あらすじ
「それでは、どうしても悪魔は存在しないと言うのですか?」首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る。黄色い花を抱えた運命の女、ゴルゴタを焼く灼熱の太陽……春のモスクワを舞台にブルガーコフ(1891-1940)が描く、20世紀ロシア最大の奇想小説、物語のるつぼの底に待つのは何か?――「私につづけ、読者よ。」(全2冊)
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Posted by ブクログ
第一章の「見知らぬ人と口を聞くべからず」という題は個人的に好きで、本書が良い本である気配がして安心して読み進められた。
ビブリカルな話を持ってきたりするのは典型的だが、ピラトをトピックに選ぶのは珍しく、興味深い。本書は第一部(上巻)だが、第二部(下巻)に向けての結びの言葉、トランジションも素晴らしい。
Posted by ブクログ
ブルガーコフの作品が好きで手に取りましたが、とても面白い!
悪魔たちがモスクワを支配し、人々が次々と精神科へ送られる。
巨匠が誰なのかとずっと気になってましたが、ヨシュア(イエス)と、悪魔たちの関係もとても気になります。
Posted by ブクログ
まず、あらすじが素晴らしいです。
「首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る……私につづけ、読者よ」
まさに、息つく暇もなく行きついた先に待ち受けるのは、理解を越えた奇想天外な物語たち。
読者の頭が変になったのか、書いてる作者が変なのかのどちらかです。
本を閉じて現実にもどったとき、ちょっと寂しく感じてしまうほど。こんな読書体験のできる本はいくつもありません!麻薬のような魅力をもった一冊です。
Posted by ブクログ
既読本の印象→醜いアヒルの子の子供時代。暗い鬱々。
ある日突然白鳥に変身したかのように陽気で明るいトーンにまごつく。しかし持ち味の1つと思っている混沌さは濃縮増量中。時にグロテスク、不条理、煙に巻く、といったバタバタ感が、やっぱり自分にはディヴィット・リンチの映像作品に似てると思うんだよー。13章でやっと主人公が出てくるけども、ひっぱってるけども、どうしたんだよ、このユーモア仕様は?と非常に自分には『今までのブルガーコフイメージ』をくつがえされ、消化できてない。しかし品があるよ。