月島冬二のレビュー一覧
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構想差し戻し…
開発プロジェクトには主に6つの段階がある。
1企画 2構想 3概念設計 4全体設計 5詳細設計 6全体試作/運用試験。
この内、5と6の間では「試験結果の反映」というフィードバック・ループが発生するし、各段階の下には調査、要素試作・試験が入る。
その各段階の仕上げに、デザイン・レヴュー(=DR)がある。
今巻では、そのDR4の直前に、メーカー側からDR2への差し戻し(再審査)の申し入れという事態が描かれている。
かなりの大ごとなのである。
国の予算でやっているプロジェクトとは云え、資金は無尽蔵ではない。構想設計段階での精査不足が原因だし、設計陣が複数社合同のジョイント・ベンチャーなの -
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助けを求める人
国家公務員でありながら無給で行う保護司という犯罪を犯した人の更生を手伝う仕事をしている女性と彼女がかかわるいろんな人との交流を描いた作品の第二巻。
今回佳代が保護した女性は恐喝および傷害の罪で2年服役していた斎藤みどりだ。
みどりは指定した時間に佳代の家にいかずにラーメン屋で食事をし美容院で髪を染めていた。
しかも代金が足りないのでかわりに佳代が出すハメに。
あっけらかんとしていて明るく、人を惹きつけるみどりが何故か海辺に座って本を読んでいる少女をほっとけずに関わったことから今巻は話が犯罪を犯したみどりだけでなく、その少女・中学二年生の堤亜美にもフォーカスして話が進んでいく。
みどり -
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更生を支えるひと
犯罪を犯した人が更生できるように生活を支援したりする「保護司」の仕事をしている女性と、彼女が関わる人たちの人生を描いた作品の第一巻。
主人公の阿川佳代(あがわかよ)はコンビニや新聞配りのバイトを掛け持ちしながら保護司の仕事をしている。
国家公務員である保護司だが報酬はなく、民間人の奉仕精神だけで行うボランティアである。
佳代は大学卒業後就職した所がブラック企業で就職して5年目で体を壊して入院してしまった。
大学時代の奨学金は返し終えたが、入院・治療費はまだ返し終えていないので掛け持ちをしている彼女がなぜか無給で保護司の仕事をしている。
そんな佳代の元に今回来たのは恋人の女性をレイプさ -
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開発物語は…
…開発主務者の回顧録をベースにしている物が多いせいか、明確なヒーローがいたりする場合が目につく。
だが、本来の開発作業は、数多の技術者・技能者の血便と血反吐と不眠の集積を伴う数え切れない「工夫」で出来ている。
上から命じられるからではない。たとえその技術者・技能者が「派遣」であっても、自分がどんな考え方で、何を作っているのか判った上で仕事をしているのなら、その小さな「工夫」のひとつひとつが、開発の上積みになって行くのだ。
派遣技術者時代、自分が経験した幾つかの開発プロジェクトのそれぞれを、読みながら思い出していた。 -