水野忠夫のレビュー一覧

  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    ピラトゥスの二千年の苦悩からの解放は、「進撃の巨人」にも通じるものがある。最近、映画「パッション」を見たところなので、タイミングも良かった。ゴルゴタ、悪魔、魔女、猫、時空の超越、正にファンタジー。

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    2025年07月18日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    第一章の「見知らぬ人と口を聞くべからず」という題は個人的に好きで、本書が良い本である気配がして安心して読み進められた。

    ビブリカルな話を持ってきたりするのは典型的だが、ピラトをトピックに選ぶのは珍しく、興味深い。本書は第一部(上巻)だが、第二部(下巻)に向けての結びの言葉、トランジションも素晴らしい。

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    2024年01月30日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    某氏がTwetterで絶賛していたので,読んでみた.
    奇想天外なお話だが,あとがきを読んで,なーるほど,と納得.これは執筆当時のソ連の芸術弾圧,検閲を揶揄しているのね.

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    2023年12月10日
  • ロシア・アヴァンギャルド ――未完の芸術革命

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    ロシア・アヴァンギャルドを絵画/美術のみならず、文学、演劇(逆に演劇のほうが比重が大きい)の観点から、更に切っても切れないロシア革命、その後の政治的動きと絡めて解説した本。
     ロシア・アヴァンギャルドと一言で言っても、芸術史的には、美術ではスプレマティズムとかロシア構成主義とか立体未来派とか、文学的にはフォルマリズムとかがお互いに影響を与え合い(他の主義への批判も含めて)、それが純粋に芸術的な論争だけでなく、政治的な(反革命的だとかプロレタリアに寄り添っていないだとか)もからめた芸術論争であった。斯程にロシア・アヴァンギャルドは政治と切っても切り離せない関連であることがわかる。
     そして最後に

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    2023年10月16日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    ネタバレ

    こんなときだから読むというのもどうかと思うけど、ちょうど積んでいたので。とはいえ内容としてはウクライナというよりロシア文学なはず。
    さて、内容だけど、傑作。悪魔が主要登場人物であるだけにキリスト教への理解があった方がより深い読みができるとは思うけど、奇想天外な登場人物や出来事が次々と起こるのを追っていくのが単純に面白い。マルガリータが魔女になったときの堂に入りっぷりとかも。
    でも結局巨匠とマルガリータの救いが死だったのは、巨匠がずっと作品を活字に残せなかった作者の写しだと思うと悲しい。

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    2022年03月23日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    ネタバレ

    悪があるから善があるように、悪魔たるヴォランドが悪魔であるためには神と宗教が必要である。イエスを処刑したことを悔やむピラトゥスが救済されるように画策し、他方でヴォランドとその仲間たちは無茶苦茶に暴れ回る。ある意味とても悪魔らしい。

    小説の続きを書くことでピラトゥスを救済したように小説に内在する力とそれに対する思いが伝わってくる。









    ベゲモート可愛い。

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    2020年03月03日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    ブルガーコフの作品が好きで手に取りましたが、とても面白い!
    悪魔たちがモスクワを支配し、人々が次々と精神科へ送られる。
    巨匠が誰なのかとずっと気になってましたが、ヨシュア(イエス)と、悪魔たちの関係もとても気になります。

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    2017年11月22日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    まず、あらすじが素晴らしいです。
    「首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る……私につづけ、読者よ」
    まさに、息つく暇もなく行きついた先に待ち受けるのは、理解を越えた奇想天外な物語たち。
    読者の頭が変になったのか、書いてる作者が変なのかのどちらかです。
    本を閉じて現実にもどったとき、ちょっと寂しく感じてしまうほど。こんな読書体験のできる本はいくつもありません!麻薬のような魅力をもった一冊です。

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    2017年03月15日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    なかなか読む時間作れずにすんげー時間かかった。
    ロシア人の友人がわざわざ邦訳送ってくれたので読んだが、
    たしかにぶっ飛んでてびっくりした。
    存在すら知らない作家だったけど、難しい時代に書き残し、しっかり生き抜いてきただけの力がある。

    と書いては見たものの、
    やはり巻末の解説読まないとなんのこっちゃわからなかったし、
    それ読むと、なるほど、たしかにそういうことだったかと納得した。
    頑張って読み切ってよかった。

