生馬直樹のレビュー一覧
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中一と小六の姉弟が誘拐され、身代金の受け渡しには失敗し犯人は消え失せるも二人は無事保護される。母親はシングルマザーで夜二人だけでコンビニに行かせたところを誘拐されたことを、過激発言が売りのコメンテーターが激しく非難したことから母親バッシングが起こる。その後母親が廃ビルから転落死し、二人は養護施設に引き取られた。それから七年後、そのコメンテーターが刺殺される。誘拐事件の捜査に当たっていた刑事が二人を訪ねると、不穏な置手紙を残し彼らは行方をくらましていた。誘拐事件と殺人は関係があるのか?姉弟はどこへ消えたのか、そして誘拐事件の犯人は誰なのか。
ミステリーを軸に様々な社会問題を孕んだ話だった。
シ -
Posted by ブクログ
新潟県で誘拐事件が発生した。被害者はシングルマザーの息子と娘。生活がキツいため、身代金は払えなかったが、事態は急変。突如、二人の子供は無事に保護されたが、犯人は分からずじまいだった。これで終わるかと思いきや、テレビでのコメンテーターによる母親に対する批判をしたことから、母親に猛烈なバッシングが始まった。そして、母親は転落死した。時は流れ、7年後、旋風を巻き起こしたコメンテーターが殺された。犯人は誰なのか?もしかして、子供が復讐したのか?当の子供は、施設に育てられ、姿を消していた。
誘拐事件によって、人生を狂わされていく人達。
関係者に限らず、何も関係のない人達も「言葉」を発信したことによる -
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ん?どういうこと!?
途中まで読み進め、犯人もその手口も想像ついてしまった。また、その手口も説明によって読者に明かされるのではなく、もうちょっとスマートにさり気ない描写で示して欲しかったなと思いながらのラスト。
頭の中が一気にクエスチョンマークだらけになってしまった。
ん?ホントにどういうこと?ここで詳しく疑問を書いてしまうと完全にネタバレになってしまうので書けませんが、誰かにこのモヤモヤをほぐして欲しい(^◇^;)
主人公の陽司は中学校でバスケ部。全国大会を目指すバスケ少年だ。家庭は父親を亡くし、母子家庭で弟が1人いる。
母親はスナックで働き、そこで働く女性たちを泊めた -
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ネタバレ父親が暴力団会長の陸人。虐待を受け児童養護施設で育った航。愛人殺しの罪で服役中の父親を持つ匡海。少年時代に出会った三人は誓う。自分たちが笑って暮らせる、不条理な世の中とは「真逆の世界」を実現させると。やがてヤクザとなった彼らは、地元・新潟にある大手製薬会社の社長令嬢誘拐計画を立てるが――。苦しいほどの切なさが胸に刻まれる、衝撃の長編ミステリ。
特に期待せず何となく読んだらとてもよかった。青春、ヒューマンものだと思っていたが、後半から雲行きが変わり最後はおお!っと声が出た。ヤクザや半グレものでよく見る出生が足枷となり本人が苦しむ姿は心が痛い。匡海は航の事を歪んでいるから…と切ったが、犠牲にされ -
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ネタバレ父を亡くして以来母と弟の三人家族の『陽司』は、中学のバスケ部で全国大会へ向けて練習に励んでいた。そんな最中、母の勤めるスナックの従業員『小金井』を家に住まわせることになるが、過去に犯罪歴もあり素行の悪い彼と、陽司は度々揉めるようになる。ようやく出て行った小金井だが、弟の『良哉』に対しストレス障害を引き起こすほどの行いをしていたことを知り、激しい怒りを覚える。
やがて小金井が公園で死体となり発見され、暴行を加えた不良仲間が捕まり、事件は終わりを迎えたに見えたが…
早い段階で犯人は陽司ではなく弟だろうと察せられるのは、作者の書き方が良心的なのか。
兄弟に同情してしまうほど小金井を憎たらしく描くこ -
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タイトル「連鎖犯」
何がどう繋がった犯罪を指しているのか、
想像しながら話の中に入っていきました。
「連鎖」きっと良い言葉がたくさんあると
思うのですが、この言葉を目にして思い描くのは
どうしても「負」の影。
そんな勝手な負のイメージを持ったまま
「負の連鎖」の頭で読み始めたので、
物語の序盤に「誘拐」「家庭環境」とみて、
犯罪の動機に貧困とその先にある社会問題を
単純に紐付けて読んでいました。
それすら利用する邪な心、囚われた考え、
歪んだ思考、家庭環境や性別への蔑視、
表に見えない人間の思惑が交差する連鎖。
目に見えないものに気づくことは難しいけれど、
見えることが全てではな -
Posted by ブクログ
帯を見て面白そうだなと思い購入。
前半と後半の2部構成で、前半は少年時代の夏に起きた痛ましい事件、後半はある男が殺されたのを機にある刑事が故郷を訪ねていき、事件の真相に迫っていきます。
プロローグでは、遺体安置所のシーンになり、刑事が誰かわかるものの、この段階では誰が死んだかわかりません。
その疑問を抱いたまま、少年時代を振り返ります。
てっきり少年時代のエピソードは少量なのかと思ったら、全体の半分だったため、後半はあっさり目かなとちょっと心配してしまいました。案の定、重めな展開にはなりますが、ちょっとアッサリ感がありました。その分、少年時代のエピソードは、少年たちの心の葛藤が丁寧に描けていて