ギュスターヴ・ル・ボンのレビュー一覧

  • 群衆心理

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    言い回しや実例が古いのできちんと読みこなすにはそれなりの時間がかかる。
    だが、それだけの価値のある本。
    例えば民衆が面倒だが全体の利益になる正しさよりも、間違っていてもわかりやすい権威に従うという現象。これは現在でも為政者が利用しているテクニックなので肌感覚でわかる。ただ何故そういった現象が起こるのか、どうやって対処すべきかといったことについては流石に前世紀の研究結果なので物足りない。

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    2024年09月09日
  • 群衆心理

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    難解な書 「群衆とは何か」の問いに答える書。

    自分なりにくみ取った主旨とは次の3つです

    ①群衆とは個人の集合体ではない 個性、理性は消え失せて、本能的な人間、野蛮人と化す。
    ②群衆を支配するのは、群衆の想像力を刺戟する能力をもつ指導者のみである。感情に訴えるものであって、決して理性に訴えるものではない。
    ③群衆の根底には、民族の伝統があり、それを変えることは、時間がかかる。
    ゆえに、指導者は最良の現在の策よりも、1つ前の旧来の策を取らざるを得ない。

    気になったのは次の言葉です。

    ■群衆の時代
    ・国家の運命が決定されるのは、国王の意見ではなく、群衆の意向による
    ・最も不当な税目でも、少目

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    2023年03月26日
  • 群衆心理

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    人々に同じ意見をもって、それに合意して動いてもらわないと組織は力を発揮できない

    インパクトがあり、わかりやすいメッセージでないと多くの人は受け入れないし、耳を貸さない

    ややこしくわかりにくいことは、聞き手でなく話し手の問題とされがちで、結果として「聞き手が聞きたいこと(幻想)」を話す人が、組織で力をもつようになる

    パーパスやビジョンを言葉にすることの力強さもある反面、メンバーもわかったような気になり、立ち止まって考えることをしなくなる怖さがある

    思考の体力と忍耐力を鍛えるにはどうしたらいいのか、が気になってきました

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    2022年12月17日
  • 群衆心理

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    具体的にフランス革命時の例をとって、群衆(ここでは目的意識や地位などがバラバラな人たちがひと所に集まった状態)になった時にどのように行動するのか、そしてそれはどのような意識に基づいて行われるのかを説明する。
    なるほどなあ、確かになぁ、今でもそうだなぁ、と思う。烏合の衆となった時、我々は平易に動かされてしまう恐れがあることを肝に銘じて、今の社会をおそるおそる生きていく必要があるのではないかと思う。

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    2022年03月10日
  • 群衆心理

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    NHKの番組で紹介されていたので読んでみた。
    群衆心理、そこには知識や正答などに基づくものではなく、断言や反復で人の心にするりと入り込んだ言葉で作用する。結局、人間一人一人は弱く、影響を受けやすく、そして集団になると個人の弱さは置き去りになって強くなる錯覚を起こすのかな。
    ネットで正論を吐いて、いいねをもらって、個人では実際はとても犯せないような暴言で人を傷つけるような、そんな心理にならないように、現代にも通じる警鐘だと思った。

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    2021年11月03日
  • 群衆心理

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    哲学書にある難解な言い回しが少なく、現代にも通じる内容なので、頭に入ってきやすかったのもあるが、かなり読みやすく感じた。

    改めて人間の本質は時を経てもあまり変化していないということなのだろう。

    難解な議論や理屈はほぼ効果がなく、断言、反復などによる感情と心象を想起させ、揺さぶりをかけることによる感染が群衆を従わせる有効な手段となる。

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    2021年10月19日
  • 群衆心理

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    100分de名著の今月の本。読んでみたら、いろんな意味で面白かった!ヒトラーがこの本を読んでいたことも納得。現代の私が読むといやいや、偏見が過ぎると思う描写も多いけれど、それも含めてこの本が書かれた時代感。自分も群衆であることを自覚したい。それを知っているだけでも、同じ過ちを繰り返さずに済むかもしれない。

