あらすじ
「お金」の過去・現在・未来を見つめる。
価格の乱高下だけが注目されがちな仮想通貨ですが、実は、金融市場のみならず、私たちの生活さえも、大きく変えていく可能性を秘めた存在なのです。本書では、仮想通貨登場までの「お金」の歴史を振り返り、「お金」の本質を明らかにしたうえで、仮想通貨がこれまでの「お金」の概念を大きく変えていく時代(仮想通貨時代)にあって、私たちはどのように「お金」と向き合っていくべきなのか? また、私たちが経済的な豊かさや自由を、どのように実現していくべきなのか? など、「お金」にまつわる様々な疑問について、かつて日本銀行政策委員会審議委員として金融市場の表も裏も知り尽くした著者が、わかりやすく指南します。
※この作品はカラーを含みます。
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Posted by ブクログ
ただの紙切れでしかない紙幣に我々なぜ金銭的な価値を信じているのか。
その疑問について経済史的な側面から順序立てて説明してくれる概説書。
「教科書」というタイトルが付いているように概説的な部分が多いが、基礎的な内容からよく理解できた。
高校の日本史や世界史では、つい理解が疎かになりがちな、銀本位制や金本位制の歴史的な流れが理解できた。
現在の「お金」の問題についても解説されている。日銀の異次元緩和がどのような効果があるのか、ただのデータでしかない「仮想通貨」がなぜ「お金」として機能するのか。地に足のついた解説がなされている。派手さはないが、入門書として、良書と言える。
Posted by ブクログ
・兌換紙幣とは、金や銀などとの交換が保証されている紙幣。それ自体に物質的価値はないが、「交換の保証」によって価値を持つ。
・不換紙幣とは、そういった何らかの物質と交換の保証を持たない紙幣。つまり、人々が「それ自体に価値がある」という信用によって価値を持つ。
その後、金の一定量と紐づけられる金本位制へと移行。
不換紙幣の現代において、中央銀行は「物価を安定させる」ことが至上命題である。
●中央銀行が行う金融政策とは何か?
日銀に開設された各金融機関の当座預金の額を増やす
基本的には、低金利で日銀から各金融機関に貸し出しを行うのが伝統的な金融緩和。(資産は貸付金の増加)
異次元緩和は、日銀が金融機関から国債を買い上げて、金融機関の当座預金額を増やす。(資産は国債の増加)
●インフレ目標とはなにか
2%程度のインフレターゲティングによって、物価を安定させることを目的としている。
それは、デフレに陥るのを防ぐために、あえてインフレ方向に持っていくことを目標にしている。
●そもそもデフレマインドって何?
本当の意味は、「物価がどんどん下がっていくだろうと考えることで、もっと先に買おうと考え、買い控えが起きて消費が冷え込むこと」である。
にもかかわらず、一般消費者の声としては「物価が上がっていくだろう」と考えている。
企業の淘汰が必要なのではないだろうか。企業数が多すぎることで、
日本の経営者数の推移はどうだろうか。これが昭和から比べて増えていっているようなら、給与は増えていかないのかもしれない。