ヰ坂暁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
死んだらどうなるに向き合う若者たちの姿に共感しました。自分も死んであの世がなかったらという恐怖にたまに囚われるタイプの人間なのでこの手の題材はとても気になるのですが、本作は死んで無になることへの怖れに震える人の姿とそれでも天国や霊魂を信じたい若人たちのもがく姿が印象的でした。
思春期特有の悩みと一蹴してしまえる死についての苦悩。あの世なんてないと撚たことを言うのは簡単でもいざ死が間近に迫ったらを考えると天国を願ってしまう。本作では天国に至ることのできた人とそれを見ながら今を生きるしかない人の関係がとても良かったです。たぶん、自分の神のような友人が死んだら主人公のように自分のために悩むことに -
Posted by ブクログ
「死んだらどうなるのかな、人って」
親友にそう問われた俺は、何も言えなかった。彼の余命はあと数か月だったから。
翌朝、彼は子供を助けようと川に飛び込んで溺死した。
その川であった謎の少女は、これは事故ではなくトリックを使った自殺だと告げ、俺に捜査を持ち掛ける。
死んだらすべてが終わりなのに、なぜ生きているのか。答えのない問いを追及する絶望と祈りと救済の小説です。
親友の死、それに関連する連続猟奇殺人事件の真相を探るミステリと言えばミステリなのですが、本題はそこではなく、どちらかと言えば「人は死んだらどうなるのか」「死とは一体何なのか」を突き詰めた一冊。
綺麗事だけではない、死への恐怖や大切 -
Posted by ブクログ
あらすじ:日本人料理人の厨圭が異世界転生した先は、死んだ人間を食べる風習(食葬)のある国だった。圧倒的に美味しい人間である「サカラ」のアイサに助けられて異世界で生活していくが食葬への抵抗感は残り……。
さらっと言語習得のように、本筋から外れるところは排除されて読みやすい。
愛する人に食べられたい、愛する人を食べて永遠に一緒に生きていきたい……という考えが軸に描かれるけれど、それは食べた牛豚鶏なんかも共に生きていくということ?とか、栄誉なことであっても子が召し上げられて15歳程度で殺されるのに親がそれを明かすか?とか引っかかることは多かった。ホラー要素はほぼなし。