西和彦のレビュー一覧
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これも長らく積んだままになっていた本であったが、1980年代半ばにFM-77を買った私にとっては、興味深い話のオンパレードで、早く読んでおかなかったことを後悔した。
当時の私の愛読書は「I/O」、「マイコンBASICマガジン」とたまに「ログイン」であったが、I/Oに西氏が関わっていたとは知らなかった。「アスキー」には、なぜか手が伸びず読んでいなかった。
モトローラのCPUである6809の機械語を勉強しようとしたこともあり(挫折したが)、本書で語られるインタープリタ言語(ここではマイクロソフトBASIC)の重要性は腑に落ちるものであった。
それにしてもパソコンの未来がよく見えていた人で、エポック -
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アスキーの社長であった西氏の自伝。マイクロソフトの創生期にビルゲイツとともにOS開発や売り込みをしていた日本人がいたことは全く知らなかった。マイクロソフトではビルゲイツと喧嘩し、アスキーでも創業仲間と喧嘩し苦境に陥るなど、輝かしい功績とともにたいへんな苦労も数多く経験している体験談は、とても興味深い。GAFA創業者を代表とする自己資産〇兆円といった大金持ちの成功も、綱渡り的な紙一重の決断の連続であって、その事実や真実を知ることはとても良い勉強になると思う。また、国家の力や人間関係の重要性をあらためて強く認識した。
「還暦とは、60年で干支が一回りして、再び生まれた年の干支にかえること。いわば -
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日本の、いや世界のコンピューターの歴史の半世紀を反省記というタイトルで駆け抜ける本。いや、めちゃ面白かったです。遭遇、萌芽、武器、船出、ゲリラ、進撃、伝説、開拓、対決、未完、決別、瓦解、暴落、ブラック、造反、屈辱、陥落、撤退、負け犬、再生、それぞれの章のタイトルが端的に示すジェットコースター人生。むかしSONYのスローガンに「デジタル・ドリーム・キッズ」という言葉がありましたが、西和彦はまさに「デジタル・ドリーム・キッズ」なのでありました。ポイントは「キッズ」で、まるで半ズボンをはいたまま、コンピュータービジネスを駆け巡った記録。というか、ぼやき。「あ~あ、バカだなぁ…」というため息。大人にな
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ネタバレITの源流を辿ると必ず西和彦にぶち当たる。
MSXの立役者、MSの初期ボードメンバー MS DOSの関わり PCの黎明期のキーマンといえば西和彦である。
パソコン雑誌では、アスキー派、ソフトバンク派と分かれていたが、自身は圧倒的にアスキー派だった。
アスキーの方が知的な感じがしており、贔屓目で見てしまう。
圧倒的なメインストリーム、ITという言葉がない時代、現在に至るまでの生き様を語ることがどれだけ今後の起業家に役立つことがあるのかという点で待望の半生記である。
IQは高く、論理思考適性が高い。いわゆるパソコン雑誌オタクである。しかし、人間の感情に関して頓着しない、大きな度量を持って当た -
購入済み
伝説の方
著者のお名前は存じておりましたが、本書を読み初めてこれほど大きなことを為されてきた方だったんだと知れました。
そしてこれだけ血を流しながら自分の道を走り続けてきたんだとも。
色々書いても薄い感想文にしかならない
まずは本書を読んで頂きたい。
というのが正直な感想です。 -
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MS本社元副社長、国内PC市場の立役者、ジョブズからスカウトされた男。西和彦氏の燦然たる経歴。彼の自伝が面白くないわけがない。随所で語られる逸話と伝説の裏話(いずれも西氏目線なのでそこは割り引いて)を楽しめる一冊。西氏の猪突猛進の行動力と話をまとめる外交力とそれを形にする実現力が素晴らしい。ゆえに彼がもっとも苦手だったのが妥協であり、その強すぎる執着が裏目に出てしまったのかもしれない。後半の物語では彼はMSや半導体やPCではなく本当は「アスキーの西」に尽きせぬ愛情があったことが分かる。「いまとなっては」と比較的明るく語られる非常にヘビーな出来事の数々は読者にとっては楽しく読め、「反省」といいつ
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0→1
1→100
これらは違う。ビルゲイツは1→100
西さんやジョブズは0→1
天才(この言葉を安易に使いたくないが)が見えているものと、凡人が見えているものは違う。
上から下は見えるが、下から上は見えない。
バイタリティ溢れる起業家のケースとして大変参考になった。
みな誤解しているが、成功者=人格者ではない。
もちろん結局は苦労ののちに、自らのフィロソフィを確立し、人格者に成っていく。
そのプロセスを、本人の偽らざる言葉で書かれたものが本書である。
西さんがどうのとか、単眼てきな視座ではなく
黎明期の起業家とはこういうものだというケースの一つとして大変参考になる。
わたくし自身も