水島治郎のレビュー一覧
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現在のオランダだけでなくベルギー、ルクセンブルクを含めた現在のベネルクス、ネーデルラントの歴史を著した内容。
・オランダ=ホラント(オランダ国内の州)
・面積は九州とほぼ同じ
・実質的な国政の中心はハーグ
・ほとんどが海抜200m以下。最も標高の高い場所は海抜323mのファールゼルベルク。つまりオランダには高い山は存在しない。
地盤沈下によって自然排水が困難になったことから導入されたのが、13世紀ごろに神聖ローマ帝国から伝わった風車です。もとは小麦の製粉などに使われていたが、これを排水(水を汲み上げるため)の動力として利用しようと考えられた。
アムステルダムという名は、「アムステル川に築かれ -
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イギリスがEU離脱を選び、トランプ米大統領が当選を決めた2016年出版。
ポピュリズムに関心を持った方が最初に読む本としてオススメ。
世界各国のポピュリズム現象について、理論と具体例をバランスよく記述し、その功罪を中立的に取り扱っている印象。
ポピュリズムに分類される個々の政治家や政党について、その来歴や活動を物語る部分に分量を割いているのが特徴。(西ヨーロッパの事例が大半で、ラテンアメリカは概略、日本やアメリカは所々で軽く触れる程度、東ヨーロッパはほぼ欠如)
まず第1章で、ポピュリズム全体の形式的な共通性を整理。
次の章からは、ラテンアメリカを概観したあと、西ヨーロッパ各国の具体例を取り -
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ブレグジットやトランプ当選、日本は対岸の火事だと思っていて良いのか?
本著は、ヨーロッパ政治史専攻の比較政治学者さんによる、ポピュリズムについての「冷静な解説書」です。各国でのポピュリズムの勃興について、非常にわかりやすく整理されているので、この1冊だけで知った気分になれます(笑
にべもないコトを言ってしまうと、結局ポピュリズムもマーケティングと一緒で、本著で言う「置き去りにされた人々」は、既存の政党(サービス)がカバーできていなかった層のことで、「そこブルーオーシャンじゃん!」とポピュリズム政党が食いついたと。
当たり前なのですが、グローバル化やらICTの導入やらが進む中で社会構造は変わり -
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既存政党の主張の差が見えなくなって,その隙間で成長を始めたポピュリズム政党について,その歴史や地域差を明確に示してくれる好著だ.主張の中心が人民で,エリート批判を強め,カリスマ的リーダーが特徴であるポピュリズム.ラテンアメリカでは大資本に翻弄されて苦しい生活を余儀なくされた一般大衆を巻き込んだポピュリズム政党が多い中で,民主主義の牙城であったヨーロッパではやや違った形のポピュリズム政党が生まれてきている.ヨーロッパではどのポピュリズム政党でも福祉排外主義と呼ばれる反イスラムを前面に出す例が多い.オーストリア,ベルギー,オランダ,デンマークの事例を挙げた後で,スイスの国民投票を軸にしたポピュリズ
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ネタバレかつてポピュリズムは、少数派支配を崩し、デモクラシーを支える解放の原理として出現したが、現代では排外主義と結びつき、抑圧の論理として席巻しているようである。
ポピュリズムとは、①固定的な支持基盤を超えて、幅広く国民に訴える政治手法、②人民の立場から既成政治やエリートを批判する政治運動をいう。
その特徴としては、民衆と直接対話するカリスマ的指導者の存在が挙げられ、党内手続きや、ポリティカル・コレクトネスといった政治的配慮に縛られる既存の政治家や官僚とは一線を画している。また、支配層のイデオロギーや価値観が変われば、ポピュリズムの主張も合わせ鏡のように変わるため、イデオロギーは比較的薄いのも特徴で