白井さゆりのレビュー一覧
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171205 白井さゆり 東京五輪後の日本経済
難しい金融と世界情勢を平易に解説している姿勢は立派
現在の異常な金融緩和政策に対する警鐘の書だが、諦めムードも強い
歴史上、前例のない状態の先に何が待っているか
⇒コントロールできない事態 混乱
「統合政府論」(220)だけはいただけない B/Sが理解されていない
持続不能な金融緩和を続けることは国家に対する背任行為と言うべき
日本国民の不安は根源的 ①財政②社会保障
どちらも持続性はないのに誰も手をつけようとしない 手をつけられない
太平洋戦争と同じで、誰も止められない 国家として脳死状態
安倍首相と黒田総裁には国家に対する責任意識があ -
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元日銀審議委員で、モーサテでもおなじみの白井氏による、日本経済の課題と今後の展望について述べた本。経済の素人に対するような簡易な説明で、わかりやすく、よく理解できた。分析は緻密で深く説得力があった。特に、不動産と財政赤字に関する解説が、印象的であった。
「株式市場において、今やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日本銀行は、それぞれ日本株の第1位と第3位の大株主となっています」p43
「(テーパリング)ETFの買い入れ量を減らしていくこと」p49
「一般家計の金融資産は、2017年現在で約1800兆円ですが、なんとその半分以上の900兆円程度もの金融資産が、預金・現金なのです。これは -
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本書は、2016年3月まで日銀政策委員会審議委員を務めていた白井さゆり氏による、近年の金融政策について、日銀と海外の中央銀行の両面から細かく解説した本である。本の内容としては、金融政策の理論的な面に触れつつ、近年の特異な市場反応をはじめとした実際の金融政策の効果について解説しており、理論と実践のバランスが取れており非常に理解がしやすかった。また、白井氏は元々の専門が国際金融であるため、海外の金融政策についても知見が豊富であり、海外と日本の金融政策を比較しながら解説してあり、そのような点も非常に興味深かった。
自分は昔マクロ経済学で金融政策を学んでおり、現在では金融についてはなんとなく覚えている -
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ただの紙切れでしかない紙幣に我々なぜ金銭的な価値を信じているのか。
その疑問について経済史的な側面から順序立てて説明してくれる概説書。
「教科書」というタイトルが付いているように概説的な部分が多いが、基礎的な内容からよく理解できた。
高校の日本史や世界史では、つい理解が疎かになりがちな、銀本位制や金本位制の歴史的な流れが理解できた。
現在の「お金」の問題についても解説されている。日銀の異次元緩和がどのような効果があるのか、ただのデータでしかない「仮想通貨」がなぜ「お金」として機能するのか。地に足のついた解説がなされている。派手さはないが、入門書として、良書と言える。
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・兌換紙幣とは、金や銀などとの交換が保証されている紙幣。それ自体に物質的価値はないが、「交換の保証」によって価値を持つ。
・不換紙幣とは、そういった何らかの物質と交換の保証を持たない紙幣。つまり、人々が「それ自体に価値がある」という信用によって価値を持つ。
その後、金の一定量と紐づけられる金本位制へと移行。
不換紙幣の現代において、中央銀行は「物価を安定させる」ことが至上命題である。
●中央銀行が行う金融政策とは何か?
日銀に開設された各金融機関の当座預金の額を増やす
基本的には、低金利で日銀から各金融機関に貸し出しを行うのが伝統的な金融緩和。(資産は貸付金の増加)
異次元緩和は、日銀が -
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エコノミストによる金融政策の解説書。日銀の政策委員を務めている時に行った金融緩和政策について、実施の詳細と意図、効果を正確に書いている。また、米欧の金融政策の詳細と、それぞれの比較など、学術的に有意義な書籍だと思う。ただ、私の知識が浅いため、すべてを吸収することができなかった。
「日本を含むアジアの輸出が大きく伸びていくことは期待できないといえます。日本を始めとする主要国は。輸出の量よりも付加価値の高い輸出を増やして、企業収益を高めることに軸足を移しつつあり、この傾向はさらに拍車がかかると思われます。また、このことは金融緩和の副次的効果として通貨安をもたらしても輸出量の拡大には結びつきにくい -
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日本は世界基準とズレている。
脱炭素に関しても同じであるため、日本だけを見ずに世界の動向を押さえることが重要となる。
脱炭素はコストだけでなく機会ともなり得るが、
価格添加できるかどうか、がポイント。
日本では、なかなか難しい可能性あり。
カーボンプライシングは、制度として、
脱炭素への取り組みを促す可能性あり。
炭素税をかけるか、排出量取引権をあたえることで
脱炭素へのモチベーションにつながりうる。
また、投資家側の動きとして、
ESGを重視することも、企業の取り組みを加速させうる。
まずは、現実誰がどれだけ排出しているかを可視化するために、スコープ1-3に取り組むことが大事である。 -
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大手銀行は不動産関連の投資はREITにする。地方銀行や信用金庫は、個人に積極的に融資している。
スウェーデンは移民や難民の受け入れで住宅価格が高騰している。
バブル期の株の外国人保有率は7%前後。今は30%前後。
ブルーデンス政策=持合株式の日銀による取得。現在は売却中だが、その分ETFを買っている。
個人は身の丈消費。
企業は利益が伸びても売上が伸びているわけではないので積極的に設備投資はしない。
日本型デフレ。需要不足が構造的になっている。
統計的に物価が下がっても上がったと思ってしまう消費者心理がある。食料とエネルギー価格に反応しやすい。
ファースとフード店が、人手不足で深夜