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    2021年09月21日
  • 群衆心理

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    ネタバレ

    近くの書店の店頭で平積みにされていて、何気に購入したものですが、最近読んだなかでは白眉の内容です。

    集団における人間の性質や指導者の関わりなど、類書では「自由からの逃走」「大衆の反逆」「自発的隷従論」などがあると思いますが、冷徹な洞察という点で、この「群集心理」も勝るとも劣らないと思います。断片的ですが、曰く、

    ・群衆は力を尊重して、善良さには心を動かされない。
    ・群衆は、弱い権力には常に反抗しようとしているが、強い権力の前では卑屈に屈服する。
    ・動物の群にせよ、人間の群にせよ、ある数の生物が集合させらるやいなや、それらは、本能的に、首領、すなわち指導者の権力に服従する。
    ・群衆の精神を常

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    2021年07月11日
  • 群衆心理

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    ギュスターヴ・ル・ボン(1841~1931年)は、フランスの社会心理学者・人類学者・医師。パリ大学で医学を学び、博士号を取得したが、臨床医としての道を選ばず、心理学・社会学・歴史・物理学など幅広い分野に関心を持ち、独自の研究を展開した。1870~71年の普仏戦争に軍医として従軍した経験や、フランス第三共和政下での1871年のパリ・コミューンの暴動を目撃したことが、群衆に対する関心を深めるきっかけとなり、世界各地を旅して人類学的研究を行いつつ、1895年に『群衆心理』を発表した。晩年には物理学にも関心を示し、エネルギーと物質の関係についての先見的な考察を残した。
    本書は、個人が群衆の中で理性を失

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    2025年11月14日
  • 群衆心理

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    原書が刊行されたのが1921年であるにも関わらず、2025年の現在でも通じる内容が多く驚いた。
    群衆の性質や指導者の性質について事細かに分析しており、特に指導者の人心掌握の手法には共感する所も多くあり興味深い内容であった。
    最初から最後まで気になるトピックで構成されており、本書が気になる方は目次だけでも是非目を通して欲しい。

    本書では、"あらゆる集団は精神的に低下している為、制限選挙は是認することが出来ない"と述べられているが、集団内で意見が完璧に一致する可能性は低いとしても、多数派が賢い選択を行える場合は民主主義国家において有益ではないだろうか。

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    2025年09月19日
  • 群衆心理

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    SNSの炎上
    ポピュリズム
    トランプ派の分断
    ガザの虐殺

    今眼にするたくさんの大衆の暴走。

    その仕組みはフランス革命の時代から変わっていないらしい。

    群衆の一人として、本当に気をつけなければならないと感じた。
    情報の受信発信に関するリテラシーを高める努力を怠らないでいたい。

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    2024年11月21日
  • 群衆心理

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    マーケティングでよく言うのは「単純明快繰り返し」ですが、宣伝や販促の売り文句は誰でもわかる簡単な短い言葉でまとめ、いたるところで繰り返すのが肝要ということ。繰り返して言っていると、聞いている人は嘘でも段々と信じ始めるから、と…。

    「指導者たちは主として次の三つの手段に頼る。すなわち、断言と反復と感染である」

    嘘はいけないが、群衆を操作する指導者のテクニックである。

    まずリーダーに大事なのは群衆の前での演説ですね。才智や学識は指導者にとって有害で、論理的な思考になってしまう人は歴史的なリーダーにはなりにくいとある。天下取った学者なんていませんからね。一般的に頭が良いと言われる論理的な人はリ

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    2024年01月12日
  • 群衆心理

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    集団心理の状況を丁寧に考察してあり、時代背景は違っても、現代にも通じる精神心理がうまく描かれています。
    指導者の行動手段は、「断言と反覆」そして感染が暗示を与える最上の手段とか書かれていたのは、とても納得できました。
    「内容てはなく、言い切る力!」そして「繰り返し言い続ける力!」が暗示を与えるみたいです。。 
    良いか悪いかは別として、確かに当たっていると思います(笑)
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

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    2023年06月10日
  • 群衆心理

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    フランス革命により起きた大転換を中心に社会を動かす中心は何かを考察した古典的名著。
    書かれたのは1895年と古いものではあるが、その内容は恐ろしくも現代にも当てはまる。

