白井さゆりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
171205 白井さゆり 東京五輪後の日本経済
難しい金融と世界情勢を平易に解説している姿勢は立派
現在の異常な金融緩和政策に対する警鐘の書だが、諦めムードも強い
歴史上、前例のない状態の先に何が待っているか
⇒コントロールできない事態 混乱
「統合政府論」(220)だけはいただけない B/Sが理解されていない
持続不能な金融緩和を続けることは国家に対する背任行為と言うべき
日本国民の不安は根源的 ①財政②社会保障
どちらも持続性はないのに誰も手をつけようとしない 手をつけられない
太平洋戦争と同じで、誰も止められない 国家として脳死状態
安倍首相と黒田総裁には国家に対する責任意識があるのだろうか
安倍首相は祖父と孫、二人のA級戦犯を家系から出すことになる
日本銀行の金融緩和政策
国債を80兆円購入 現実は60兆円 残高400兆円
株式を 6兆円購入 残高15兆円→2020年には30兆円 -
Posted by ブクログ
元日銀審議委員で、モーサテでもおなじみの白井氏による、日本経済の課題と今後の展望について述べた本。経済の素人に対するような簡易な説明で、わかりやすく、よく理解できた。分析は緻密で深く説得力があった。特に、不動産と財政赤字に関する解説が、印象的であった。
「株式市場において、今やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日本銀行は、それぞれ日本株の第1位と第3位の大株主となっています」p43
「(テーパリング)ETFの買い入れ量を減らしていくこと」p49
「一般家計の金融資産は、2017年現在で約1800兆円ですが、なんとその半分以上の900兆円程度もの金融資産が、預金・現金なのです。これは先進国中でも異例のことといえます」p55
「日本のデフレは「構造的な問題」であるため、金融緩和によっては解決できないと考え、大規模な金融緩和には消極的であった白川前総裁の考え方のほうが、結果的には正しかったともいえます」p81
「多くの国民が、可処分所得が低迷する中で生活は楽ではないと感じているところに、企業が商品価値を上げてしまうと、消費者からは見向きをされなくなり、自社製品がまったく売れないという状態に陥ってしまいます」p105
「1990年代以降、日本では多くの国民が、どんどん可処分所得が減っていく状況の中で、少しでも節約を心がけて生活するという「身の丈消費」に徹してしまっています」p107
「これまでの教科書では「人手不足だと賃金が上がり、販売価格も上がっていく」とされてきました。ところが日本では、賃金を上げる前に企業が企業活動を抑制し、その結果、人手不足にもかかわらず賃金上昇圧力が働かないのです。つまり、現在の日本では、これまでの教科書の常識を超えた現象が起きている、というわけです」p113
「いっこうに財政再建や構造改革も進まず、一方で少子高齢化が急速に進んでいるにもかかわらず、その対策も小手先のものにとどまっている」p211
「(IMF指摘)日本は、税収が歳出と比べてあまりに少ないため、資金調達を国債発行などに大きく頼る依存度が、先進国で最大」p213
「(ヘッジファンドなど外国人投資家)私たちは日本経済に未来があるなどとは考えていないし、興味もない。日本に投資しているのは、ここ1~2年で儲ける機会があると見ているだけだ」p216
「こうした状況を緩和するのには、まず移民の受け入れは不可避です」p233
「いよいよ企業淘汰が始まることになります」p235
「日本政府はこれまでずっと、つねに問題を先送りする政策を続けてきました。しかしそれはやがて、必ず将来世代にツケを回すことになります」p241
「今の日本には、厳しい現実から目を背けて、今さえよければいい、という風潮が漂っているように思える」p244
「これから人手不足が深刻化する日本社会では、ひとりでも多くの働き手を必要としています。本人のやる気さえあれば、たとえいくつになっても、やってみたかった仕事や憧れだった仕事に実際につけるチャンスが、これまで以上にたくさんあります」p247 -
Posted by ブクログ
本書は、2016年3月まで日銀政策委員会審議委員を務めていた白井さゆり氏による、近年の金融政策について、日銀と海外の中央銀行の両面から細かく解説した本である。本の内容としては、金融政策の理論的な面に触れつつ、近年の特異な市場反応をはじめとした実際の金融政策の効果について解説しており、理論と実践のバランスが取れており非常に理解がしやすかった。また、白井氏は元々の専門が国際金融であるため、海外の金融政策についても知見が豊富であり、海外と日本の金融政策を比較しながら解説してあり、そのような点も非常に興味深かった。
