あらすじ
その男の死体が発見されたのは8月21日だった。「そうか、結局死んだのか」梨木刑事の記憶は少年時代に戻る。深い後悔が僕らのすべてを引き裂いた、あの夏の花火大会の夜に。僕らは置き去りにしたのだ――幼い少女を暗闇の山中に。刑事は故郷に戻り、かつての仲間と22年ぶりに再会し、事件の真相を解き明かす。胸を締め付ける瑞々しい情景描写が選考会で絶賛された新潮ミステリー大賞受賞作。(解説・大森望)
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Posted by ブクログ
帯を見て面白そうだなと思い購入。
前半と後半の2部構成で、前半は少年時代の夏に起きた痛ましい事件、後半はある男が殺されたのを機にある刑事が故郷を訪ねていき、事件の真相に迫っていきます。
プロローグでは、遺体安置所のシーンになり、刑事が誰かわかるものの、この段階では誰が死んだかわかりません。
その疑問を抱いたまま、少年時代を振り返ります。
てっきり少年時代のエピソードは少量なのかと思ったら、全体の半分だったため、後半はあっさり目かなとちょっと心配してしまいました。案の定、重めな展開にはなりますが、ちょっとアッサリ感がありました。その分、少年時代のエピソードは、少年たちの心の葛藤が丁寧に描けていて、瑞々しさがありました。その伏線があったからこそ、現代のパートになると、久しぶりに再開した時のぎこちなさが伝わってきました。
新潟を舞台にした作品なので、出身の方には様々な地名が登場するので、より身近に感じるのではと思います。
苦味のあるストーリーにはなっていますが、読後感は重々しくありませんでした。希望の光を点させてくれるような、前向きにさせてくれるような雰囲気を残しつつ、終わるので、しっとりとジーンとした空気にさせてくれました。読み終わると同時に夏が終わったなとふいに思ってしまいました。