    群衆とは、ただ人が集まったものでなく、ある指向された思想の元に集まり、個人個人の考えや思想とは別に群相ともいうべき思考様式が発現し、社会を変える程のうねりとなる事である。

    その、不思議な特徴は群衆を構成するメンバーの知性や批判的精神は関係なく、人数すら関係ない。
    2人以上の複数人がいれば群衆を形成しうる。

    仮に個人個人は頭脳明晰で、合理的判断のもとに批判的思考に富んでいたとしても、群衆の一員となるとその理性は抑制され、無

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    2023年01月22日
  • 群衆心理

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    読みながら最近の事件を思い起こすことがめちゃくちゃ多かった。自らも群衆になり得るということに自覚的でありたいと思った。SNSの発達でより群衆化しやすい社会になっているとも思う。群衆を動かす方法も書いてあるのでマーケティングやらマネジメントやらにもちゃんと使えそう。

    断言と反覆と感染

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    論議の的にされる威厳は、もはや威厳とはいえない。久しいあいだ威厳を保つことができた神々や人々は、決して論議をゆるさなかった。群衆から称賛されるには、常に群衆をそばに近づけてはならない。

    264
    諸民族が束縛に甘んずれば、悪い結果を生ぜずにはいない。諸民族は、あらゆる束縛に堪えることに慣れて、やがて自ら

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    2022年12月25日
  • 群衆心理

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    群衆心理

    19世末にフランスの心理学者ギュスターヴ・ル・ボン氏が、心理学者の視点で群衆の心理を考察した著書です。
    群衆の中で生じる心理、群衆を操る方法などが論じられ、ヒトラーの愛読書でもあったという逸話もある名著です。

    【本書で学べること・考えること】
    - 心理学的な群衆の定義
    - 群衆心理の特徴
     1. 衝動的で動揺しやすく昂奮しやすい
     2. 暗示を受けやすく、物事を軽々しく信ずる
     3. 感情が誇張的で、単純であること
     4. 偏狭さと横暴さと保守的傾向(単純かつ極端な感情)
     5. 徳性(自己放棄、献身、無私無欲、自己犠牲、公正への要求
    - 群衆の説得方法
     1. 断言(推理や論証

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    2022年05月28日
  • 群衆心理

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    群衆の性質について史実の考察は、現代にも当てはまることから、人の本質的な性質なのだろうと思う。
    著者の知識には本書で紹介されない膨大な事例があり、それらも踏まえた考察であろうと思うが、挙げられた例だけで納得してよいのかは疑問だった。

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    2022年01月20日
  • 群衆心理

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    哲学書?の割には固くなくて読みやすかった。また、世界史の知識があったので筆者の挙げる例がわかりやすかった。結局、群衆は理論ではなく感情に左右され、そこには種族の特徴が大きく影響し、群衆を引っ張るには威厳が必要であるということが繰り返し述べられていたのでそれが結論なのだろうと思う。

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    2021年10月13日
  • 群衆心理

    購入済み

    今こそ読むべき名著

    訳本も半世紀以上たっているので、現代では違和感があるところもあるが、群衆とそれを構成する個人のギャップを見事に分析しているところは名著の価値がある。民主主義が揺らいでいる現代に再度注目すべきい一冊であろう。

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    2021年10月06日
  • 群衆心理

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    雑に言うと基本的には群衆をボロクソに言っている本だが、なぜ群衆がそのようになるのかを分析しているし、逆に群衆を動かすには?という点にも言及。

    現代だとマスコミやSNS、インターネットがあるので、物理的に集まらずとも群衆になり得て、様々な影響出てるよなあというのを照らしながら読んでいた。
    理論ではなく心象(イマージュ)によってのみ群衆は動き、それは当時演劇が大きな影響を与えるものとされていたらしいが、今だと人々が劇場に行かずとも影響を与えられるので恐ろしい。
    また、「百の小事件より一の大事件が群衆を動かす」とあり、今までも起こっていただろうにマスコミに取り上げられて世間が動く、みたいなのも多々

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    2020年11月14日