スティーヴン・ミルハウザーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
11歳で夭折した天才作家エドウィン・マルハウス。
その伝記を親友であるジェフリーが記した。
という設定の物語。
主人公が少年で、わたしが女性であるからエドウィンやジェフリーの気持ちがよくわからないのかもしれない。
エドウィンが魅力を感じた物事に、記憶に残る少女だったわたしは特に興味も無かったように思う。
ジェフリーはエドウィンを天才と言うが、エドウィンが感性豊かな少年だとは思うものの、だから天才というのとも違うように思う。
こういうところがわたしの平凡さなのかもしれない。
エドウィンが気に入った子の影響を受けすぎるところも自分に重ねられない。
好きになったローズやアーノルドに影響されるエドウィン。こういうところに感性の豊かさは感じられるが、独創的とも思えない。天才的な発想は模倣からはじまるという考え方もあるかもしれないけれど。
少年の物語であるが、健やかさや爽やかさは感じられず、同級生の死といった暗い出来事の多い、不穏な空気に満ちた作品だった。
ジェフリーがエドウィンについて離れない様子も奇異に感じられる。
こういったことを読者に感じさせるつもりで作者はこの作品を書いたとも考えられる。
なんというか、エドウィンもジェフリーも気味が悪い。
大人の気味が悪い描写は大丈夫だけれど、子供の気味が悪い描写は苦手なのかもしれない。
子供らしさというありきたりな物差しで、子供を計ろうとするツマラナイ大人になった自分に気づかされる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
とある子どもの伝記作家がとある子どもの作家の人生を書いた物語。エドウィンの一生が生れた際から順を追って書かれているのかと思いきや、序盤のほうでは急に成長しているエドウィンとジェフリーが出てくる場面があって、少し混乱してしまう。でも、読み続けているうちに、「ああ、これはこういう意味のある場面だったのか!」と納得できるし、最初を読んでしまえば、あとは基本的には時間軸通りに物語が進んでいるので、読みやすくなる。
エドウィンは普通の子どもだと思う。ジェフリーはエドウィンを天才であるかのように扱っているけれど、どちらかというと天才というか非凡なのはジェフリーだと思う。でも、彼はあえてエドウィンの影に潜みながら、子どもとは思えない観察眼と筆致でもってその一生を書いている。所々に多すぎるほどの自分の意見や自分の身に降りかかった出来事を書いているところを見ると、ジェフリーはただ純粋にエドウィンの伝記を書きたかったのではなく、その平凡さを嘲笑するのが目的で書いたのではないかと疑ってしまう。そう思わざるを得ないほど、ジェフリーの目は、ただ尊敬する友達としてエドウィンを見ているようなものではないと思った。
最後の結末は夏の夜に相応しい、怖いオチだった。
それと、改行がほどんどなくびっしりと文章が書かれているため、読むのに苦労した。ミルハウザーを読んだことがなかったので、短編なんかを読んで、ある程度作者に興味を持ったうえでこの長編を読めば苦しまずにすんだかな、と少し後悔した。