あらすじ
大規模サイバー攻撃により、チェルノブイリ原発一時停止。
原発、病院、銀行、交通機関――日本も狙われている!
世界中の貧困層や若者を中心に、ハッカーは「ノーリスク・ハイリターン」の夢の職業だ。同時に、サイバー犯罪による“収益”を資金源とする犯罪組織やテロリストは、優秀なハッカーを常に求めている。両者が出会い、組織化され、犯罪の手口は年々巧みに。「気付かないうちに預金額が減っている」といった事件も今や珍しくないし、数十億円を一気に集めることも容易い。一方で、日本人は隙だらけ。このままでは生活を守れない! 日々ハッカーと戦うサイバーセキュリティ専門家が、ハッカーの視点や心理、使っているテクニックを、ギリギリまで明かす。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハッキングビジネスは「ノーリスク、ハイリターン」の夢の職業。
★転職を考えているならサイバーセキュリティについて考えた方がいい。年齢問わず、今から始めても遅くはない。
サイバーセキュリティについて深く関心をもつことができる本。
Posted by ブクログ
著者の足立さんとは一度、飲み会の席でご一緒させていただいたことがある。そのときに本書の中にもそれらしいエピソードが出てきた超VIPバンドのボーカルと一緒の写真を見せてもらったのが印象に残っている。とにかく世界を股にかけてご活躍されていると印象をもった。セキュリティ技術は、現在AIとともに価値の高い技術であることは間違いない。技術者が不足しているということではAIよりも需要は高いのではないだろうか。そういった業界の中で早くからグローバルでご活躍されている足立さんの著書であるので、楽しみ。
内容はかなりかみ砕いたもので、専門的な知識を持っていなくても読みこなすことができる。サイバーセキュリティに関して世界でどのようなことが起きているのかの比較的一般向けだが意識が高い諸氏向けの警告書だ。最近のニュースを賑わせたものだけでも、ランサムウェア、IoTボット、などがある。IoT機器によるDNSへのDDoS攻撃で東海岸のネットが不全になったのは衝撃的でもあった。そして、それ以上に気が付かずにいるセキュリティ攻撃がごまんとあるということでもある。
著者が強調するのは、現在のハッキング・ビジネスは経済合理性があるということだ。能力さえあればほとんどノーリスク・ハイリターンの魅力的なビジネスであるという。特に日本は著者の世界的な基準に照らしても、サイバー空間のセキュリティに対する意識が低いという。サイバー犯罪に関してはマスコミも正しく理解できていないため、一般人もその理解は進まない。経済合理性があるところでは、あなたがそうしなくても物事はそのように進む。通常の泥棒と同じく、サイバー犯罪者は対策が取られているところは避けて、弱いところを狙って攻撃をしかける。その方が効率がよいからだ。具体的に、宿泊関連、サービス業、不動産、医療関係などを挙げている。そういった狙われる側の人たちはこういった本も当然手にすることはないのだろう。その経済合理性のもとになっている環境を変えていかないといけない。それは、一般の意識を上げていくとことよりももっとシステマティックで強制力のあるものになるような気がする。
ハッキングは、まさしく業界として成立していているようだ。サイバー犯罪を行うためのツールも簡単に入手できるし、それらツールを供給する業者の多数存在して、サポートもサービスまでついてくるという。守りと攻めでの情報の非対称性が大きすぎる。将来については楽観的になるべきだと考えているが、それも多くの人が痛い目に会ってからのことなんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
著者は2000年代初めから活動してきたサイバーセキュリティー専門家。
身近なニュースでは見るものの関与していなければ遠くに感じるサイバー犯罪。しかしながら、実態はすぐ身の回りに差し迫っている。まるで製造業のようにサイバー犯罪ツールも安くて品質の良いものが流通している。犯罪者は先進国にいるかと思いきや、貧困国の住民が食い扶持を得るために足を踏み入れている。優秀なプログラマーはさらなる報酬を得られるプロ集団にスカウトされる。
いたちごっこのような情勢に、残念ながら私達が出来る対策は難しい。強いて言うのであれば、今いるセキュリティー対策に過信しないということか。サイバー犯罪は知らないところでどんどん高度化している。この書籍が書かれたのは2017年なのでこの数年で全く違った様相になっているかもしれない。
Posted by ブクログ
第5の戦場であるサイバー空間における犯罪について入門的なレベルで記載されている書籍。特に日本はインターネット普及率が高く、サイバー犯罪は身近なものとなっているが、セキュリティ意識の低さからその対策は進んでいない。著者によると、宿泊、サービス、不動産、医療機関は特に対策が進んでいないようだ。サイバー攻撃は弱い部分に付け込まれることにより成立する。弱い部分とは技術的な側面ではなく、人であることが多い。書籍ではサイバーを地政学と捉えつつあるという記載箇所があったのだが、あまり踏み込まれた内容となっていなかったため、調査してみようと感じた。