岩下悠子のレビュー一覧

  • 漣の王国

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    とても上質で綺麗な文章と、それぞれ個性があって魅力的な登場人物に心惹かれる。
    読後も余韻に浸り、普段あまり縁のない充足感に満たされたような気がした。
    もっと岩下さんの文章に触れたい。

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    2024年10月18日
  • 漣の王国

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    1ページ目、あまりにうつくしい文章に何度も同じ一文を読んでしまった。美文に圧倒され、はじめからおわりまでどっぷりと浸かり、「うつくしい文章の小説しか読みたくない」という普段は口にしない望みを満たしてもらえた。
    化学、祈り、運動、恋慕、「反復」することでしか至らない魂の領域。そして至らない、未完であるものしか来世には持ち込めない。
    綾部という自裁した男がおこした漣、それを受けた者たち。過ぎた日々の痛恨のまばゆいばかりのうつくしさ。
    ミステリとしては日常の謎、に分類されると思うけどそれもよかった。でもなにより物語のうつくしさと文章のうつくしさにノックアウトされてしまい、泳ぐだけのシーンをこのように

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    2024年08月02日
  • 漣の王国

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    ミステリー性と文学性が両立してなきゃ満足できん! 一般人レベルの文章力で作家を名乗るな! って考えてる面倒な読み手(自分もそう)に全力でおすすめしたい。

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    2024年06月15日
  • 漣の王国

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    『あまりに美しいミステリ。震える。 反復の尊さと、ジハードの本当の意味。 この余韻に、しばらく揺蕩っていたい。 大切な友人に読んでほしくて、 半ば押しつけるように渡した。』

    女優・小橋めぐみさんの評に納得。
    私も大切な友人に読ませよう。

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    2024年06月01日
  • 漣の王国

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    なんだろう…スケールの大きい海外文学を読んだ読後感。
    京都っていう限定された空間の話なのに、時間的にも空間的にも無限が広がってた。
    めちゃくちゃ刺さった。

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    2024年05月07日
  • 漣の王国

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    キリスト教、イスラム教、仏教、源氏物語、そして京都という舞台がなんとも表現できない不思議な読後感を生み出します。どちらも京都が舞台ということもあり、同じ作者の作品「水底は京の朝」にも通ずる不思議な感覚でした。

    蓮には何も感じなかったけれども、蓮に直接的・間接的に人生を翻弄された者に心をかきむしられる思いでした。アリジゴクと薄羽蜉蝣を思い浮かべました。

    今年のベストテンに入る好きな作品になりました。

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    2024年03月13日
  • 水底は京の朝

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    いやぁ、いいじゃないか! 没入してしまった。
    面白かったな~。あと余韻がすごい。
    そこはかとなくエロティックなところもいいな。。。
    文庫化はないのか?

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    2024年02月17日
  • 漣の王国

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    傑作。これは凄い。
    こんな小説はちょっと読んだことがないぞ。。。
    感想が言語化できない。は~良かった。

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    2024年01月30日
  • 水底は京の朝

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    これはすごいものを読んだ…文体と情景描写と説明の癖さえ受け入れられたらね。泣くぞこんな話。謎があってそれが繋がった先にある真実に作者の訴えたいことがあるならばミステリというのは本当に素晴らしい装置だ、、、
    現実か妄想の境界線、あやふさって常に持っていて、都合よく解釈することはよくあるけども、人間のあさましさで終わらないところが、作者は優しいな。

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    2019年05月04日
  • 漣の王国

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    綾部蓮という怪しい青年を巡って語られる連作短編集。しっとりした文体が心地よく、最初の作品での猫堂というトリッキーなキャラに戸惑ったが、2篇目の「ヴェロニカの千の峰」が心にズシンと来るくらいに良かった。

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    2025年11月26日
  • 漣の王国

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    綾部蓮は見た目も良く、自由形のトップスイマー。常に彼女がいて、直ぐに違う人女性になるような男だが、嫌われたりせず、何時も人に囲まれている。しかし、自殺した。
    瑛子は彼にひっそり憧れる1人であり、同じ大学の水泳部員であり、伸び悩むスイマーでもある。そんな瑛子が毎日泳ぐ姿は修行僧のようで、魅せられている人が多数いることを瑛子は知らない。医学部の猫堂もその1人。瑛子、綾部、猫堂、北里舞を中心に綾部が自殺に至る前の大学時代とその後が語られ、何故自殺したのかが最後に明らかになる。
    プールの青い透明感がずっと感じられる透明感のある、しかしザワザワと心の揺れる文中を漂っていた印象。脚本家出身らしく、映像が何

