岩崎周一のレビュー一覧
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初期にはスイスを、後にはオーストリアのウィーンを根拠地としたヨーロッパ随一の一族。かつての定説では、当初諸勢力の中でも「無難だから」との理由で神聖ローマ皇帝に選出されていたとされていたが、実際にはすでに勢力を築いていたとされている。15世紀末からのマクシミリアン1世は、生涯に27もの戦争に繰り出し領土を拡張していく。また、ブルゴーニュ公女との婚姻などを通じて南ネーデルラントを得るなど、政略結婚がその代名詞となる。ただしこの時代において政略結婚は一般的で、ハプスブルクだけのお家芸というわけではないため、結果として政略結婚が奏功したというのが著者の見解である。
その後はカール5世、フェリペ2世とい -
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1375
448p
岩﨑周一
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程総合社会科学研究専攻修了。博士(社会学)。京都産業大学外国語学部ヨーロッパ言語学科ドイツ語専攻教授。出生地は東京(中野)ですが、千葉、山梨、東京(国立)と移り住み、2012年4月から京都で暮らしています。まだ冷戦期の1984年に西ドイツで一年間生活したことは、ひろく世界に目を向け、ヨーロッパの歴史と文化に興味を抱く重要な契機となりました。院生時代にオーストリアの首都ウィーンで二年の留学生活を送ったことも、忘れがたい思い出です。このように複数の国・地域で暮らした経験は、今の私のパーソナリティにも影響しているように思います。
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ハプスブルク家に関する本は既に数多あり、そこに新たに切り込むには何らかの新奇性が必要なのだろう。本書にも「新たなハプスブルク家」像を描き出す様々な試みが散見される。例えば、王国の支配には中世ヨーロッパ封建制を支えた「諸身分」の支持が不可欠であったことを根拠に、当家が政略結婚で伸長した勢力であるとのステロタイプを否定しようとしている。曰く、政略結婚は世の常でありひとりハプスブルク家に限ったことではない、と。
では、ハプスブルク家がヨーロッパの大勢力になるべくしてなったというその理由は、本書ではどこにあるとされているのだろうか。強いて一言でいえばそれは、カール5世の治世で確立された「複合君主 -
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気になっていたハプスブルク家について知っておこうと思い手に取った一冊。研究者が一般向けに書いた新書なので、多少堅い感じもしますが、それなりに読みやすかった。ハプスブルク家の1000年を通じて、馴染みの薄い中欧・西欧の歴史と地理が少し身近に感じられ、機会があれば訪問したい気分になります。高校時代、現代の国民国家の知識で世界史・西洋史をざっと学んだときは、神聖ローマ帝だとかオーストリア・ハンガリー帝国なんて言われても全く分からなかったが、本書を通じて雰囲気をつかめた。日本の歴史との比較、特に明治維新から世界大戦までのあたりを比較するとより楽しめそう。中欧・東欧という内陸の多民族における君主制の歴史