そこから逃げのびることができた理由は?
    全編ほぼ捜査官ヴィクターの取調べに答えるマヤの独白という形式で進む。
    「美しい世界でどんなおぞましい地獄があったのか…」といった感じの宣伝文句が付けられてますが、最近のサイコパス系の犯罪のフ

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    2019年11月19日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    このミス2019年第9位。
    軟禁された少女たちの軟禁した庭師との生活が、一人の軟禁女性から淡々と語られる。
    ちょっとエログロな作品であり、自分的にはあまり受け入れがたかった。
    最後のソフィアのエピソードはいるのか?
    ただ単にハッピーエンド?でよかったのでは。

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    2019年11月13日
  • 蝶のいた庭

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    庭師の全て自分の都合の良いように解釈する、自己欺瞞能力の高さが気持ち悪い。家族の名誉を少女達の命や人生より重んじたデズモンドも責められて然るべき。マヤは優しすぎる。親にネグレクトされ、やっと見つけた居場所から拉致されるという不運続きでありながら、自分を保ち続けたマヤの強さは何だろう。庭師はガーデンを失ったことと、妻に知られたことと、どちらをより強く悔やむのだろう。酷い目に遭っている時に、ポオの作品を暗誦するって、マヤはすごいな。

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    2019年02月24日
  • 蝶のいた庭

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    ネタバレ

    異様な設定と、大人すぎる語り口に終盤まで馴染めず苦戦しましたが、ラストは大団円。満足できました。読みにくいので一気読みはできませんでしたが。

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    2018年01月27日