自分は昔マクロ経済学で金融政策を学んでおり、現在では金融についてはなんとなく覚えている程度だったので、本書を読むことで近年のトレンドをつかもうと思ったのだが、それのみならず昔学んだ理論がどれほど当てはまっているのかなどについても知ることができたのでとても読んでて楽しかった。例えば、イールドカーブやフィリップス曲線は近年はフラット気味だという話はとてもリアリティがあり興味深かった。マクロ経済学もだいぶ忘れているので、時間があればまたマクロ経済学をきちんと復習した上で、本書を再度読んでみたいと思う。
以下、素人的発想かもしれないが、本書を読んで、今後ますます行動ファイナンス論的な観点から方法論的個人主義的に金融政策を評価する時代がくるのではと思った。一方で、無論マクロ的側面も重要だし、行動ファイナンス論にしても実際企業および個人の異質性をいかに捉えモデルに組み込む
かも重要な観点になってくるだろうと感じた。 -
Posted by ブクログ
ただの紙切れでしかない紙幣に我々なぜ金銭的な価値を信じているのか。
その疑問について経済史的な側面から順序立てて説明してくれる概説書。
「教科書」というタイトルが付いているように概説的な部分が多いが、基礎的な内容からよく理解できた。
高校の日本史や世界史では、つい理解が疎かになりがちな、銀本位制や金本位制の歴史的な流れが理解できた。
現在の「お金」の問題についても解説されている。日銀の異次元緩和がどのような効果があるのか、ただのデータでしかない「仮想通貨」がなぜ「お金」として機能するのか。地に足のついた解説がなされている。派手さはないが、入門書として、良書と言える。
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Posted by ブクログ
エコノミストによる金融政策の解説書。日銀の政策委員を務めている時に行った金融緩和政策について、実施の詳細と意図、効果を正確に書いている。また、米欧の金融政策の詳細と、それぞれの比較など、学術的に有意義な書籍だと思う。ただ、私の知識が浅いため、すべてを吸収することができなかった。
「日本を含むアジアの輸出が大きく伸びていくことは期待できないといえます。日本を始めとする主要国は。輸出の量よりも付加価値の高い輸出を増やして、企業収益を高めることに軸足を移しつつあり、この傾向はさらに拍車がかかると思われます。また、このことは金融緩和の副次的効果として通貨安をもたらしても輸出量の拡大には結びつきにくいことを示しています。中国を含むアジアでは、そうした変化を踏まえた新しいビジネスモデルの構築が必要になってきています」p41
「人口の伸び率の低下は、技術進歩や生産性の停滞とともに、投資機会を減らして貯蓄超過をもたらすこと、政府が介入して総需要を増やさなければ経済成長は低下することを警告しています」p47
「そもそも主要中銀がなぜ2%を目指すのかを考えて見たいと思います。本来、物価安定とは「物価が上昇も下落もしない状態で、インフレがゼロ%程度で推移する状態」を指しているはずです。それでもあえて2%を掲げる理由は、デフレはインフレよりも望ましくないので、デフレに陥るリスクを減らすためにその程度のインフレがバッファーとして必要だとの見方が、世界で共有されているからです」p57 -
Posted by ブクログ
大手銀行は不動産関連の投資はREITにする。地方銀行や信用金庫は、個人に積極的に融資している。
スウェーデンは移民や難民の受け入れで住宅価格が高騰している。
バブル期の株の外国人保有率は7%前後。今は30%前後。
ブルーデンス政策=持合株式の日銀による取得。現在は売却中だが、その分ETFを買っている。
個人は身の丈消費。
企業は利益が伸びても売上が伸びているわけではないので積極的に設備投資はしない。
日本型デフレ。需要不足が構造的になっている。
統計的に物価が下がっても上がったと思ってしまう消費者心理がある。食料とエネルギー価格に反応しやすい。
ファースとフード店が、人手不足で深夜営業をやめるのは、企業活動の拡大が望めないことを示している。
通常なら、人件費を上げて企業活動を維持しようとするはず。=成長制約=活動を抑制することで経済活動が縮小する=今までは想定されていなかった。
海外の買収資金の用意のため賃金をあげられない。
3つの貧困層=老人世帯、フリーターの若者、シングルマザー。しかし、まとまった声には成りにくい。
売上高増加を伴わない最高益=経費の削減と円安によるもの。
アメリカは売上も伸びている。
中国発のリーマンショックはないが、中国経済は購買力平価でみたGDPは世界一位。減速による間接的な影響は大きい。
東京五輪の浮揚効果は開催一年前まで=2019年夏まで。
富裕層はひそかにドル買いを勧めている。
IMFは日本がもはや財政再建が可能、とは見ていない。
世界標準はユーロ圏の対GDP比60%。
人口減少による人手不足。しかし需要は伸びないので経済は活性化しない。単に人手が不足するだけ。
更に需要減が続くと企業淘汰が始まりチェーン店だけが残る可能性がある。