ヰ坂暁のレビュー一覧

  • 僕は天国に行けない

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     死んだらどうなるに向き合う若者たちの姿に共感しました。自分も死んであの世がなかったらという恐怖にたまに囚われるタイプの人間なのでこの手の題材はとても気になるのですが、本作は死んで無になることへの怖れに震える人の姿とそれでも天国や霊魂を信じたい若人たちのもがく姿が印象的でした。
     思春期特有の悩みと一蹴してしまえる死についての苦悩。あの世なんてないと撚たことを言うのは簡単でもいざ死が間近に迫ったらを考えると天国を願ってしまう。本作では天国に至ることのできた人とそれを見ながら今を生きるしかない人の関係がとても良かったです。たぶん、自分の神のような友人が死んだら主人公のように自分のために悩むことに

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    2023年09月18日
  • 舌の上の君

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    ネタバレ

    感情の移り変わりの描写が自然で
    あれだけアイサを食べることを嫌がっていたのに、
    神を感じさせるや俺はアイサなんだなどと言ってしまうような心の移り変わりはホラー

    残酷だけど救いのある物語かと思ったけれど、最後には救いはなかったのではないかと思ってしまうようなものだった

    ミステリーの要素、伏線もあり楽しめた

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    2025年02月27日
  • 僕は天国に行けない

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    「死」とは何かを考えさせられる作品。
    自分の世界の中心とまで思っていた親友の余命宣告。
    受け入れられない中の親友突然の死を目の当たりにする。
    悪天候の中橋から落ちてしまったのだ。
    ただこの死には不可解なことがあり、主人公の鳴海は謎の少女奥城と共に調べ始める。

    人は死んだらどうなるのか?
    これが物語の最大の謎であり鍵となる。

    美しいながらもどこか不気味で魅了される雰囲気で、緻密に描かれる展開。
    見事に騙され最後は感嘆する。
    最後の最後まで綺麗事ではなく「死」に対して切実で敬意が感じられた。

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    2024年05月07日
  • 僕は天国に行けない

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    「死んだらどうなるのかな、人って」
    親友にそう問われた俺は、何も言えなかった。彼の余命はあと数か月だったから。
    翌朝、彼は子供を助けようと川に飛び込んで溺死した。
    その川であった謎の少女は、これは事故ではなくトリックを使った自殺だと告げ、俺に捜査を持ち掛ける。


    死んだらすべてが終わりなのに、なぜ生きているのか。答えのない問いを追及する絶望と祈りと救済の小説です。
    親友の死、それに関連する連続猟奇殺人事件の真相を探るミステリと言えばミステリなのですが、本題はそこではなく、どちらかと言えば「人は死んだらどうなるのか」「死とは一体何なのか」を突き詰めた一冊。
    綺麗事だけではない、死への恐怖や大切

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    2023年02月04日
  • 僕は天国に行けない

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    「世界はホスピスみたいなものだと思ってる」

    最後まで、まんまとミスリードされて読んでしまった。でもこの作品の本質はミステリーではないから素直に誘導されてよかったんだろうと思う。
    結末はバタバタとした印象だけど、思わず泣いてしまった。救いがあるのかないのか…途中までは胸くそだったけど、でも救われたような気がするからきっとこれでいいんでしょう。現実よりは少し救いがあるお話。
    ガラムスーリヤ、一度吸ってみたい、そして咽せるところまでがお約束。

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    2020年12月20日
  • 舌の上の君

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    普通に亡くなった方も
    弔いに食べる食人習慣の文化に対して
    私の本能的な嫌悪感が
    どこからきてるのか
    しばし 読む間に考え込んでしまいます
    美味であるから食べるというのでは
    納得できないけど ぎりぎりまで
    丹念に描かれていると思いました

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    2017年10月21日
  • 舌の上の君

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    あらすじ:日本人料理人の厨圭が異世界転生した先は、死んだ人間を食べる風習(食葬)のある国だった。圧倒的に美味しい人間である「サカラ」のアイサに助けられて異世界で生活していくが食葬への抵抗感は残り……。

    さらっと言語習得のように、本筋から外れるところは排除されて読みやすい。
    愛する人に食べられたい、愛する人を食べて永遠に一緒に生きていきたい……という考えが軸に描かれるけれど、それは食べた牛豚鶏なんかも共に生きていくということ?とか、栄誉なことであっても子が召し上げられて15歳程度で殺されるのに親がそれを明かすか?とか引っかかることは多かった。ホラー要素はほぼなし。

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    2024年06月25日
  • 世界の愛し方を教えて

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    異世界人転生と内容がSFっぽいけど、自分の意思を強く持ち、立ち向かう姿がすごいかっこよく、ハッとさせられた。

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    2023年06月18日
  • 僕は天国に行けない

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    深く考えさせられる作品。そんな中にかなりエグい事件も起こり、事件解決と死の先、難しい複雑な想いが湧き出す…

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    2023年06月17日
  • 僕は天国に行けない

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    「人が死んだらどうなるのか」余命数か月の神にも等しい親友・殉がが問う。何も言えなかった俺に再び返事をするチャンスもくれずに彼は翌日子供を助けるために溺死した…。殉の溺死が自殺だという少女とともに真相を知るべく調べ始めた彼らの前に現れたのは驚くことに連続猟奇殺人。ミステリを読んでいるとわかっていても死後の話が一気に血生臭くなり、これがどう絡んでくるのか、犯人はだれで、現象はなんなのか、一気に読み進んだ。ラストの展開は好みが分かれるかもしれないが、作者が死というものに本気で向き合ったのが伝わってきてとても良かった。

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    2021年02月15日
  • 僕は天国に行けない

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    内容としては死んだ後、人はどうなってしまうのかということについて語り合っているようなものでした。
    推理小説のような感じでもあったのですが、推理についてはやや強引な感じがしました。所々でなんでそんな推理ができるんだ......みたいなところがありました。
    とはいえ、死んだ後どうなってしまうのかということについて様々な視点から語られていた点については、とても奥が深いテーマだなと自分自身も色々考えさせられ、良い内容だったと思います。

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    2021年01月11日