村上貴弘のレビュー一覧
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「アリ語で寝言を言いました」の村上先生のアリ本。今回も面白い。アリ愛にあふれてる。
アリは現在1万5000種。まだまだ増えるかもしれないそうだ。
初めに出てくるトゲアリの仲間だけでも、幼虫の出す糸で葉っぱを紡いで巣をつくるやつやら、クロオオアリに寄生して巣を乗っとるやつやら、満潮時水没する巣に住んでいて5℃以下であれば100時間も水中にいられるやつやら、第1章からなかなか面白い。
その小さい相手に対して、体毛を剃ったり、解剖したり、研究者たちのすごい世界。
村上先生は、分かりやすい書きっぷりで、とてもよみやすい。本の中のイラストも分かりやすくて面白い。
途中やや難しいところがあったから -
Posted by ブクログ
あるラジオ番組で、著者の村上さんがゲスト出演されており、お話がすごく面白かったので、もっとしりたと思い、こちらの本を手に取った。
アリの社会がこんなにも複雑で、かつ、そのシステムがこんなにも多様性に富んでいるということを知らなかった。さすが5000万年の歴史を持つだけのことはある…
子どもを生まないけれど同胞のために休みなく動く働きアリ、勢力互角のため直接対戦を避けるハキリアリとグンタイアリ。働きアリを騙してコロニーを乗っとるサムライアリ…つい今の人間社会に投影してしまった。
人類より遥かにながい生命の歴史を持つアリから学べることはかなり多そう!研究は大変そうだけど頑張ってほしい。応援してます -
Posted by ブクログ
ひたすらに面白い。アリは社会性のある生き物、ということだけはよく聞くが、その詳細は知らなかった。多くの人はそうなのではないだろうか。
どうやら働き者らしい、この「アリ」という生物。
ひとくちにアリと言っても多様な種類があり、それだけの社会の形態がある。
直接的には子孫を残さない「働きアリ」がせっせと働く背景には「利己的な遺伝子」が暗躍していたり、「働きアリの法則」にはアリの種類による違いがあったり。身近なようで知らなかったアリの世界がらありありと提示される。
そして何よりも、村上先生の情熱。この情熱に触れられるという点が、本書のもう一つの醍醐味だ。
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Posted by ブクログ
真社会性生物のアリ。5千万年前からほぼ現在と同様の形態。その魅力にハマり研究する筆者。真摯な研究態度に好感が持てる。
真社会生物とは、集団が協力して子育てを行い子供を産まない個体が存する、繁殖だげ行う女王が存在、世代が重なるという特性を持つ。ハチ、アリ、シロアリやハダカデバネズミなど。
筆者はハキリアリという巣でキノコを育てるアリの研究者。本書はハキリアリをはじめグンタイアリ今流行りのヒアリなどの不思議な生体と研究生活を実に分かりやすく語る。複雑かつ巧妙な生態がどのような過程で獲得されたか、謎が多い。
ヒトの歴史はたかだか20万年、5千万年の歴史のあるアリ社会は環境の変化に対するヒトの社 -
Posted by ブクログ
アリの社会から、ヒト社会が学ぶこと目指すこととは何か、について考察されていました
ヒトは誕生してまだ20万年で、アリに比べるとまだまだ若い(アリは数千万年)
アリの利他的で真社会性が整っている行動は、数千万年を乗り越えて進化してきた結果である、と書かれていました
アリの行動は、原則上記の通りなのですが、種類によってめちゃくちゃ働く種類、ほとんど働かない種類、別の種の巣に居候する種類、子孫の残し方など様々であることは興味深かったです
また、働き過ぎるアリは、のんびり暮らすアリよりも寿命が短いことはとてもドキリとさせられました
アリの言語を解読しようとしているお話もとても面白かったですし -
Posted by ブクログ
世の中には色んなものを見ている人がいるんだなぁと思いました。
誰もが身近で知っている「アリ」について。
でも、読んだら全く未知の世界が広がってました。
おしゃべりをするハキリアリ、
キノコを育て農業をするキノコアリ
アギトアリ、アミメアリ、パラポネラ‥など、聞いたことのないアリ、アリ、アリ、アリ…
なんと多種多様なアリがいることか!
女王アリ誕生のメカニズムも実に様々。1つのコロニーに1匹だけかと思ってたら、多数いるものもあり。
知れば知るほど驚きの生態!
でもそれを知るためには地道でチマチマした実験と危険なフィールドワーク。
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60匹ものアリの身体に個体識別のマーキング、顕微鏡で15分毎 -
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アリ研究者のエッセイ。タイトルがキャッチー。
著者の専門は「菌食アリ」と呼ばれる、ハキリアリやキノコアリである。彼らは農業を営むアリとも言われていて、巣の中に畑を作り、そこでキノコなどの菌類を育てて女王や幼虫の餌にしている。ハキリアリは葉っぱを切って運ぶことからその名がついているが、この葉っぱを直接食べるのではなく、キノコを育てるために使う。
アリは社会性動物であり、ハキリアリも女王を中心として、育児やキノコ栽培といった複雑な社会生活を送る。その際にはもちろん、コミュニケーションが必要なわけだが、従来いわれてきた「におい」によるコミュニケーションに加えて、音声のコミュニケーションがある、とい -
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キノコアリ種 ハキリアリ、ムカシキノコアリ ウロコキノコアリ(祖先)
巣の中にキノコ畑 中南米生息
マヤ文明神話集 Popol Vuhにもハキリアリは出てくる
「そのう」で発酵させた食べ物を吐き出してキノコ酵母のつぶにする。
女王アリと幼虫のえさに。
アリの巣にしか存在しない共生菌。それに寄生するそこにしかいない寄生菌。
寄生菌の抗生物質をだすバクテリアがアリの体内に。
農業とは、人間が代わりに「穀物の社会」を進化させられたもの?
世話するエネルギー>農作物のエネルギー
教科書が正解ではなく、自分のスキルとデータから論を構築。新発見につながる。
フェロモン
アリは捨てら -
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アリの社会には働かないアリが一定数いるという。怠けているわけではなく仲間が疲れたときに代わる「控えの戦力」だ。しかしすべてのアリが常に働き続けるとどうなるか。過労死するアリが増え社会全体の維持が困難になるという。
これは人間社会にも通じる。効率を追求しすぎると余裕がなくなり組織の持続可能性を失う。ではなぜ働かないアリがいることで社会が安定するのか。研究によれば労働に偏りがあるほど全体の生産性が向上し危機に強くなるという。
適度な休息と役割分担が社会の安定には不可欠なのだ。個々が支え合い休むことで全体が健全に機能する。アリの世界から学べることは多い。
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Posted by ブクログ
きっかけは、2024年10月7日の文化放送「田村淳のNews CLUB 今週のスゴイ人」に著者の村上貴弘さんがゲスト出演し、とても楽しそうにアリの話をしているのを聞いたことでした。村上貴弘さんはおしゃべりをするハキリアリの研究を深めた結果、アリ語で寝言を言う筋金入りのアリ研究家。
アリがこの地球に出現したのは約1億5,000万年前。約5,000万年前にはほぼ現存する属が出現し、その後さらに、多様な環境に適応する中でさまざまな種に分かれていった。現在、分かっているアリの種類は約1万5,000種。アリはほかの昆虫が到底生きられないような場所にも適応している。例えば、酷暑の砂漠や、極寒の地や、海中