足立照嘉のレビュー一覧
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GDPR (General Data Protection Regulation)が2018年5月にヨーロッパで施行された。本書はもしかしたらこれは大変なことになるのではと注目を集めるGDPRについて解説したものだ。
「Regulation」とはEUの法制度の中では、「Opinion」、「Decision」、「Recommendation」、「Directive」よりも強いものであり、EU加盟国の国内法によらず適用されるものである。GDPRの内容が正確に理解されていないこともあるが、個人データの厳密な取り扱いを定めて、EU加盟国内に従業員や顧客がいれば例外あるが対象になり、制裁金による罰則も -
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単なるGDPRの解説書というよりは、具体的にEU加盟国で取り組んでいる対策事例を散りばめた「実践本」と言えます。
現時点では日本がGDPRの十分性認定に採択されるかどうかは定かではありません。仮に十分性が採択されたとしても、GPDRが規定する規則をガイドラインとして遵守することで、個人情報の活用においてアドバンテージが得られることには変わりないと思います。
本書にもありますが、GDPRにおける重要なキーワードは「技術的および組織的対応」です。これは、「セキュリティ対策」と「ガバナンスおよび教育」のことに他なりません。
データ社会の中でデータ主体の権利を保護しつつ、個人情報をビジネス競争力 -
Posted by ブクログ
著者の足立さんとは一度、飲み会の席でご一緒させていただいたことがある。そのときに本書の中にもそれらしいエピソードが出てきた超VIPバンドのボーカルと一緒の写真を見せてもらったのが印象に残っている。とにかく世界を股にかけてご活躍されていると印象をもった。セキュリティ技術は、現在AIとともに価値の高い技術であることは間違いない。技術者が不足しているということではAIよりも需要は高いのではないだろうか。そういった業界の中で早くからグローバルでご活躍されている足立さんの著書であるので、楽しみ。
内容はかなりかみ砕いたもので、専門的な知識を持っていなくても読みこなすことができる。サイバーセキュリティに -
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著者は2000年代初めから活動してきたサイバーセキュリティー専門家。
身近なニュースでは見るものの関与していなければ遠くに感じるサイバー犯罪。しかしながら、実態はすぐ身の回りに差し迫っている。まるで製造業のようにサイバー犯罪ツールも安くて品質の良いものが流通している。犯罪者は先進国にいるかと思いきや、貧困国の住民が食い扶持を得るために足を踏み入れている。優秀なプログラマーはさらなる報酬を得られるプロ集団にスカウトされる。
いたちごっこのような情勢に、残念ながら私達が出来る対策は難しい。強いて言うのであれば、今いるセキュリティー対策に過信しないということか。サイバー犯罪は知らないところでどんどん -
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ネタバレもともとはEUデータ保護指令であったものが、2018/5/25にRegulationとして格上げされて施行されたGDPRの概要について説明する本。顧客や投資家は個人データを雑に扱うような企業を選ばなくなるため、GDPRの施行は10年に一度訪れるかどうかのオポチュニティとなり得ると冒頭から説明されており、新たな視点を得られた。GDPRは個人データの処理と移転に関する規則である。GDPRに違反しないようにするにはまずデータマッピングを行うことが有効である。これによりどこにEEA在住者の個人データがあって、対策を講じていくべきなのか理解できる。また本来的には設計段階からセキュリティやコンプライアンス
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ネタバレ第5の戦場であるサイバー空間における犯罪について入門的なレベルで記載されている書籍。特に日本はインターネット普及率が高く、サイバー犯罪は身近なものとなっているが、セキュリティ意識の低さからその対策は進んでいない。著者によると、宿泊、サービス、不動産、医療機関は特に対策が進んでいないようだ。サイバー攻撃は弱い部分に付け込まれることにより成立する。弱い部分とは技術的な側面ではなく、人であることが多い。書籍ではサイバーを地政学と捉えつつあるという記載箇所があったのだが、あまり踏み込まれた内容となっていなかったため、調査してみようと感じた。