ナナカワのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵に描いたような典型的な「優等生」の茜。思ったことを言葉にして行動を起こす自由奔放な青磁。
青磁は茜に嫌いだと言い、茜はそんな青磁を苦手に思う。
茜は「優等生」の仮面を被り、誰からも好かれようと努力することでどんどん苦しくなっていく。
そんななか正反対の2人は少しずつ交流し、仮面が徐々に剥がされていく。
気持ちが曇ると周りの景色は澱んで見える。茜の灰色な世界が、青磁という一つの光が当たって色鮮やかに塗られていく姿が、一枚の素敵な絵画が描かれていくのを見ているようだった。
高校生の織りなす、純粋な恋愛模様が眩かった。
私もこの一言を伝えられるような恋愛に出会いたい。
「夜が明けたら、いちば -
Posted by ブクログ
夜明けに一番に会いに行く——そんな青春の物語が描かれるこの小説は心を揺さぶる。
青春とは感情が混沌とし言葉が追いつかない時期でもある。本心を伝える難しさ、それを隠すための無表情や嘘。その矛盾が誰もが通る通過儀礼のように感じられる。
人はなぜ本心を言えないのか。本心を伝えることで相手を傷つけるかもしれない。あるいは心配をかけてしまう、また嫌われる恐怖がある。だからこそ顔や表情に現れる本音を無理に隠し言葉を偽る。だがその無表情が時に言葉以上に「本心」を語ってしまうこともある。
本心を伝えることは勇気がいる。それでもその言葉が真に相手に届くとき人間関係は深まり心は軽くなる。青春とはその葛藤と -
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Posted by ブクログ
私が長らく利用しているWEB小説サイト「カクヨム」様で出会った小説を書籍化した作品。ほとんど本を読まなかった当時に、切なくも美しいラブストーリーにとても心惹かれたことを覚えています。
単行本として久々に本作に触れましたが、やっぱりこの作品、大好きですね。
命が尽きる約一ヶ月を待つ入院中の少女と死神さんを中心に描く物語ということで、舞台も主に病院で、世界観は儚めで繊細。それでも微笑ましい掛け合いにはニヤけて胸キュン要素もあり。そして、終盤で起こる展開には目頭が熱くなり、感動しました。
私の「好き」が詰まったような、そんな物語でした。
少女漫画的な切ない物語やスターツ出版系が好きな方に、ぜひオ -
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