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    2025年03月26日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    上巻で名前すら出てきてなかったマルガリータがいきなり全裸で大暴れするんで引いたんだけど、結局今も昔も人は自由と許しを求めて苦しんできたのかもなぁと思ったよ。
    尚、ソ連では悪魔がいなくなろうとおじさん達が酷い目に遭い続ける…理不尽な社会……

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    2024年07月21日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    巨匠の書いた作品であるため、2,000年以上前のピラトゥスとヨシュア(イエスがモチーフ)の話も頻繁に挿入されるため、しっかりと時系列、人間関係、幻想なのか現実なのかを押さえながら読み進める必要がある。

    訳者の水野氏の力なのか、はたまたオリジナルのブルガーコフの言葉選びがうますぎるのかはわからないのだが、言い回しや言葉選びが非常に美しい。

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    2024年02月04日
  • ロシア・アヴァンギャルド ――未完の芸術革命

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    古い権威の打破と新しい芸術の創造、よほどの古典礼賛者や体制順応派でもない限り、この手のことをぶち上げない、若くて才能あるアーティストなんていないはずである。ロシア・アヴァンギャルドの特異性はこうした芸術革命と政治上の共産主義革命が一致してしまったことにある。しかも、共産主義の理想や革命が幻滅で汚されてすり減る前の、ピカピカの革命と。 戦乱に巻き込まれて荒廃し、何もないモスクワのカフェで、にもかかわらず意気軒昂に怪気炎を上げまくるアヴァンギャルドたちのエピソードが伝える高揚感のすさまじさよ。しかも、この無名とまでは言わないが、少なくとも当時の第一人者ではなかった、口ばかり達者な若造たちが、革命政

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    2023年07月06日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    キリストの話やらが割り込んできてややこしいことこの上ないのだがかなり長いのでもう一度読む気にはなかなかならない…でもおもしろかったよ

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    2023年05月08日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    トランプが舞い、血しぶきが飛び、恋する乙女は夜空を翔ける。
    嗚呼、悪魔が主催する真夜中のサーカス!!

    って感じ。イマジネーションここに極まれり。

    というわけでみんなで言おう!
    「私に続け、読者よ」

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    2020年09月24日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    既読本の印象→醜いアヒルの子の子供時代。暗い鬱々。
    ある日突然白鳥に変身したかのように陽気で明るいトーンにまごつく。しかし持ち味の1つと思っている混沌さは濃縮増量中。時にグロテスク、不条理、煙に巻く、といったバタバタ感が、やっぱり自分にはディヴィット・リンチの映像作品に似てると思うんだよー。13章でやっと主人公が出てくるけども、ひっぱってるけども、どうしたんだよ、このユーモア仕様は?と非常に自分には『今までのブルガーコフイメージ』をくつがえされ、消化できてない。しかし品があるよ。

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    2019年08月20日
  • 巨匠とマルガリータ (下)

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    下巻でやっとマルガリータを中心とした話が出てくる。最後の場面では巨匠とマルガリータが去っていくのであるが、エピローグには入っていない。

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    2018年06月23日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    はじめの方は世間話であったが、だんだん話がおかしくなってきていて、劇場の事件がクライマックス。その間にキリストの処刑の話がはいってくる。

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    2018年06月21日
  • 巨匠とマルガリータ (上)

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    タイトルからして巨匠かマルガリータが主人公なのかな?って思うじゃん。それは当たってるのよ。巨匠だと明示されてるのよ主人公は。でも露文あるあるとはいえ開始300ページまで出てこない主人公ってどうなの。で、それまでの300ページはひたすら色んなおじさんが悪魔に虐められてるのってどうなの

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    2024年07月19日
  • ロシア・アヴァンギャルド ――未完の芸術革命

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    バーリンの『ロシアインテリゲンツィアの誕生』を読んで、19世紀のロシア思想に浸ったまま、抜け出したくない気持ちから本書を手に取った。

    本書は、ロシア革命期〜ソ連のスターリンによる粛清までの間の、「ロシア・アヴァンギャルド」と呼ばれる、芸術運動を取り上げる。
    その言及する範囲は、絵画や詩にとどまらず、舞台演劇やその衣装、音楽まで幅広い。
    当時の数多くの芸術家について言及されており、筆者の知識と理解の深度に圧倒される。
    初版は1985年。
    まだソ連が地図に存在していた時のことだ。

    ロシア革命は政治革命であるが、過去を否定し乗り越える芸術の革命の試みは、それよりも早く、かつヨーロッパ全体で始まっ

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    2023年11月12日