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    2024年09月04日
  • 漣の王国

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    綾部蓮という青年は美しく、周りにいつも人がいて、才能にも恵まれていた。しかし彼は自ら命を絶った。

    彼と出会った4人の話。

    文章ひとつひとつが美しく、特に水泳の様子の文章は驚いた。泳いでいる様子を描くだけで、こんな表現があるのかと。
    大きなミステリーがあるのではなく、4つの話を通して小さな謎が紐解かれていく様な印象を受けた。少しずつ重なってくる人間関係。読んでいるうちに引き込まれて、一気に読み切ってしまった。

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    2024年07月31日
  • 漣の王国

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    ネタバレ

    連作短編4篇
    水の申し子のような綾部漣を軸に、彼を好きだった人、関わってしまった人たち4人の視点で物語は進む。それぞれの章の謎解きと大きな謎、どうして綾部漣は死んだのか?が最後に提示され、狂言回し的な狐面の教授の不思議不可解さを残して物語は閉じる。ただボーイミーツガール的な要素もあってひたすら泳ぐ瑛子とそれを見つめる猫堂はもう一つの軸として面白かった。

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    2024年06月19日
  • 漣の王国

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    ミステリの気持ちで読み始めたが、あまりミステリ感を感じなかった。宗教的なエッセンスが散りばめられていて、思った以上に高尚な作品という印象を受けた。でも、1日で一気に読み切れるくらい引き込まれる作品でした!

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    2024年06月15日
  • 漣の王国

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    ネタバレ

    面白かった
    文章がくどくて後半は読み疲れるけど面白かった
    綾部蓮は大人になれなかった子供だった
    狐塚教授はずっと変だった

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    2024年04月23日
  • 漣の王国

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    ネタバレ

    YouTube「ほんタメ」で紹介されていて、手に取りました。
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    ただならぬ
    緊張感と、
    ままならぬ
    人生の不穏な謎が、
    心をざわめかせる。

    巷に溢れる、
    底の浅い「真相」に
    飽き足らぬ人は、
    ぜひご一読を。(恩田陸)

    若くして自ら命を絶った天才と、
    彼と出会った四人に齎せる
    謎と恩寵。

    忘れがたき
    余韻を残す傑作。
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    最近読んできたミステリーと
    雰囲気(毛色?文体?)が異なり、
    想像していたのと違う!と戸惑いました。苦笑

    最近転職したばかりで、
    心も生活もざわざわしているため、
    読みやす

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    2024年04月21日
  • 漣の王国

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    自ら命を絶った肉体と才能に恵まれつついつも退屈を持て余せていた綾部蓮という1人の青年を取り巻く人たちについての連作ミステリー小説。
    極めて流麗で端正な文章で、宗教的知識が散りばめられていて、ミステリーとしてもよく練られており、とても読み応えのある小説らしい小説だった。

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    2024年03月24日
  • 水底は京の朝

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    小説新潮で読んで印象に残っていたので、もう一度読みました。当時も面白いけどもやもやするという記憶があったけど、今回もそう思いました。日本人とか京都の気質なのかな、良くも悪くも。モヤミスというジャンルを確立させてほしい。

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    2018年02月10日
  • 水底は京の朝

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    太秦を舞台に美山監督と脚本家の鷺森,寒川,女優の岸華子などが繰り広げる短編が5つ.どの話も謎かけがあり,それを美山がやっとのことで解決する流れだが,何故か不気味な通奏低音が流れている感じだ.第2話の一口(いもあらい)の由来を議論する件が面白かった.第4話で首飾りの姿をディプロゾーンだと美山が調べる場面の良かった.奇妙な読後感が残る作品集だ.

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    2017年12月07日
  • 水底は京の朝

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    京都を舞台にした連作ミステリ。実に「京都らしい」要素がいっぱいです。ミステリとしてのネタはあまり派手ではないのだけれど。じっくりと書き込まれた端正な情景描写と、静かながらも惹きつけられる物語に浸れる一冊です。
    美山監督と鷺森さんの一見危ういような関係性も魅力的。二人の抱えた「秘密」については最初からなんとなくわかったけれど、それでも興味を削がれることはなく。最後まで物語に飲み込まれるような印象でした。
    京都らしいあれやこれやの要素もいいなあ。いかにも、な所じゃなくて、ひっそりとした知られざる名所、のような感じがします。全体としての雰囲気は地味なのだけれど。奥深いところまでじわじわ入ってくるよう

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    2017年09月07日