井野瀬久美惠のレビュー一覧

  • 興亡の世界史 大英帝国という経験

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    25年のマイベストに入れたい1冊。
    驚異の約7年の積読の末に挑戦笑。
    膨大な情報量をベースにいくつかのキーワードをピックアップしながら大英帝国史を紐解いていく。
    当方事前知識と呼べるものは殆どなく、大量の固有名詞に苦労する所もあったが極めて発見と学びの多い1冊になった。
    多くのトピックが取り上げられているが故に、大英帝国を核に多方面への興味関心を刺激される。この本をベースにこれからもイギリスに関する知見を深めていきたい。

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    2025年05月27日
  • 興亡の世界史 大英帝国という経験

    Posted by ブクログ

     英国は世界史の中で中心的に活躍する国の一つなのですが、私たちはその歴史については今ひとつ理解していないようです。たとえばなぜあれほど強大な国であるのに、国内にスコットランドや北アイルランドなど反イングランドの地域を抱えているのか?、なぜあんなにも小さな島国が世界帝国として君臨できたのか?、黒人が多いのは何故なのか?、日英同盟はなぜ締結されそして更新されなかったのか?などなど
     この本は、平面的な英国史というよりも、人物や事件を取り上げながら大英帝国という実像を描いているので、とても興味深く読むことができました。そして何よりも感じたことは日英同盟締結(1902年)の理由の一つに「国民の退化」という問題があった。南アフリカ戦争への志願者の6割が産業革命による少年労働などで、兵士としての肉体的な基準を満たさなくなっており、その30年前ころより出生率も低下していたようだ。
     そして少年労働は単純で長時間で低賃金の労働を少年に強いることから1898年頃から「フリーガン」が登場してロンドン大騒動を引き起こすようになる。
     ローマ帝国崩壊の一因は、ローマの若者たちが兵士としてかつて祖先が持っていた身体的な水準から後退してしまったことにあるのだ。
     そして日本もまさに英国の1900年前後にかけて国民の「退化」現象が起こったのと同じ現象が平成を通じて起こっている。自国の防衛をアメリカに任せているのはまるでローマ帝国時代の若者が競技場の剣闘士の試合に熱狂し、兵士としての鍛錬を忘れてしまっていたのと似ている。ゲルマン傭兵に帝国防衛を任せたローマ帝国は、やがて彼らに帝国を乗っ取られて滅亡したのです。
     
     ブレグジットのイギリスは、どこへ行くのだろう。そして何も戦略を持たない日本はいったいどうなってしまうのだろうと今更ながら心配になった。

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    2024年01月25日
  • 奴隷・骨・ブロンズ――脱植民地化の歴史学

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    ①日本の博物館も、先住民からの略奪から始まっているが(函館仮博物場)、その問題に取り組む博物館がほとんど無い、あるいはその事が世間的にあまり知られていない状況であること
    ②某アーティストのコロンブス問題で、世界的な歴史認識と日本の歴史認識の差異を感じたこと
    ③脱植民地化というキーワードが気になっていたこと
    から手に取った。
    日本では「脱植民地化」という言葉はまだまだ浸透していないと感じるが、海外の事例に倣って、日本でもこれまでの歴史認識のあり方、ミュージアムの認識などを見直す段階に来ていると思う。そのため、まずは海外の事例を学ぶことが出来てよかった。
    残念なことに、日本でも歴史修正主義は根深いし、最近では排外主義も台頭してきている。このような時代に本書が刊行されたことは非常に意味のあることだと感じた。

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    2025年09月11日
  • 興亡の世界史 大英帝国という経験

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    先に中公新書の『茶の世界史』を読んだばかりなので、関連していてちょうど良かった。
    もちろん、「大英帝国」をこのボリュームで語るのだから詳細は無理なのですが(当たり前)ああ、大英帝国ってのは、米国に独立されてからが本番だったのねぇと改めて認識するに至る。
    大きな時間軸で言えば、世界は未だに大英帝国が定めたフォーマットの上で動いているんだなあと。
    そして、奴隷貿易を率先して行いながら、奴隷解放に率先して動く「君主豹変す」
    何度でも変われる。変わってきたってのが、「大英帝国」繁栄の礎なんだろうなあと。

    もちろん、全てが光ではなくて、今も中東がああなのは、英国の「三枚舌外交」による物なのは言うまでも無い。(英国だけに全ての責を押しつけるのはアンフェアにしても、主犯は英国)

    ただし、文庫版あとがきは頂けない。酷い。イデオロギーが臭い。何が「知の軍事化に警鐘を」だよ。ただの左翼じゃねえか。英国がWW2において、科学技術を総動員して戦ったのは常識だろうが。新たにわかった事みたいに行ってるんじゃねえよ!(☆一つ減

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    2018年10月14日
  • 奴隷・骨・ブロンズ――脱植民地化の歴史学

    Posted by ブクログ

    現代から過去を覗くまたは発見、思い出したときに歴史の視点としての角度から多様な思索を重んじる良書である。
    本著で示唆されている通り、現代においても世界中で様々な形において奴隷制度は存在している。先進国も含まれ例外ではない。身近な例であれば、家庭内でも起きえるし、少しスケールを上げると会社という1組織内でも方法をとれば簡単に奴隷制度が出来上がる。人が人を動かし生み出すときに必ず奴隷制度に似た形がどのような形であれ継承されていくだろう。本著が述べているように、奴隷や過去に遭った悲惨な出来事を繰り返さないようにする思考は重要である。だが、同時に全員が同じ評価と身分になったときに、また違う歴史が顔を覗かせ私たちを脅かすだろう。
    歴史という本から過去を覗き知り活かすことは可能だ。現代においても過去の歴史を繰り返さない様に必死に闘っている人たちが存在している。私たちは知らなければならない歴史は過去でもあるが今であり未来でもあり同時に存在していることを。
    私たちが個人でできることは大きい。手が届く周囲の人たちを幸せにするのもよし、企業や起業で社会へ貢献するのもよし、先人らが歩んできた歴史という今を未来に活かすのは私たちの考え方や気づきなのだろう。

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    2025年05月20日