山吹静吽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいなくなった妹を探しに迷い家に踏み込み、妖の存在と迷い家の役割、霊宝の意味を知っていく生粋の軍国少年・心造。
当初の目的を遂げた後も、その軍国主義が魑魅魍魎巣食う迷い家で必死に生き延びた彼の最大の支えというのは何より切ない。
新しい時代に導く香苗の叫びよりも、子どもが否応なく大人と同じ覚悟を持たされた時代の悲しみが心造の魂の叫びとして弾けて胸を突く。
霊宝という名の道具としての各地の民話や伝承の中のワードに高ぶる気持ち。それらの解説文がもっと読みやすければ、更にこの異彩を放つ世界に没頭できた気がする。
しっぺい太郎って早太郎のことだったのか~。子供の頃に読んだ民話の記憶が蘇る。一気に話の中の